話せないと仕事の指示が理解できないのでは？

大丈夫です。事業所では、写真やイラスト、チェックリストなどを使った視覚的な説明や、簡潔な指示を取り入れています。

面接や体験のとき、うまく話せないのが不安です。

筆談や代弁支援があるので安心です。事前に「言語に制限があります」と伝えれば、対応してくれる施設がほとんどです。

体調に波があるのですが、通所が不安です。

自分のペースで通えるのがB型事業所の良さです。週1日や午前のみの利用から始めることも可能です。

在宅でも利用できますか？

はい。一部の事業所では在宅就労支援を導入しています。自宅で作業ができる上に、定期的な支援も受けられます。

言語機能障害でも安心して働ける！就労継続支援B型で実現する自分らしい働き方とは？

2025年5月23日 2025年5月23日

笑店グループ

「伝えたい想いがあるのに、言葉が出てこない」

「話そうとしても、相手に伝わりにくくて辛い」

「身体の不自由さや言葉の壁が、働くことを諦めさせてしまう…」

そう感じている方も少なくないのではないでしょうか。

そんな悩みを抱えている方でも、自分らしい働き方を実現できる場所。それが「就労継続支援B型事業所」です。

言葉でスムーズにコミュニケーションを取ることが難しい方でも、その個性や能力を活かし、自分らしく輝ける場所がここにあります。

この記事で分かること💡

言語機能障害とは？どんな困りごとがあるのか
コミュニケーションの工夫
就労継続支援B型とは？基本の仕組み
言語機能障害のある方がB型で働くメリット
実際にできる仕事内容の例
言語でのやりとりが難しい方への支援体制
身体障害・言語機能障害を持つ方の就労継続支援B型事業所活用事例
就労継続支援B型事業所を選ぶポイント
利用開始までの流れと手続き方法
よくある質問FAQ

について分かりやすく解説します。

話すことに不安がある方も、無理なく社会とつながる方法がきっと見つかります。

ぜひ最後まで読んで、就労継続支援B型事業所への理解を深めてください。

言語機能障害とは？どんな困りごとがあるのか

言語機能障害とは、発話・音声・構音・理解・表出などの機能に支障をきたす障害のことです。

脳性まひや脳梗塞、パーキンソン病など身体障害に起因するケースが多く、次のような困難があります。

主な障害

他者の言葉を理解するのが難しい（失語症）
話すときにうまく言葉が出ない（構音障害）
声がかすれてしまい発話が困難（音声障害）
話す際に言葉の流れがスムーズでなくなる状態（吃（きつ）音）

📝 参考リンク（外部）身体障害者福祉法

これらは就労時にも大きな影響を与えます。

たとえば…

🔹コミュニケーションの困難さ

発語や発音が不明瞭なため、会話がスムーズにできない
言いたいことがうまく伝えられず、誤解されやすい
聴き手側が何度も聞き返すことで、本人が精神的に疲弊する

🔹電話や対面応対が困難

電話の音声のみでは自分の言葉が伝わりづらく、業務での電話応対が難しい
来客対応や接客業務に支障が出る
求人で「電話対応あり」とあるだけで応募をためらってしまう

🔹面接・履歴書作成でのハードル

面接時に自己紹介や質問への応答が困難
自分の能力や希望を言語で表現するのが難しい
「意思疎通ができない」と誤解されやすく、不採用の原因になりやすい

🔹職場での人間関係の構築が難しい

雑談や報連相（報告・連絡・相談）が困難なため、孤立しやすい
チーム内での円滑なコミュニケーションに不安があり、自己肯定感が低下する
「空気が読めない」と誤解されることもある

🔹書字・読み取り・認知の障害が併発している場合もある

失語症の一種では、書いたり読むことにも困難があるため、事務作業やテキストコミュニケーションも難しい
作業指示を文書で出されても理解できない場合がある

🔹言語障害に対する理解不足

企業や上司、同僚に障害特性への理解が乏しい場合、配慮を受けづらい
「やる気がない」「反応が悪い」といった誤解が生じやすい
障害特性を説明すること自体が難しいため、支援も届きにくい

🔹情報伝達の速度差やストレス

会話のテンポに合わせられず、置いてけぼりになる
話しかけられること自体に強い緊張や恐怖感を覚える
発語できないことによる無力感や「自分は仕事ができない」という誤った思い込みに陥りやすい

など、言語機能障害はそれぞれで困難の種類や程度が異なります。

また、聴覚障害や発達障害、知的障害と重複している場合もあり、配慮のポイントが複雑になることもあります。

このような背景から、一般企業での就労が困難と感じてしまう方が多く、「就労継続支援B型事業所」のような言語的配慮のある場が必要とされています。

📝関連記事はこちらから

話せなくても大丈夫！音声機能障害のある方が安心して働ける就労継続支援B型とは

コミュニケーション支援の必要性

言語機能障害を抱える方々が職場で快適に働くためには、以下のコミュニケーション支援が必要です。

支援の一例

代替コミュニケーションツール：筆記や絵カード、テキストメッセージなどを活用してコミュニケーションを図ります。
聴覚的サポート：言葉の理解を助けるために、視覚的な情報を併用することが効果的です。
理解と配慮：同僚や上司が理解を深め、サポート体制を整えることが大切です。

就労継続支援B型事業所とは？基本の仕組み

就労継続支援B型事業所（以下B型事業所）とは、障害や難病などの理由で一般企業での就労が難しい方に対して、就労の場とサポートを提供する福祉サービスです。

特徴は次の通りです。

主な特徴

雇用契約を結ばない「非雇用型」
作業ごとに工賃（賃金）が支払われる
働く時間やペースを自分で調整できる
通所だけでなく在宅支援を行う事業所も増えている

言語機能障害のある方でも、就労時間や働き方に制約が少ないため、自分に合ったリズムで就労を継続しやすい点が魅力です。

働く意欲や能力に応じて、自分のペースで仕事に取り組める場所です。

「働く」とは、お金を稼ぐことだけではありません。

社会の一員として、自分の役割を持ち、やりがいを感じることも、働くことの大きな意味です。

B型事業所は、その実現をサポートしてくれる場所と言えるでしょう。

📝利用対象者や条件について詳しくはこちらの記事をご覧ください。

就労継続支援B型はどんな人が対象？自分に合った支援を見つけよう！

障害者手帳がなくても大丈夫？就労継続支援B型で働くための条件とは

言語機能障害のある方がB型で働くメリット

言語機能障害のある方にとって、B型事業所は以下のような安心ポイントがあります。

ポイント💡

発話に依存しない作業が多い（手作業・軽作業など）
スタッフが個別にサポートしてくれる
コミュニケーションに配慮した職場環境
表情・ジェスチャー・筆談などで対応可能
「働く」喜びと自己肯定感の向上
社会とのつながりの実感
生活リズムの確立と健康維持
経済的な自立への一歩を目指せる
新たなスキルの習得と可能性の発見
A型事業所や就労移行支援へのステップアップが可能

言語障害のある方の中には、「自信を失いがち」と感じる方もいらっしゃいます。

しかし、事業所は、働くことを通して自己肯定感を取り戻すリハビリテーションのような側面も持っており、仕事そのものが社会との繋がりを生み出し、自分自身を表現する大切な手段となります。

実際にできる仕事内容の例

言葉を使わずにできる仕事や、言葉のやり取りが少ない仕事が多くあります。

たとえば以下のようなものです。

仕事の具体例

内職作業（封入、シール貼り、袋詰め）
手工芸や軽作業（アクセサリー制作、革細工）
農作業（無農薬野菜の栽培や収穫）
清掃業務（建物内の拭き掃除、トイレ清掃など）
パソコン作業（データ入力、デザイン補助など）

などICTスキルを活用すれば、テキストチャットでのやり取りが可能な在宅作業も選択できます。

Warning

事業所によって作業内容やサービスの提供が異なるため、事前に確認しておきましょう。

📝関連記事はこちらから

就労継続支援B型で挑戦できる仕事とは？自分に合った仕事を見つけよう！

身体障害があっても働ける！就労継続支援B型のメリットを徹底解説

言語でのやりとりが難しい方への支援体制とは

言語機能障害を持つ方には、次のようなサポートが提供されます。

主な支援

📝筆談・ホワイトボード：スタッフと筆談でのやり取りが可能
📱タブレットやスマホ：意思伝達アプリやテキスト入力ツールの活用
👀視線入力やジェスチャー：ICTデバイスと連携し意思を伝える
🤝コミュニケーション支援員：発話支援や代替コミュニケーション支援を行うスタッフが在籍していることも

また、事業所によってはST（言語聴覚士）や作業療法士と連携し、働きながらコミュニケーション力を伸ばす支援も行われています。

Warning

上記はあくまで具体的な事例の一部であり、事業所ごとに、施設の設備状況、配置されている専門スタッフ、得意とする障害の種類、そして提供できる支援内容には違いがあります。

実際に利用を検討する際には、複数の事業所を見学し、ご自身の身体状況や希望する働き方、必要なサポート体制について、事業所に確認するようにしましょう。

📝 参考リンク（外部）

一般社団法人：日本言語聴覚士協会

言語機能障害を持つ方のB型事業所活用事例

実例①：車いす利用のAさん（40代・男性）の場合

Aさんは、事故の後遺症で下半身に麻痺が残り、日常生活も車いすを利用しています。

発症後は外出の機会が減り、働くことにも消極的でした。

しかし、地域の相談支援専門員の紹介で、バリアフリー対応の就労継続支援B型事業所を見学し、利用を決意。

事業所ではAさんの身体状況に合わせて作業台をカスタマイズし、1時間ごとの小休憩や座位姿勢を保ちやすい椅子の導入など、柔軟なサポート体制が整えられました。

「社会とつながっている実感が持てるようになった」と語るAさんは、週4日、無理のないペースで働きながら、生活リズムと自信を取り戻しています。

実例②：言語機能障害を持つBさん（50代・女性）の場合

Bさんは脳出血の後遺症により、発語が困難で会話に大きな支障があります。

復職も断念し、自宅で閉じこもる生活が続いていましたが、医療機関を通じて就労継続支援B型の存在を知り、体験利用を経て通所を開始。

事業所では、文字やイラストでの指示、スマートフォンの音声入力アプリ、ジェスチャーや絵カードなどを組み合わせたコミュニケーション支援が用意されていました。

現在は週5日、短時間の通所ながら安定して業務を続けており、「言葉に頼らなくても働ける場所があることに救われた」と話しています。

スタッフや他の利用者とも自然な関係を築き、安心して働ける環境を見つけました。

このように、就労継続支援B型事業所では、障害特性に応じた配慮やサポートを通じて、自分らしい働き方を実現することが可能です。

B型事業所を選ぶポイント

身体障害・言語機能障害を持つ方が、自分に合ったB型事業所を選ぶためには、いくつかのポイントがあります。

B型事業所を選ぶ際に役立つ、わかりやすいチェックリスト形式の項目です。

ぜひ実際の見学や体験、相談時にご活用ください。

✅B型事業所選び方チェックリスト

① アクセス・設備の充実度

☐ 自宅から無理なく通える距離・交通手段がある
☐ 車いすや杖などを使っても安全に通える・利用できる
☐ バリアフリーのトイレ・スロープ・休憩室がある
☐ プライバシーが保たれる個別ブースや静かな作業スペースがある

② 受け入れ体制・サポートの安心感

☐ 身体障害や言語機能障害についての理解があるスタッフがいる
☐ 自分に合った支援内容を話し合える（個別支援計画の作成がある）
☐ 定期的な面談や相談の時間がある
☐ 支援経験のあるスタッフが対応してくれる

③ お仕事の内容・取り組みやすさ

☐ 自分の体力・興味・得意なことに合った作業内容が用意されている
☐ 単純作業だけでなく、少しずつレベルアップも目指せる環境
☐ 作業内容の変更や相談がしやすい雰囲気
☐ 将来的に就労移行支援へステップアップできる道がある

④ 利用料金・費用の説明

☐ 利用料や送迎費・食費などについて事前に詳しく説明してもらえる
☐ 市区町村の制度や減免制度についての案内がある
☐ 金銭面の不安に相談にのってくれる窓口やスタッフがいる

⑤ 職場の雰囲気・人間関係

☐ 言葉でのやりとりが苦手でも安心して過ごせる工夫がある
☐ スタッフや利用者同士の雰囲気が明るく、落ち着いて働けそう
☐ トラブル時にすぐ相談できる環境が整っている
☐ 無理のないペースで働ける、安心できる雰囲気がある

⑥ その他のチェックポイント

☐ 事業所の見学や体験利用ができる
☐ 利用している方の感想や口コミを確認できる
☐ 相談支援専門員や医療機関、学校との連携が取れている

すべてのチェックに〇がつかなくても、「ここは安心できそう」「ここは不安かも」と感じるポイントをメモしておくのが大切です。

見学を複数回行って、比較しながら自分に合う事業所をじっくり選びましょう。

身体障害のある方の「働く」を応援！就労継続支援B型事業所ガイド

【身体障害のある方へ】就労継続支援B型事業所の選び方｜失敗しないための重要ポイント

利用開始までの流れと手続き方法

B型事業所を利用するためには、いくつかのステップと手続きが必要です。

まずは、お住まいの市区町村の障害福祉窓口や相談支援事業所に相談し、ご自身の状況や希望を伝え、B型事業所の利用について相談します。

詳しい利用方法の流れについてはこちらの記事をご覧ください。

⇒就労継続支援B型の利用方法｜必要書類・手続きの全ステップ

就労継続支援B型と障害福祉サービス受給者証｜利用の流れ・必要書類・注意点

障害のある方に対する相談支援について：厚生労働省（外部リンク）

よくある質問FAQ

話せないと仕事の指示が理解できないのでは？: 大丈夫です。事業所では、写真やイラスト、チェックリストなどを使った視覚的な説明や、簡潔な指示を取り入れています。

面接や体験のとき、うまく話せないのが不安です。: 筆談や代弁支援があるので安心です。事前に「言語に制限があります」と伝えれば、対応してくれる施設がほとんどです。

体調に波があるのですが、通所が不安です。: 自分のペースで通えるのがB型事業所の良さです。週1日や午前のみの利用から始めることも可能です。

在宅でも利用できますか？: はい。一部の事業所では在宅就労支援を導入しています。自宅で作業ができる上に、定期的な支援も受けられます。

まとめ：言葉に不安があっても、自分らしく働ける場所がある

言語機能障害は、働くうえで大きなハードルになることがあります。しかし、就労継続支援B型は、話すことに頼らない働き方や、配慮ある支援体制によって、誰でも自分らしい働き方を見つけることができます。

「言葉で伝えられないからといって、働くことをあきらめたくない」

そんな想いを抱える方にこそ、B型事業所という選択肢があります。

まずは一歩踏み出して、見学や体験をしてみましょう。

あなたの「できる」が、きっとここにあります。

ぜひ、この記事を参考に、就労継続支援B型事業所への理解を深め、あなたにとって最適な働き方を見つけてください。

そして、諦めずに、新たな可能性に挑戦しましょう！

あなたに合う“働き方”や“仲間”との出会いが、きっと自分らしい未来への第一歩になるはずです。

📝 参考リンク（外部）

京都市の就労継続支援B型事業所

就労継続支援B型事業所一覧 - 障がい者就労支援情報～全国版～

京都市伏見区にお住まいの皆様へ。

就労継続支援B型事業所「たきがわ笑店」は、「自分らしく働きたい」という気持ちを大切にする、あなたのための場所です。

就労継続支援の制度や特徴はもちろん、利用の対象となる方、そして利用にあたっての疑問など、皆様にとって役立つ情報を丁寧にご紹介しております。

「まずは少しずつ」「自分のペースで続けたい」

そんな思いをお持ちの京都市伏見区の皆様にも、安心して通っていただける温かい環境をご用意しています。利用者様一人ひとりの「やってみたい」を尊重し、それぞれのペースに合わせた働き方をサポートいたします。

対象となる方について

京都市伏見区にお住まいで、知的障害、精神障害、身体障害、発達障害などをお持ちの方で、一般企業での就労に不安がある方、または就労移行支援事業などを利用したが就労に結びつかなかった方などが対象となります。