話せなくても大丈夫!音声機能障害のある方が安心して働ける就労継続支援B型とは

「話すことが難しい」
「うまく声が出ない」
「声が聞き取りにくい」
といった音声機能障害がある方にとって、就職や職場での人間関係には大きな不安がつきものです。
そんな中、無理のない働き方として注目されているのが「就労継続支援B型事業所」です。
本記事では、音声機能障害のある方が安心して働ける環境を提供する「就労継続支援B型」について、以下のような視点からわかりやすく解説します。
この記事で分かること💡
- 音声機能障害とは?(症状・原因)
- 音声機能障害のある方が抱える就労の課題
- 就労継続支援B型事業所とは?特徴や制度のしくみ」
- 音声機能障害の方がB型事業所で働く8つのメリット
- B型事業所の具体的な仕事内容
- 音声機能障害者の方に合った仕事の工夫▶実際の活躍事例
- 実際の仕事内容や活躍事例
- 利用までの流れと必要な手続き
- 自分に合った事業所を見つけるためのチェックポイント
- まとめ&よくある質問(FAQ)
音声機能障害がある方が、安心して一歩を踏み出すためのヒントが満載の内容となっています。
ぜひ最後までご覧ください。
音声機能障害とは?

音声機能障害は、日本の身体障害者福祉法に基づく「身体障害」の一つです。
声を出すことが難しくなったり、うまく発音できなかったりする状態のことです。
日常生活の中で、話す・伝えるというコミュニケーションに支障が出ることが特徴です。
具体的には、以下の機能に障害がある場合に該当します。
主な障害
- 音声機能:声を出すことができない、または非常に困難
- 言語機能:発音・発語が極端に困難(例:失語症など)
- そしゃく機能:口や顎の動きに障害があり、食べたり話したりが困難
これらの障害が一定以上ある場合、「身体障害者手帳」の交付対象となり、就労支援や福祉サービスの利用が可能になります。
📝 参考リンク(外部)身体障害者福祉法
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具体的な症状の例
- 声がかすれる、出にくい(嗄声=させい)
- 声が途切れる、息が続かない
- 大きな声が出せない、声量が極端に小さい
- 発音が不明瞭で、相手に伝わりにくい
主な原因
- 先天的な要因:生まれつき声帯や喉に異常がある場合
- 後天的な病気・障害:脳梗塞・パーキンソン病・ALSなどの神経系疾患
- 外科手術後:喉頭がんなどで声帯を切除した場合
- 交通事故や外傷による声帯の損傷
- 加齢による声帯の機能低下
音声機能障害は、さまざまな原因で起こります。
音声機能障害のある方が抱える就労の課題

音声機能障害の方が社会参加や働く上で直面しやすい課題には、以下のようなものがあります。
主な課題
- 対人コミュニケーションの壁:電話対応や接客など声を使う業務が難しい
- 自己表現の難しさ:同僚が多くいる職場環境では、発言の機会を失ったり、自分の意見をしっかりと伝えることができないことも。
- 誤解や偏見:意思疎通が難しいと思われ、仕事の機会を奪われる
- 面接時のハードル:自己紹介や受け答えが困難なため採用に至らないケースも
- 長時間の労働が困難:音声の使用に制限があるため、体力や集中力を考慮する必要がある

こうした課題に対して、自分一人で解決策を見つけるのは大変です。
しかし、障害に対する理解がある専門スタッフが常駐し、ITや補助機器を活用できる環境であれば、音声機能障害がある方も十分に実力を発揮できます。
B型事業所は、まさにこの「専門スタッフによる支援」「柔軟な働き方」の両方が用意されている福祉サービスといえます。
就労継続支援B型事業所とは?

就労継続支援B型事業所(以下B型事業所)は、障害者総合支援法に基づき、障害を持つ方々が社会参加の一環として働ける環境を提供する施設です。
B型事業所の特徴
- 雇用契約を結ばない(非雇用型)
- 工賃(給料に相当)が支払われる
- 作業時間や日数は柔軟に調整可能
- 様々な支援が受けられる
- 働くことに慣れることで、次のステップ(A型や一般就労)も目指せる
対象となる方
- 身体障害・知的障害・精神障害・発達障害のある方
- 難病などにより就労が困難な方
- 一般就労やA型事業所での就労が難しいと判断された方
※音声機能障害は身体障害に該当し、支援の対象となります。
📝【参考外部リンク】
障害者総合支援法とは? 目的やサービス、2024年の改正までわかりやすく解説
📝対象者や制度についての詳しい記事はこちらから
音声機能障害の方がB型事業所で働く8つのメリットとは?

①無理なく働ける環境
B型事業所では、利用者の体調や障害特性に応じて作業時間や内容を調整できるため、無理なく働けます。
音声機能障害のある方も自分のペースで仕事が可能です。
②発話に依存しない業務が多い
B型事業所では、軽作業やパソコン作業、ハンドメイド製品の制作、清掃など、音声によるコミュニケーションが必須でない仕事が豊富にあります。
電話対応や対面接客などが求められない業務も多いため、発話が難しい方にとっても働きやすい環境です。
③コミュニケーション方法に配慮してくれる
多くの事業所では、筆談やチャットツールなど、音声以外のコミュニケーション手段が取り入れられています。
また、スタッフが代わりに電話対応をしてくれるなど、実務上のサポート体制が整っている場合もあります。
④ 働く時間・日数が柔軟に選べる
体調や通院の都合に合わせて、短時間からの利用や週に数回だけの通所など、無理のないペースで働くことができます。
ストレスを最小限にしながら、少しずつ働くリズムを整えることができます。
⑤「働くこと」への自信を育める
音声機能障害によって就労に不安を感じていた方でも、安心できる環境で経験を積むことで「自分も働ける」という自信がつきやすくなります。
成功体験を積み重ねながら、将来的なステップアップにもつながります。

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⑥人とのつながりや社会参加を実感できる
自宅にこもりがちな生活から抜け出し、他の利用者やスタッフと関わることで孤独感が軽減され、社会とのつながりを感じやすくなります。
仲間と一緒に作業する中で、安心感や喜びを得られることも大きなメリットです。
⑦個別支援計画によるサポート
利用開始時に立てられる「個別支援計画」に基づいて、本人の特性や目標に合わせた支援が行われます。
音声機能障害に特化した配慮も含まれることが多く、自分らしい働き方が叶いやすい環境です。
⑧就労以外の福祉的支援も受けられる
生活面や体調面など、就労に関すること以外でも相談できる体制が整っています。
必要に応じて、福祉サービスや医療機関と連携した支援も受けられるため、安心して通うことができます。
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自分らしく輝く!身体障害の種類とB型事業所で働くという選択肢
B型事業所の具体的な仕事内容

B型事業所では、事業所ごとにさまざまな業務が提供されています。
さまざまな仕事や作業があります。音声機能障害があっても、ITツールやスタッフのサポートを活用すれば、以下のような業務に十分取り組むことが可能です。
事業所によって作業内容が異なるため、見学や相談を行いながら、実際に自分の適性に合った作業があるかどうかをチェックしましょう。
以下に仕事内容の例をご紹介します。
仕事内容の一例
①データ入力や文書作成
主にパソコンを使用する仕事であり、発話に依存せず作業を進められるため、音声機能に障害のある方でも安心して取り組むことができます。
業務に際しては、専用の音声入力ソフトや文字変換ツールを使って効率化を図ることも可能です。
②チャットサポート/カスタマーサポート(メール対応)
コールセンターのような「電話対応」ではなく、チャットやメールで問合せ対応をする形態が増えています。音声での会話が難しくても、文字でのコミュニケーションスキルを活かして対応することができます。
3製品の検品や包装
視覚や手先の器用さを活かせる業務であり、チームで協力して行うことが多いですが、直接的な会話が少なくても問題ありません。
④工芸品やハンドメイドの制作
クリエイティブな作業を得意とする方には、手工芸品の制作やデザインを担当することもあります。
静かに集中して取り組める環境が整っています。制作中は自分のペースで黙々と作業でき、作った作品が売れる喜びも得られます。
⑤Web制作・デザイン関連
ポスターやチラシのデザイン、バナー制作、Webサイトの更新作業などを行うところもあります。
PC上での作業が中心のため、音声コミュニケーションのハードルが低く、チャットやメールで十分に指示を受けられます。
IllustratorやPhotoshopなどのソフトを使えれば、より専門的に活躍できる可能性があります。

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音声機能障害者の方に合った仕事の工夫

事業所によっては、筆談や電子機器でコミュニケーションを補助し、チームでの連携が取りやすい工夫がされています。
また、無理のない範囲で体調に合わせて作業を選べる点も特徴です。
音声機能障害がある方は、これらの分野で自分のスキルや興味を生かすチャンスがあります。
▶実際の活躍事例

実際にB型事業所を利用している音声機能障害の方の事例をご紹介します。
- Aさんの場合(構音障害)
Aさんは、テキストベースでのコミュニケーションが得意で、データ入力や資料作成の仕事に就いています。事業所内では音声入力ソフトを使用し、効率的な作業を行っています。また、勤務時間を短時間に設定することで、無理なく働くことを実現しています。
- Bさんの場合(失語症)
Bさんは、工芸品の制作部門に所属し、多様な素材を使ったハンドメイド作品を制作しています。自分の作品を通じて他の利用者やスタッフとコミュニケーションを図ることで、新たな絆を築いています。
このように、B型事業所では音声機能障害を持つ方一人ひとりの特性や希望に合わせて、働き方や仕事内容を柔軟に調整することができます。
B型事業所の利用方法・手続きの流れ

「自分にも合いそうだ」と思ったら、次は具体的に利用を検討してみましょう。
B型事業所を利用するには、市区町村で発行される「障害福祉サービス受給者証」が必要です。
まずは市区町村の障害福祉担当窓口や障害者支援施設に相談し、利用申し込みをします。
興味のある事業所を見学し、担当者と面談のうえで利用開始が決まります。
📝詳しい利用方法の流れについてはこちらの記事をご覧ください。
就労継続支援B型と障害福祉サービス受給者証|利用の流れ・必要書類・注意点
事業所を選ぶ際にチェックするべきポイント

音声機能障害に関わらず、B型事業所を選ぶ際は「自分が通いやすいかどうか」を最優先に考えましょう。
特に「通所が億劫にならず、長く続けられそうか」は非常に大切です。
下記の項目を参考にして、見学や面談で質問してみてください。
🔍 見学・面談で確認したいチェックリスト
✅ 通所しやすさ・立地
- 自宅からの距離は無理がないか?
- 最寄り駅・バス停から通いやすいか?
- 送迎サービスは利用できるか?
✅ 音声コミュニケーションへの配慮
- 筆談やタブレット・チャットでのやりとりが可能か?
- スタッフが電話対応を代行してくれる体制はあるか?
- 周囲(他の利用者やスタッフ)に音声機能障害について説明し、配慮してくれるか?
✅ 仕事内容と自分の特性の相性
- 電話対応や会話必須の仕事が中心ではないか?
- PC作業、軽作業、手工芸など、自分の強みを活かせる仕事があるか?
- 仕事の進め方(個人作業・チーム作業)が自分に合っているか?
✅ 事業所の雰囲気と人間関係
- 他の利用者と協力しやすい雰囲気があるか?
- スタッフが親身に話を聞いてくれる姿勢があるか?
- 困ったときに相談しやすい雰囲気か?
✅ スキルアップや将来のサポート体制
- パソコン研修やスキルアップ支援のプログラムがあるか?
- 資格取得のサポート制度はあるか?
- 将来的にA型事業所や一般就労を目指せるような支援体制があるか?
🔸見学は1ヶ所だけでなく、複数の事業所を比較すると、自分に合った場所が見つかりやすくなります。
🔸「ここなら安心して続けられそう」「不安なことも話せそう」と感じられる事業所を選ぶことが大切です。
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【身体障害のある方へ】就労継続支援B型事業所の選び方|失敗しないための重要ポイント
就労継続支援B型の一日を徹底解剖!作業内容、スケジュール、得られるメリットまで分かりやすく解説
就労継続支援B型の体験ってどんな感じ?気になる内容やメリットを解説
まとめ:音声機能障害があっても、自分らしく働ける未来へ
音声機能障害があっても、周囲の理解と適切な支援があれば、自分に合った働き方を見つけることは十分に可能です。
B型事業所は、自分らしく働くことを可能にしてくれる貴重な環境です。
日々の不安を少しずつ解消しながら、自分の「できること」を広げていく中で、社会の中で活躍する喜びを感じられるようになるでしょう。
今回の記事が、その第一歩を踏み出すきっかけになれば幸いです。
まずは、お住まいの地域の障害福祉窓口や障害者就労支援機関などに相談してみてくださいね。
FAQ(よくある質問)

-
音声機能障害でもパソコンが苦手でも大丈夫?
-
はい。作業内容は多種多様で、スキルや希望に合わせて選べます。
-
体調の都合で通所が難しい場合、在宅での利用は可能ですか?
-
一部の事業所では在宅ワークやリモートでの利用が可能になりつつあります。特にコロナ禍以降、在宅対応が増えています。ただしまだすべての事業所で対応しているわけではないので、事前に確認が必要です。
当事業所たきがわ笑店では在宅利用可能です。
-
一般就労やA型事業所への移行はできますか?
-
はい、可能です。B型で経験を積んだ後、希望に応じてA型や一般就労への移行を目指すことができます。
事業所によっては、そのための支援プログラムや就労移行支援との連携もあります。
まずはスタッフに相談してみましょう。
-
雇用契約がないので収入面が心配です。どうなっていますか?
-
B型事業所では雇用契約がないため、最低賃金の保証はなく、報酬は作業工賃として支給されます。
金額は地域や事業所によって異なり、月1,000円~数万円程度が一般的です。生活保護や障害年金と併用している方も多くいます。
詳しくは事業所に問い合わせて確認しましょう。

B型事業所の見学・体験利用・相談はいつでも歓迎されています。
あなたに合う“働き方”や“仲間”との出会いが、きっと自分らしい未来への第一歩になるはずです。
📝 参考リンク(外部)
就労継続支援B型事業所一覧 - 障がい者就労支援情報~全国版~

京都市伏見区にお住まいの皆様へ。
就労継続支援B型事業所「たきがわ笑店」は、「自分らしく働きたい」という気持ちを大切にする、あなたのための場所です。
就労継続支援の制度や特徴はもちろん、利用の対象となる方、そして利用にあたっての疑問など、皆様にとって役立つ情報を丁寧にご紹介しております。
「まずは少しずつ」「自分のペースで続けたい」
そんな思いをお持ちの京都市伏見区の皆様にも、安心して通っていただける温かい環境をご用意しています。利用者様一人ひとりの「やってみたい」を尊重し、それぞれのペースに合わせた働き方をサポートいたします。
対象となる方について
京都市伏見区にお住まいで、知的障害、精神障害、身体障害、発達障害などをお持ちの方で、一般企業での就労に不安がある方、または就労移行支援事業などを利用したが就労に結びつかなかった方などが対象となります。
お仕事内容について
京都市伏見区の「たきがわ笑店」では、利用者様の多様なニーズに合わせて、パソコンやスマートフォンを使った様々なお仕事をご用意しています。ご自身のスキルや興味に合わせて、無理なく取り組める作業がきっと見つかります。
在宅ワークも可能!
お仕事内容によっては、ご自宅にいながら働く「在宅ワーク」も可能です。
通所が難しい方でも、社会との繋がりを持ちながら、ご自身のペースで働くことができます。

※当事業所では内職の在宅は行っておりません。
「もしかしたら、自分にもできるかも!」
そう感じたら、まずはお気軽にお問い合わせください。
「たきがわ笑店」には、あなたが「自分らしく働ける」ためのサポートがここにあります。
安心できる環境で、新たな一歩を踏み出してみませんか?
まずはお気軽にお問い合わせください。



🏢事業所のご案内
- 就労継続支援B型事業所 たきがわ笑店
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京都市伏見区深草飯食町839-14 ソフトウェーブビル3階 - アクセス:京阪本線「藤森駅」西口から徒歩3分♪
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