視覚障害があっても諦めない!就労継続支援B型で新たなスタートを切る方法
視覚に障害がある方にとって、「働く」ということに対して不安を感じるのは自然なことです。

「仕事を探しても見つからない」
「周囲の理解が得られない」
「一人では外出も不安」
――そんな悩みを抱える方に知っていただきたいのが、「就労継続支援B型」という福祉サービスです。
通勤、作業の内容、職場の理解など視覚障害ならではの悩みは多岐にわたります。

「視覚障害があっても、自分らしく働きたい」
そんな思いを抱く視覚障害者の方にとって、就労継続支援B型事業所は、新たな可能性への扉を開く存在です。
この記事では、視覚障害をお持ちの方に向けて、就労継続支援B型の仕組みや特徴、視覚障害がある方でも安心して利用できる理由、支援内容、事業所選びのポイントまでわかりやすく解説します。
視覚障害について

視覚障害とは、視覚機能の低下により、日常生活に支障をきたす状態のことを指します。
視覚障害の程度や症状は様々です。
視覚障害の種類

視覚障害は、障害が起こる部位や原因によって様々な種類に分類されます。
代表的なものをいくつかご紹介します。
主な種類
・屈折異常
角膜や水晶体の形状が原因で、光が網膜上で正しく焦点を結べず、像がぼやけて見える状態です。近視、遠視、乱視などがあります。
・白内障
眼の水晶体が濁ることで、視力が低下する病気です。
進行すると手術が必要になる場合があります。
・緑内障
眼圧が上昇し、視神経が損傷することで視野が狭くなる病気で、自覚症状がないまま進行することが多いため、早期発見・治療が重要です。
・糖尿病網膜症
糖尿病の合併症の一つで、網膜の血管の損傷により、視力低下や失明につながる可能性があります。
・加齢黄斑変性(かれいおうはんへんせい)
網膜の中心部にある黄斑という組織が、加齢とともに損傷することによって、視野の中心が見えにくくなる病気です。
・網膜色素変性症
網膜の視細胞が徐々に損傷する遺伝性の病気で、夜盲や視野狭窄が進行し、最終的に失明に至ることもあります。
・視野狭窄(しやきょうさく)
見える範囲が狭くなる状態です。
進行すると、まるで筒を通して見ているように見えることがあります。
・色覚異常
特定の色を識別することが難しい状態です。
先天性のものと、病気や薬の影響で後天的に起こるものがあります。
・脳性視覚障害
視覚に関わる脳の部位が損傷することで起こる視覚障害です。
外見上は異常がないように見えても、物の認識や空間の把握などが困難になることがあります。
視覚障害者にとっての就労の課題

視覚に障害のある方にとって、仕事を見つけること、そして働き続けることは、時に多くの困難を伴います。
通勤の不安、作業環境の安全性、情報へのアクセス方法など、考慮すべき点は多岐にわたります。
職場における主な課題
①情報アクセスの困難さ
書類やパソコン画面など、視覚情報に依存する業務が多い中、情報へのアクセス方法の確保が課題となります。
多くの情報が視覚的に提示されるため、文字情報へのアクセスに困難さを感じることがあります。
②移動の困難さ
通勤時の安全性や、職場内での移動の困難さが就労へのハードルとなる場合があります。
公共交通機関の利用や移動経路の把握、安全な歩行など、移動に困難を伴う場合が多いです。
③周囲の協力体制の不足
視覚障害のある方の能力や可能性に対する理解不足、そして適切な支援体制が整っていない場合があります。
職場における周囲の理解や協力が得られない場合、孤立感を感じたり、業務を円滑に進めることが難しくなったりすることがあります。
④コミュニケーションの課題
表情やジェスチャーなど、視覚情報によるコミュニケーションが難しい場合があります。
⑤利用できる支援制度の情報不足
どのような支援制度やサービスを利用できるのか、情報が十分に届いていない場合があります。
⑥職場環境の整備
バリアフリー化されていない職場では、移動や作業に困難さを感じることがあります。
これらの課題があることで、視覚障害のある方が仕事を探したり、続ける上で、これらのことが大きな壁となって、働く気持ちの低下を招く恐れもあります。
しかし、諦める必要はありません。
情報支援技術の進歩や、障害者雇用に対する社会全体の意識の変化により、視覚障害のある方が活躍できる職種や働き方は着実に増えています。
就労継続支援B型事業所は、これらの課題を克服し、視覚障害者の方が安心して働ける環境を提供する存在です。
就労継続支援B型とは?

就労継続支援B型事業所(以下B型事業所)は、障害者総合支援法※1に基づく障害福祉サービスの一つです。
身体的、精神的な障害や難病などにより、一般企業での雇用が難しい方に対して、就労の機会と生産活動の場を提供します。
雇用契約を結ばない形で、利用者の方のペースに合わせて働くことができます。
※1障害者総合支援法について
障害者総合支援法とは? 目的やサービス、2024年の改正までわかりやすく解説(外部リンク)
B型事業所の主な特徴
- 支援内容
利用者の得意分野や興味を活かした作業を提供します。また、就労に向けた知識や技術の習得を促します。
- 柔軟な環境
各利用者のペースに合わせたサポートが行われ、安心して働ける環境が整っています。
- コミュニケーションの促進
さまざまな利用者の方やスタッフの方と交流することで、コミュニケーションスキルが自然と身につきます。
B型事業所について詳しくはこちらから
【初めての方へ】就労継続支援B型事業所とは?わかりやすく解説
視覚障害を持つ方の利用も可能?

視覚障害のある方もB型事業所を利用することができます。
例えば、以下のような方が対象です。
視覚障害をお持ちの主な対象者
- 視覚障害の等級を持っている
- 視力や視野に問題があり、一般就労が難しい
- 通院や治療をしながら働きたい
- 精神的な不安があり、ゆっくり社会復帰したい

B型事業所の主な利用対象者
●一般企業での就職が難しい方
精神障害、発達障害、知的障害、身体障害、難病等などの障害や病気をお持ちの方で、様々な理由で一般企業での就労が難しいと判断された方が対象となります。
及び以下のいずれかに該当すること
●就労経験があり、年齢や体力的な理由で一般就労が難しくなった方
●50歳以上または障害基礎年金1級を受給している方
●就労移行支援等でアセスメントを受けた方
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視覚障害者にとってのB型事業所のメリット

①バリアフリー環境の整備
B型事業所は、視覚障害のある方が安心して働くことができるように、様々な配慮がされています。
多くのB型事業所では、視覚障害者が安全に移動し作業ができるよう、バリアフリー環境を整えています。
例えば
- 作業スペースの安全確保
- 音声案内や触覚サインの導入
- 休憩スペースの確保
など、利用者が快適に過ごせる環境づくり
これにより、視覚障害者が独立して移動できる環境を提供しています。
② 音声案内や点字支援の実施
作業や移動時に必要な情報を音声案内により提供することで、視覚障害者の効率的な活動を支援します。
さらに、点字による表示を行い、必要な情報が得られるよう配慮されています。
③作業内容の工夫
視覚障害者の方々が得意とする能力を活かせるような作業内容が用意されています。
具体的には、データ入力や電話応対、音声コンテンツの編集など、視覚に頼らずとも行える作業があり、それぞれの特性やスキルに応じた業務を行えます。
④柔軟な働き方
B型事業所は雇用契約ではなく、通所という形で利用するため、身体的負担が大きくなりすぎないスケジュールで働けるのが魅力です。
視力の状態が日によって変動する場合でも、比較的柔軟に通所日や作業時間を調整しやすい体制が整っています。
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⑤サポートの充実
スタッフが常駐しており、視覚に関する不安や問題を解消します。

例えば・・
点字や音声支援を用いた情報提供、個別相談など
視覚障害者の方々が安心して働けるよう、様々なサポートが提供されます。
⑥スキルアップの機会
ITスキルや音声コンテンツ制作、コミュニケーションスキルの向上などを通じて、視覚障害者の能力向上を目指します。
⑦社会参加と自己実現
視覚障害者が社会の一員として働くことは、自信や誇りを持つことにつながります。
自己実現を目指して働くことで、自分の能力を再確認し、社会貢献する喜びを得ることができます。
⑧仲間との交流
同じような不安や悩みを抱える仲間との交流は、孤独感を軽減し、情報交換や精神的な支えとなることも少なくありません。
共に働く仲間との協力や励まし合いを通して、社会との繋がりを実感し、自己肯定感を高めることができます。
視覚障害者向けの具体的な仕事内容

B型事業所では、視覚障害者の方向けの様々な仕事内容が用意されています。
ここでは、具体的な仕事内容をいくつかご紹介します。
触覚や聴覚を活かす仕事
- データ入力・事務作業
点字入力ソフトや音声入力ソフトなどを活用し、データ入力や書類作成などを行うことができます。
- 梱包・封入作業
製品を決められた方法で梱包したり、書類を封筒に入れたりする作業です。触覚で形状や数を正確に認識することが求められます。
- 検品作業
製品に不良がないかを目で確認する作業だけでなく、触って確認したり、音で判断したりする作業もあります。
- 清掃作業
決められた場所を清掃する作業です。
視覚情報に頼らず、手順や感覚を頼りに丁寧に行うことができます。
- 農作業
種まきや収穫など、触覚や手の感覚を活かせる作業があります。
- 音声関連
音声データの入力やチェック、ナレーションや朗読など、音声に特化した仕事もおすすめです。
- 音楽・美術
音楽演奏や楽器製作、絵画や彫刻など、芸術分野にも活躍の場があります。

支援機器を活用できる仕事
- 電話応対
音声によるコミュニケーション能力を活かし、電話での問い合わせ対応などを行います。
- 校正・校閲
音声読み上げソフトを活用し、文章の誤字脱字や内容のチェックを行います。
- プログラミング
音声読み上げソフトやスクリーンリーダーを活用し、プログラミングを行う方もいます。
- Webサイト制作
運営: 音声読み上げソフトやキーボード操作を中心に、ウェブサイトの作成や更新作業を行います。

作業は視覚障害に応じた工夫が施されています。
また、資格取得やスキルアップを目指せる事業所も増えています。
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B型事業所でのサポート体制

視覚障害者の方が安心して働けるよう、就労継続支援B型事業所では、様々なサポート体制が整っています。
主なサポート内容
■点字や音声情報への変換
書類や資料を点字や音声情報に変換することで、視覚障害者の方でも情報にアクセスしやすくなります。
■移動支援
公共交通機関の利用や移動経路の案内、安全な歩行のサポートなど、移動に関するサポートを提供します。
■コミュニケーション支援
手話通訳や筆談、音声ガイダンスなど、コミュニケーションの課題を解消するための支援を提供します。
■作業補助
作業の効率化や安全性を高めるための、点字ルーペ、拡大鏡、音声読み上げソフトなどの補助具を提供します。
■触覚や聴覚を活用した作業の提供
手作業、音声を伴う作業、触覚で識別可能な物品の組み立てなど、視覚に頼らない作業内容を提供します。
■日常生活に関する相談支援
視覚障害のある方の日常生活における困りごとや不安に対する相談、アドバイスを行います。
■就労に向けた訓練
PCスキル、コミュニケーションスキル、生活スキルなど、将来的な一般就労に必要な能力を育成するためのプログラムの提供します。
■個別支援計画の作成
利用者の方一人ひとりのニーズや目標に合わせた個別の支援計画を作成し、定期的な見直しを実施。
視覚障害のある方がB型事業所を選ぶ際の5つのポイント

視覚障害のある方がB型事業所を選ぶ際には、以下のポイントを参考にしてみてください。
①環境の整備
視覚障害者向けに特化した設備やツールが整っているかを重視しましょう。
快適に作業できる環境が整っていることが重要です。
②視覚障害への理解と支援体制
視覚障害のある方の特性を理解し、適切な支援を提供できる体制が整っているかを確認しましょう。
支援員の専門性や、支援機器の導入状況などを確認することが大切です。
③仕事内容の多様性と選択肢
自分の興味やスキルを活かせる仕事内容があるか、また、将来のステップアップにつながるような多様な仕事に挑戦できるかを確認しましょう。
④通勤の利便性
通勤できるか、送迎サービスの有無など、無理なく通所できるかを確認しましょう。
⑤見学・体験
必ず事前に見学や体験利用を行い、実際に事業所の雰囲気や作業内容、支援体制を体験してみることを強くおすすめします。疑問点や不安なことは、スタッフの方に質問しましょう。
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自信を持って働ける場所を見つけよう!B型事業所選びのポイント解説

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「B型事業所を利用してみたいけど、どうすればいいの?」
-
視覚障害のある方がB型事業所を利用するまでの一般的な流れについてはこちらをご覧ください。
⇒【完全ガイド】就労継続支援B型の利用方法|必要書類・手続きの全ステップ
【参考リンク】
障害のある方に対する相談支援について:厚生労働省(外部リンク)
【まとめ】
B型事業所は、視覚障害者の方が、自身の特性を活かし、自信と生きがいを持って働くことができる場所です。
「できないこと」ではなく「できること」に目を向け、一人ひとりのペースで「働くよろこび」を感じられるよう、適切なサポートが整えられています
B型事業所は、その第一歩を踏み出すための、最適な選択肢の一つです。
まずは、お住いの地域にあるB型事業所へ相談してみましょう。

就労継続支援B型事業所一覧 - 障がい者就労支援情報~全国版~(外部リンク)
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