重度身体障害のある方の「働く」を支える光:就労継続支援B型事業所という選択
重度の身体障害をお持ちの方の中には

「身体に重い障害があっても、社会との繋がりを持ちたい」
「できる範囲で、何か役割を見つけたい」
という思いを抱きつつも、重度の身体障害を持つ方にとって、『働く』という現実に大きな不安や壁を感じている方もおられるのではないでしょうか。

「自分にできる仕事なんてあるのだろうか…」
「移動や介助のことを考えると、働くのは難しいかもしれない…」
「社会との接点をどう持てばいいのだろう…」
そんな不安を抱える方にとって、「就労継続支援B型事業所」は、希望の光となる場所かもしれません。
この記事では、重度の身体障がいのある方が、B型事業所をどのように活用できるのか、その役割やメリット、利用の流れ、そして安心して働くためのポイントなどもお伝えします。
重度身体障害とは?日常生活への影響

「重度身体障害」とは、身体障害者福祉法(外部リンク)における身体障害者手帳の等級で、1級または2級の障害を有する方、あるいは3級の障害を2つ以上重複して有する方を指します。
これは、日常生活や社会生活を送る上で日常生活に大きな制限がある状態を指します。
等級の目安(身体障害者手帳)
・1級
最も重度の障害。両手両足の機能が著しく制限されている場合など
・2級
重度ではあるが、1級よりは軽度の障害。歩行は困難であるが、ある程度の動作が可能など
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重度身体障害に該当する代表的な症状や状態
①脊髄(せきずい)損傷・(頸髄(けいつい)損傷など)
→ 四肢麻痺や体幹機能の喪失により、日常生活動作(食事・着替え・排泄など)に介助が必要
②筋ジストロフィー・ALS(筋萎縮性側索硬化症)などの進行性神経筋疾患
→ 呼吸機能や四肢運動機能に著しい障害があり、医療的ケアや介助を要する
③重度の脳性麻痺(CP)
→ 全身の筋肉が硬直したり緩んだりし、歩行や会話が困難
④両下肢の機能全廃・両上肢の機能全廃
→ 歩行や手作業がまったくできない状態
⑤視覚障害(両眼の失明など)+他の身体障害を合併
→ 移動・コミュニケーションの両方に制限があるケース
⑥難病等により身体機能が急速に低下している状態
→ 多系統萎縮症(たけいとういしゅくしょう)、パーキンソン病など。
⑦聴覚・平衡機能障害
聴力がほとんどなく、意思疎通が極めて困難、重度の平衡機能障害により、起立や歩行が困難
⑧音声・言語機能障害
→発語が全くできない、または極めて不明瞭で意思疎通が困難
重度身体障害の特徴
・日常生活において、常時の介助・見守りが必要なことが多い
・自力での通勤や外出が困難である
・就労や社会参加に制限が出やすい
・医療的ケアを必要とする場合もある
重度身体障害と就労の壁

重度身体障害者の方は、その障害の特性や程度によって、様々な困難に直面し、就労においても多くの壁にぶつかります。
主な就労の課題
・身体的な制限
移動、作業、コミュニケーションなど、日常生活の様々な場面で困難に直面する可能性。
・体力的な負担
労働時間の制限や、作業内容の調整が必要となる場合が多い。
・精神的なストレス
周囲の理解を得られないことや、雇用機会の少なさから、精神的なストレスに繋がることも。
・体調管理への不安
自身の体調が安定せず、継続して働くことができるかという不安。
・職場環境の理解不足
障害者に対する理解が不足し、周囲の協力を得られないケースがあります。
・仕事内容の制限
身体機能の制限や、日常生活におけるサポートの必要性などから、多くの仕事内容が制限されてしまう
・バリアフリー化の遅れ
職場へのアクセス、トイレ、休憩室など、バリアフリー化が十分に進まず、障害者が快適に仕事をすることができないケースがある
このような状況下で、重度身体障害をお持ちの方にとって、働くことは大きな挑戦です。
これらの壁を乗り越えるためには、社会全体の意識改革、制度の改善、企業の積極的な取り組み、そして適切な支援体制の構築が不可欠です。

重度身体障害をお持ちの方にとって、通勤や一般就労の環境は非常に高いハードルとなりがちだからこそ、就労継続支援B型のような柔軟な支援サービスは、その可能性を大きく広げてくれる架け橋となります。
就労継続支援B型事業所とは?

就労継続支援B型事業所は、障害や難病があり、一般企業での就労が難しい方々に、自身の体調やペースに合わせて働くことができる、障害福祉サービスの一つです。
無理なく働ける環境を整え、スキルの向上や社会参加を促進することを目的としています。
B型事業所は、利用者の方の「働く意欲」を最大限に引き出し、「社会参加への喜び」を感じられる場所です。

主な対象者や利用の条件について詳しくはこちらをご覧ください。
⇒就労継続支援B型はどんな人が対象?自分に合った支援を見つけよう!
障害者手帳がなくても大丈夫?就労継続支援B型で働くための条件とは
就労継続支援B型が重度身体障害の方に適している理由

重度身体障害を持つ方にとって、就労継続支援B型が最適な理由は次の通りです。
主な理由
- 雇用契約がないため、出勤日数・時間を柔軟に設定可能
- 車椅子でも通えるバリアフリーな施設が多く安心できる環境
- 介助が必要な方にはスタッフがサポート
- 休憩や体調不良時の配慮がしっかりしている
- 自分に合った仕事内容を選べる
- 個別のサポート体制
- 社会とのつながりを築ける
- 働くことで自信と生きがいを実感
- 実践的なスキルや知識を習得できる

B型事業所で行われる主な作業内容

B型事業所で行われる活動内容は多岐にわたります。
重度身体障害のある方の状況に合わせて、無理なく取り組める作業が提供されており、具体的な例としては、以下のようなものが挙げられます。
作業内容の一例
✅軽作業・手作業
- 部品の組み立て、梱包、袋詰め
- シール貼り、ラベル貼り
- DM封入、宛名書き
- アクセサリー制作、手芸
- ポスティング
✅PC作業・事務作業
- データ入力、書類作成
- ホームページ更新、ブログ記事作成
- 簡単なデザイン作成
- ネットショップ運営
- 翻訳、校正
✅創作活動
- 絵画、イラスト制作
- 陶芸、木工
- 音楽、書道
- 写真、動画編集
✅農作業・園芸
- 野菜や果物の栽培、収穫
- 花壇の手入れ、ガーデニング
✅清掃・環境整備
- 事業所内の清掃
- 地域の清掃活動
✅その他
- 簡単な調理、お菓子作り
- 接客、販売
など・・
作業内容も一律ではなく、個々の能力に合わせて用意されているため、「できること」から無理なく始めることができます。

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重度身体障害のある方が就労継続支援B型を選ぶ際のポイント

数多くの就労継続支援B型事業所がある中で、重度身体障害のある方が自分に合った事業所を選ぶためには、いくつかの重要なポイントがあります。
①アクセスの良さ
重度身体障害のある方にとって、事業所までのアクセスは非常に重要な要素です。
- 自宅からの距離、移動時間
- 公共交通機関の利用の可否、乗り換えの有無
- 送迎サービスの有無、利用条件
- バリアフリー設備の充実度(エレベーター、スロープ、手すり、広いトイレなど)
体験利用などを通して、実際に移動してみて、無理なく通えるかどうかをしっかりと確認しましょう。
②安心して過ごせる場所か
業所内の環境や設備は、日々の活動の質を左右します。
- バリアフリー設備
作業スペース、休憩スペース、トイレなど、必要な場所にバリアフリー設備が整っているか。
- 作業環境
広さ、明るさ、温度管理、騒音など、快適に作業できる環境であるか。
- 休憩スペース
ゆったりと休憩できるスペースがあるか、リクライニングできる椅子やベッドなどが用意されているか。
- 医療的ケアの連携
必要に応じて、医療機関や訪問看護ステーションとの連携体制があるか。
- 緊急時の対応
緊急時の連絡体制や対応マニュアルが整備されているか。
③支援体制
支援体制が整っているかは、非常に重要です。
- 個別支援計画
自身の希望や目標、課題に基づいて、個別の支援計画を作成してくれるか。
- 専門スタッフの配置
障害福祉サービス経験のある専門スタッフ(支援員、生活支援員など)が 충분に配置されているか。
- コミュニケーション支援
意思伝達が難しい場合、コミュニケーションを支援するツールや方法(コミュニケーションボード、意思伝達装置など)の活用や、専門的な知識を持つスタッフがいるか。
- 身体的な介助
排泄、食事、移動など、必要な身体的な介助を提供してくれるか。
- 相談体制
日常生活や仕事に関する悩みや不安を気軽に相談できる体制があるか。
④自分に合った「できること」があるか
事業所で行われている活動内容が、自身の興味や能力に合っているかどうかも重要なポイントです。
- 多様な作業内容
様々な種類の作業が用意されており、自分の得意なことや興味のあることに挑戦できるか。
- 作業の難易度調整
身体の状態に合わせて、作業の量や難易度を調整してくれるか。
- 工賃
作業内容に見合った工賃が支払われるか、工賃体系が明確であるか。
- 事業所の雰囲気
利用者やスタッフの雰囲気はどうか、明るく活気があるか、落ち着いて作業に取り組める環境か。
⑤安心して利用できるか
事業所の運営状況やサービス内容が明確に公開されていることも、信頼できる事業所を選ぶための重要な要素です。
- 事業所の概要
理念、運営方針、サービス内容などが明確に示されているか。
- 利用料金
利用料金やその他の費用について、分かりやすく説明してくれるか。
- 情報公開
事業所の活動報告や自己評価の結果などを公開しているか。

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B型事業所の利用の流れ

就労継続支援B型を利用するまでの一般的な流れは以下の通りです。
①相談・情報収集
まずは、お住まいの市区町村の障害福祉窓口や相談支援事業所に相談し、就労継続支援B型に関する情報を収集します。インターネットや情報誌などを活用するのも良いでしょう。
↓
②見学・体験
興味のある事業所が見つかったら、事前に連絡を取り、見学や体験利用を申し込みます。
実際に事業所の雰囲気や活動内容を体験することで、自分に合っているかどうかを見極めます。
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↓
③申請
利用したい事業所が決まったら、市区町村の障害福祉窓口にB型事業所の利用を申請します。
申請には、医師の診断書や障害者手帳などが必要となる場合があります。
↓
④支給決定
市区町村による審査が行われ、利用が認められると「障害福祉サービス受給者証」が交付されます。

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↓
⑤個別支援計画の作成
事業所のスタッフと面談を行い、あなたの希望や目標、課題などを共有し、個別の支援計画を作成します。
↓
⑥利用開始
個別支援計画に基づき、就労継続支援B型の利用を開始します。
B型事業所の詳しい利用方法についてはこちらをご覧ください。
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まとめ:新たな未来への扉を開く
重度身体障害を持つ方にとって、B型事業所は「安心して働ける場所」であり「自分らしくいられる居場所」です。
障害があっても、

「働きたい!」
「誰かの役に立ちたい!」
そんな気持ちに応えてくれる選択肢が、B型事業所にはあります。
無理せず、自分のペースで、自信と生きがい、そして社会とのつながりを築きながら、自分らしく働く喜びを実感しませんか?
一歩踏み出すことは勇気がいるかもしれませんが、まずは見学や体験を通して、事業所の雰囲気や活動内容に触れてみてください。
きっと、新たな可能性や希望が見つかるはずです。

「諦めなければ、道は必ず拓ける!」
この言葉を胸に、ぜひ就労継続支援B型という選択肢を検討してみてください。
参考リンク(外部リンク)
就労継続支援B型事業所一覧 - 障がい者就労支援情報~全国版~

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