【徹底解説】就労継続支援B型の職場ルールガイド|安全・人間関係・作業のポイント
就労継続支援B型事業所は、一般企業での就労が困難な方々が、それぞれのペースで仕事に取り組むことをサポートする場所です。
ここで働く皆さんが安心して、そして快適に作業を進めるためには、明確な「職場ルール」が不可欠です。職場ルールは、単なる規則ではありません。それは、皆さんがお互いを尊重し、協力しながら目標を達成するための羅針盤のようなものです。
このブログ記事では、就労継続支援B型事業所における職場ルールの重要性とその具体的な内容について、多角的に掘り下げていきます。
この記事のポイント
- なぜ職場ルールが必要なのか? その根本的な理由を理解する
- 具体的なルールの種類と内容:出勤、作業、休憩、人間関係まで
- ルールを守ることのメリット:個人と事業所全体への良い影響
- もしルールが守れなかったら?:適切な対応と再発防止策
- ルールについて相談したい場合:誰に、どのように相談すべきか
就労継続支援B型事業所とは?

就労継続支援B型(以下、B型事業所)は、障害者総合支援法に基づいて運営される福祉サービスのひとつであり、身体的・精神的な障害や難病によって一般企業での雇用が難しい方に、働く場所や機会を提供しています。
利用者は自分の体調や能力に合わせて無理のないペースで作業に取り組みながら、社会参加やスキルアップを目指すことができ、また雇用契約を結ばずに利用できるため、自分らしいスタイルで安心して働ける点も大きな特徴です。
📝関連記事はこちらから
【知的障害×就労支援】B型事業所ってどんなところ? 仕事内容から選び方までやさしく解説
就労継続支援B型とは?制度の仕組みから利用方法まで分かりやすく解説
参考(外部リンク):
障害者総合支援法とは? 目的やサービス、2024年の改正までわかりやすく解説
1. なぜ就労継続支援B型事業所に職場ルールが必要なのか?

就労継続支援B型事業所には、様々な背景を持つ利用者さんが集まります。それぞれ異なる個性やスキル、生活リズムを持っているため、何のルールもなしに共同で作業を進めるのは非常に難しいでしょう。職場ルールは、そうした多様な人々が円滑に、そして安全に作業を行うための基盤となります。
1.1. 安全確保のため
作業内容によっては、工具を使ったり、特定の機械を操作したりすることもあります。安全に関するルールがなければ、思わぬ事故につながる危険性があります。例えば、以下のような安全ルールは特に重要です。
- 作業前に必ず安全確認を行う
- 危険な場所には近づかない、または指示された方法で接近する
- 体調が悪い場合はすぐに職員に申告する
- 緊急時の避難経路や連絡方法を把握しておく
1.2. 円滑なコミュニケーションのため
職場では、利用者さん同士、また利用者さんと職員との間で多くのコミュニケーションが発生します。円滑で前向きな話し合いをするためには、コミュニケーションのルールを決めておくことも大切です。
- 相手の意見を尊重し、傾聴する
- 相手が不快に感じるような言葉遣いや行動は避ける
- 困ったことがあれば、一人で抱え込まず職員に相談する
1.3. 公平性の確保とトラブル防止のため
ルールがなければ、人それぞれの判断で対応が変わってしまいます。また、作業の進め方や休憩時間などに関してトラブルが発生する可能性も高まります。明確なルールがあることで、全員が同じ基準で行動し、不必要な摩擦を防ぐことができます。
- 作業の割り当てや休憩時間は公平に配分する
- 備品や共有スペースは共同で利用し、きれいに保つ
- 意見の対立が生じた場合は、感情的にならず、職員を交えて話し合う
1.4. 一般就労へのステップアップのため
就労継続支援B型事業所の目標の一つに、利用者さんの一般就労への移行支援があります。一般企業で働くためには、基本的なビジネスマナーや職場のルールを守る能力が不可欠です。事業所で職場ルールを経験し、実践することは、将来の一般就労に向けた大切な訓練となります。
- 時間を守る(出退勤、休憩時間)
- 報告・連絡・相談(ホウ・レン・ソウ)の習慣を身につける
- 責任感を持って与えられた仕事を遂行する
2. 就労継続支援B型事業所における具体的な職場ルール

それでは、具体的にどのような職場ルールが設定されていることが多いのでしょうか。ここでは、様々な側面からルールを分類し、その内容を詳しく見ていきます。
2.1. 出勤・退勤に関するルール
職場での活動の基本となるのが、出勤・退勤に関するルールです。
- 勤務時間厳守: 所定の出勤時間までに事業所に到着し、準備を整える。
- 遅刻・欠席の連絡: 遅刻や欠席をする場合は、必ず事前に事業所に連絡を入れる。連絡が遅れる場合も、分かり次第速やかに連絡する。
- 早退の申請: 体調不良などで早退する場合は、職員に申し出て許可を得る。
- タイムカード・出勤簿の記録: 出勤時と退勤時には、忘れずにタイムカードを押すか、出勤簿に記入する。
2.2. 作業に関するルール
日々の作業を効率的かつ安全に進めるためのルールです。
- 作業指示の遵守: 職員からの作業指示をよく聞き、その内容に従って作業を進める。不明な点があれば、勝手に判断せず質問する。
- 集中と丁寧さ: 与えられた作業には集中して取り組み、丁寧な作業を心がける。
- 品質管理: 作成物や成果物の品質基準を確認し、基準を満たすように努める。
- ホウ・レン・ソウ(報告・連絡・相談):
- 報告: 作業の進捗状況や完了、問題点などを定期的に職員に報告する。
- 連絡: 共有すべき情報(例:備品の不足、機械の不調)があれば、速やかに他の利用者や職員に連絡する。
- 相談: 困ったことや判断に迷うことがあれば、一人で悩まず職員に相談する。
- 作業環境の整理整頓: 自分の作業スペースは常に整理整頓し、作業終了時には清掃を行う。
- 備品・工具の扱い: 事業所の備品や工具は大切に扱い、使用後は元の場所に戻す。
2.3. 休憩・休息に関するルール
心身のリフレッシュに欠かせない休憩時間にも、いくつかのルールがあります。
- 休憩時間の厳守: 所定の休憩時間以外は、作業を中断して休憩することはできない。ただし、体調や状況に応じて必要な場合は、合間に休憩を取ることはできます。
- 休憩場所の利用: 指定された休憩スペースを利用し、他の利用者や職員の迷惑にならないようにする。
- 飲食: 指定された場所で飲食を行い、飲食物の持ち込みが禁止されている場所では飲食しない。
- 喫煙: 喫煙は指定された喫煙場所でのみ行い、喫煙マナーを守る。
2.4. 人間関係・コミュニケーションに関するルール
事業所内で良好な人間関係を築くためのルールです。
- 挨拶の励行: 出勤時、退勤時、休憩時など、積極的に挨拶を行う。
- 言葉遣い: 丁寧な言葉遣いを心がけ、相手が不快に感じるような乱暴な言葉や差別的な発言は避ける。
- プライバシーの尊重: 他の利用者や職員の個人的な情報を詮索したり、無断で他者に話したりしない。
- ハラスメントの禁止: いかなる種類のハラスメント(セクハラ、パワハラなど)も許されない。
- 持ち物の管理: 他の人の持ち物を勝手に触ったり、借りたりしない。
2.5. その他のルール
上記以外にも、事業所によっては独自のルールが設けられていることがあります。
- 携帯電話の使用: 作業時間中の私的な携帯電話の使用は禁止されていることが多い。緊急時のみ、職員に申し出て使用する。
- 服装・身だしなみ: 清潔感のある服装を心がけ、作業に適した身だしなみで来る。
- 貴重品の管理: 貴重品は各自で責任を持って管理し、事業所は盗難等の責任を負わない場合が多い。
- 体調管理: 自己の体調に気を配り、不調を感じたら無理せず職員に相談する。感染症予防のため、手洗いやマスク着用などの対策を行う。
📝参考:
ビジネスマナーって? – 就労移行支援 CONNECT(こねくと)
3. ルールを守ることのメリット

職場ルールを守ることは、個人の成長だけでなく、事業所全体の雰囲気や成果にも大きく貢献します。
3.1. 個人のメリット
- 安心感と安定した生活: ルールがあることで、予測可能な環境で安心して作業に取り組める。
- スキルアップと成長: ルールに沿って作業することで、作業効率や品質が向上し、自信につながる。一般就労に向けた準備にもなる。
- 人間関係の構築: 周囲との協調性が高まり、良好な人間関係を築きやすくなる。
- 自己肯定感の向上: 決められたことを守り、役割を果たすことで、自己肯定感が高まる。
3.2. 事業所全体のメリット
- 安全性の向上: 事故や怪我のリスクが減少し、安全な作業環境が保たれる。
- 作業効率の向上: 決められた手順で作業が進むため、無駄が減り、全体としての生産性が向上する。
- トラブルの減少: 不公平感や人間関係の摩擦が減り、穏やかな職場環境が維持される。
- 事業所の信頼性向上: 利用者一人ひとりがルールを守ることで、事業所全体の信頼性が高まる。
📝参考:
【初心者でも安心】就労継続支援B型で身につくビジネスマナー5選|仕事の基本から在宅ワークまで徹底解説
4. もしルールが守れなかったら?:適切な対応と再発防止策

人間なので、時にはルールをうっかり忘れてしまったり、意図せず守れなかったりすることもあるでしょう。大切なのは、その後の対応です。
4.1. 職員からの指導と対話
ルールが守れなかった場合、まず職員から状況の確認と指導が行われます。この時、感情的にならず、なぜルールを守れなかったのか、どうすれば次に同じことが起きないかを一緒に考えることが大切です。
- 正直に状況を話す: 隠さずに、事実をありのままに伝える。
- ルールの意味を理解する: なぜそのルールがあるのか、守らなかった場合にどのような影響があるのかを理解する。
- 改善策を話し合う: 職員と一緒に、今後の改善策を具体的に検討する。
4.2. 再発防止策の検討
一度ルールを破ってしまっても、それを糧に成長することができます。
- 振り返り: 何が原因でルールを守れなかったのか、冷静に振り返る。
- 具体的な行動計画: 次に同じ状況になったらどうするか、具体的な行動計画を立てる。
- 支援の活用: 必要に応じて、職員や相談員に相談し、サポートを受ける。
4.3. 重大な違反の場合
悪質なルール違反や、繰り返しの違反の場合は、事業所の利用継続に関わる重要な問題となることもあります。そうならないためにも、日頃からルールへの理解を深め、遵守を心がけることが大切です。
こちらの内容についてさらに詳しく知りたい方は、こちらの記事もご覧ください。
就労継続支援B型の人間関係トラブルを解決する方法|利用者・職員が安心して働くためにできること
【保存版】知的障害のある方がB型事業所を利用するためのすべて|条件・申請・選び方
参考(外部リンク):
5. ルールについて相談したい場合:誰に、どのように相談すべきか

「このルール、少し分かりにくいな」「どうしても守れない時がある」「他の人の行動が気になってしまう」など、ルールに関する疑問や困りごとは誰にでもあるかもしれません。
5.1. 相談相手
- 担当職員: 日常的に関わりのある担当職員に相談するのが一番スムーズです。
- サービス管理責任者: より専門的な視点でのアドバイスが欲しい場合や、担当職員には相談しにくい内容の場合に相談できます。
- 相談窓口: 事業所によっては、匿名で相談できる窓口を設けている場合もあります。
5.2. 相談の仕方
- 具体的に伝える: 漠然と「困っている」と言うのではなく、「〇〇というルールについて、××な点が分かりません」「△△という状況で、このルールを守るのが難しいです」など、具体的に状況を説明することで、より的確なアドバイスが得られます。
- 感情的にならない: 冷静に、事実に基づいて話すことが大切です。
- 解決策を一緒に考える姿勢: 職員はあなたの味方です。一方的に不満をぶつけるのではなく、一緒に解決策を探す姿勢で臨みましょう。
📝参考:
【完全ガイド】発達障害と就労継続支援B型事業所|悩み別の支援内容と利用の流れ
よくある質問(FAQ)

よく寄せられる質問をまとめました。安心して利用を検討するためにご覧ください。
- 職場ルールは必ず守らなければいけないのですか?
-
はい。ルールは利用者さん一人ひとりが安心して働くために設けられています。安全の確保やトラブル防止のためにも、できる限り守ることが大切です。もしどうしても守れない場合は、職員に相談してください。
- ルールを守れなかった場合、どうなりますか?
-
まずは職員が状況を確認し、対話を通じて改善方法を一緒に考えます。重大な違反でない限り、すぐに利用停止になることはありません。再発防止策を立て、次に生かすことが大切です。
- 事業所によってルールは違いますか?
-
はい。基本的な考え方は共通していますが、作業内容や利用者の状況によってルールは少しずつ異なります。見学の際に職員に確認すると安心です。
- ルールについて疑問や不安があるときはどうすればよいですか?
-
担当職員やサービス管理責任者に相談してください。事業所によっては、匿名で相談できる窓口を用意している場合もあります。
- ルールを守ることでどんなメリットがありますか?
-
安全に作業できるだけでなく、人間関係が良くなり、作業効率も上がります。また、一般就労に必要なマナーやスキルを身につけることにもつながります。

当事業所「ふじのもり笑店」では、体験や見学をいつでも大歓迎しています。
「自分に合うかな?」と迷っている方も、まずは一度お気軽に見学にお越しください。
実際の雰囲気や作業内容をご覧いただくことで、安心して利用を検討いただけます。
まとめ:ルールはあなたを支える大切な味方

就労継続支援B型事業所における職場ルールは、皆さんが安全に、安心して、そして快適に作業に取り組むための大切な基盤です。それは、一人ひとりの個性や能力を尊重し、誰もが気持ちよく働くための「共通の言葉」のようなものと言えるでしょう。
ルールを守ることは、決して束縛されることではありません。むしろ、あなた自身の可能性を広げ、安定した生活を築き、将来のステップアップへとつながる大切な一歩となります。もしルールについて疑問や不安があれば、遠慮なく職員に相談してください。
就労継続支援B型事業所で働く皆さんが、職場ルールを理解し、実践することで、毎日を充実させ、着実に目標に向かって進んでいけるよう、心から願っています。
📝 参考リンク(外部)
就労継続支援B型事業所一覧 – 障がい者就労支援情報~全国版~

京都市伏見区にお住まいの皆様へ。
就労継続支援B型事業所「ふじのもり笑店」は、「自分らしく働きたい」という気持ちを大切にする、あなたのための場所です。
就労継続支援の制度や特徴はもちろん、利用の対象となる方、そして利用にあたっての疑問など、皆様にとって役立つ情報を丁寧にご紹介しております。
「まずは少しずつ」「自分のペースで続けたい」
そんな思いをお持ちの京都市伏見区の皆様にも、安心して通っていただける温かい環境をご用意しています。利用者様一人ひとりの「やってみたい」を尊重し、それぞれのペースに合わせた働き方をサポートいたします。
対象となる方について
京都市伏見区にお住まいで、知的障害、精神障害、身体障害、発達障害などをお持ちの方で、一般企業での就労に不安がある方、または就労移行支援事業などを利用したが就労に結びつかなかった方などが対象となります。
お仕事内容について
京都市伏見区の「ふじのもり笑店」では、利用者様の多様なニーズに合わせて、パソコンやスマートフォンを使った様々なお仕事をご用意しています。ご自身のスキルや興味に合わせて、無理なく取り組める作業がきっと見つかります。
在宅ワークも可能!
お仕事内容によっては、ご自宅にいながら働く「在宅ワーク」も可能です。
通所が難しい方でも、社会との繋がりを持ちながら、ご自身のペースで働くことができます。

※当事業所では内職の在宅は行っておりません。
「もしかしたら、自分にもできるかも!」
そう感じたら、まずはお気軽にお問い合わせください。
あなたが「自分らしく働ける」ためのサポートがここにあります。
安心できる環境で、新たな一歩を踏み出してみませんか?

どんなことでもお気軽にご相談ください。
スタッフが一人ひとり丁寧に対応させていただきます。


🏢事業所のご案内
就労継続支援B型事業所 ふじのもり笑店(旧たきがわ笑店)
- 住所:〒612-0028
京都市伏見区深草飯食町839-14 ソフトウェーブビル3階 - アクセス:京阪本線「藤森駅」西口から徒歩3分♪
※エレベーターで3階までどうぞ! - 電話:075-644-4815
- 営業時間:平日9:00〜18:00(土日お休みです)
- 受付時間:月〜金の9:00〜18:00(祝日除く)
- 公式サイト(HP):https://shoten-group.com/
- メール:infoshoten-group.com
- TikTokはこちら
- Instagramはこちら
- LINEはこちら


