就労継続支援B型と身体障害者の働き方:可能性を広げるためのヒント

身体に障害をお持ちの方の中には

「身体に障害があると、働くのは難しいのでは…」

「自分に合った働き方が分からない」

「一般就労は不安・

と感じている方も少なくありません。

しかし、社会の多様性が重要視される現代において、身体に障害がある方が自分らしく働ける環境を整えることは必要不可欠です。

障害のある方が就労を目指す際には、体力的な制限、バリアフリー環境の不足、通勤手段の制約など、さまざまな課題に直面することがあります。

そこで注目されるのが「就労継続支援B型事業所」です。

身体障害者の方が無理なく、そして安心して働くことができる選択肢のひとつです。

自身に合った働き方を見つけ、社会参加へと一歩を踏み出すための力強い支援を提供します。

本記事では、身体障害者の方に適した働き方や具体的な仕事内容、利用するメリット、そして働く際の注意点についても分かりやすく解説していきます。

「働く」ことの壁:身体障害者の方が直面する就労の課題

就労継続支援B型事業所身体障害者の車いすの女性

身体障害者の方にとって「働く」ということには、いくつかの大きな壁があります。

  • 通勤が困難
  • 長時間の労働が体に負担
  • 職場環境がバリアフリーでない
  • 周囲の理解が得られにくい

など

このような要因により、一般企業での就労が難しいと感じる方も多いです。

しかし、障害者雇用制度や福祉サービスを活用することで、自分のペースで働くことは十分に可能です。

身体障害者の方に適した主な働き方

就労継続支援B型事業所 身体障害者の車いすの女性と付き添う男性

現在では、身体障害者の方が選択できる働き方は多様化しています。

■一般企業での障害者雇用枠

障害者雇用促進法に基づき、多くの企業が障害のある方を積極的に雇用しています。

これらの企業では、障害のある方の個性や特性に合わせた多様な職種や柔軟な労働条件が用意されており、必要な配慮を受けながら安心して働くことが可能です。

ただし、このような環境を実現するためには、企業側の障害に対する深い理解と、合理的配慮が不可欠となります。

■在宅ワーク

自宅でできる仕事(ライター、デザイナー、事務、コールセンターなど)は、通勤が難しい方にとって魅力的な選択肢のひとつです。

■フリーランス・個人事業

自身のスキルを活かして自由な働き方ができますが、安定した収入が得られにくいというデメリットもあります。

■ 就労継続支援事業所(A型・B型)

障害の程度に応じて、自身のペースで無理なく働ける環境が整っています。

A型とB型があり、雇用契約を結ぶか結ばないか、賃金の形態などに違いがあります。

就労継続支援B型事業所支援員の女性

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就労継続支援B型について

就労継続支援B型事業所

就労継続支援B型事業所(以下B型事業所)は、障害者総合支援法に基づく障害福祉サービスの一つです。

障害や難病、加齢などにより、一般企業などで雇用契約を結んで働くことが難しい方に対して、就労の機会や生産活動の場を提供することを目的としています。

この制度では、雇用契約がない形での就労機会が提供されます。

就労継続支援B型事業所の支援員の男性

(参考外部リンク)

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【目的】

この制度の目的は、障害者が社会に参加し、自立した生活を送るための支援を行うことです。

働くことによる自己実現や、社会とのつながりを持つことが主な目標となっています。

【特徴】

①柔軟な就労スタイル

B型事業所では、利用者の方が自分のペースで働けるため、身体的な負担を最小限に抑えながら働くことができます。

生活支援・相談支援

就労に関する支援だけでなく、日常生活に関する相談やアドバイスも受けられます。

③社会経験

働くことで社会経験を積む機会が提供され、利用者同士の交流や協力を通してコミュニケーションスキルが向上します。

就労継続支援B型事業所 コミュケーション

利用対象者や条件について詳しくはこちらの記事をご覧ください。

就労継続支援B型はどんな人が対象?自分に合った支援を見つけよう!

障害者手帳がなくても大丈夫?就労継続支援B型で働くための条件とは

身体障害がある方にとっての就労継続支援B型事業所の役割

就労継続支援b型事業所 身体障害者の女性と男性
①障害に合わせた仕事内容:多様なニーズに対応

主な作業内容

軽作業

梱包、袋詰め、シール貼り、部品組立など

事務作業

データ入力、資料作成、電話対応など

・製作・加工

木工、陶芸、縫製、印刷など

農業

栽培、収穫、出荷など

福祉

 介護、保育、清掃など

IT

データ入力、プログラミング、Webデザイン、SNS運用など

※事業所によって作業内容は異なります。

事業所は、身体障害の種類や程度に応じて、様々な仕事内容を用意しています。

身体障害者の方々が障害を理由に働くことを諦めずに、自分らしい働き方を見つけるための重要な役割を担っています。

就労継続支援B型事業所で作業をする支援員と利用者

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② 個別支援体制:安心して働ける環境

主な支援内容

作業内容の調整 

身体機能に合わせた作業内容の変更や工夫

作業方法の指導

適切な作業方法の指導とサポート

コミュニケーションの支援

手話通訳、筆談、音声ガイダンスなど

生活面でのサポート

通勤の支援、食事の介助、その他必要なサポート

身体障害者の方々が安心して働けるよう、個別支援体制が整っています。

③社会参加への橋渡し:自信と生きがいを育む

働くことで得られる主なメリット

  • 仲間との交流

同じ目標を持つ仲間と協力し、チームワークを育む

  • 社会貢献

自分の仕事を通して社会に貢献している実感を得る

  • 自己肯定感の向上

働く喜びを感じ、自分の能力に自信を持つ

B型事業所では、働くことを通じて社会とのつながりを深め自信と生きがいを得ることができます。

就労継続支援B型 自己肯定感

身体障害がある方にとっての仕事内容と働き方の工夫

B型事業所では、身体障害者の方々が無理なく働けるよう、以下のようなサポートと環境を整えています。

身体機能に合わせた作業内容

作業の分割

複雑な作業を、身体機能に合わせた複数の簡単な作業に分割する

作業時間の調整

個々の体力や集中力に応じて、作業時間を調整する

作業補助具の利用

 身体機能を補うための、作業補助具を提供する

個別ペースでの作業

作業速度の調整

自分のペースで作業を進められるように、調整

休憩時間の確保

疲労を軽減するため、適宜休憩時間を取得できる

個別指導

個々の状況に合わせて、丁寧な指導とサポートを行う

職場環境の調整

バリアフリー化

車椅子や視覚障害者の方でも移動しやすいように、バリアフリー化を進める

設備の工夫

作業しやすい高さのテーブルや椅子、点字表示など、身体機能に合わせた設備を導入する

・送迎サービスの提供

通勤が困難な方のために、送迎サービスを提供している事業所もあります。

就労継続支援B型事業所 身体障害者の車いすの男性
Warning

サービスの提供内容は事業所によって異なるため必ず確認をしておきましょう。

B型事業所での具体的な連携事例

就労継続支援B型事業所身体障害者の車いすの女性

①車椅子の利用者の場合:移動の工夫とバリアフリー

スロープやエレベーター

車椅子での移動がしやすいよう、スロープやエレベーターが設置されている

車椅子対応トイレ

車椅子でも利用しやすいよう、トイレの設備が工夫されている

作業スペースの調整

車椅子で作業しやすい高さのテーブルや椅子などが用意されている

②視覚障害者がある方の場合:音声ガイダンスと点字表示

音声ガイダンス

 重要な場所や設備の説明を音声で案内

■点字表示

案内表示や機器の操作パネルに点字が表記されている

■視覚補助具

拡大鏡や拡大読書器などの視覚補助具の貸出

③聴覚障害がある方の場合:手話通訳と筆談によるコミュニケーション

手話通訳

聴覚障害者の方と職員の間で、手話通訳者がコミュニケーションをサポート

■筆談

手話通訳がいない場合、筆談でコミュニケーションをとる

音声機器

聴覚障害者の方向けに、音声認識や音声出力機能付きの機器が用意されている

Warning

上記はあくまで具体的な事例の一部であり、事業所ごとに、施設の設備状況、配置されている専門スタッフ、得意とする障害の種類、そして提供できる支援内容には違いがあります。

実際に利用を検討する際には、複数の事業所を見学し、ご自身の身体状況や希望する働き方、必要なサポート体制について、事業所に確認するようにしましょう。

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4. 就労継続支援B型事業所での働き方の3つのメリット

就労継続支援B型 良いことを思いつく女性

B型事業所で働くことは、身体障害者の方々にとって、以下のようなメリットがあります。

①収入を得ながら社会参加:経済的な自立を支援

収入を得ながら社会参加することにより、経済的な自立を支援します。

自分の仕事に対する対価として工賃が支払われることで、経済的な自立を目指せるとともに、働くことを通じて社会の一員として活動できます。

②仲間との交流:孤独感を解消し、新たな人間関係を築く

仲間との交流を通じて孤独感を解消し、新たな人間関係を築くことができます。

仲間と協力して仕事に取り組むことでチームワークが育まれ、同じ目標を持つ仲間とのコミュニケーションが孤独感を和らげ、新しい人間関係を築くことで社会とのつながりが深まります。

③自分の能力や価値を見つける:自信と生きがいを得る

自分の能力や価値を見つけることで、自信と生きがいを得ることができます。

仕事を通じて達成感や充実感を味わい、継続することで自信と自己肯定感を高め、働くことで人生に生きがいを見出します。

就労継続支援B型事業所で自己肯定感の向上

など

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事業所選びの6つのポイント:自分に合った事業所を見つける

就労継続支援B型事業所 ポイント

仕事内容

自分の興味や能力に合った仕事内容があるか、どのような作業内容があるのか、自分の興味や得意なことに合っているかを確認しましょう。

実際に作業を見学したり、体験したりすることをおすすめします。

就労継続支援b型事業所 身体障害者

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職場環境

身体機能に合わせたバリアフリー化や設備が整っているか

サポート体制

 個別支援体制が充実しているか、どのような支援を受けられるのか、自分のニーズに合った支援体制が整っているかを確認しましょう。

アクセス

自宅からの距離や、利用できる交通手段を確認しましょう。

送迎サービスがあるかどうかも重要なポイントです。

雰囲気

事業所の雰囲気は、長く通う上で非常に重要です。見学や体験を通して、利用者や職員の様を確認しましょう。

⑥工賃

工賃の金額や支払い方法を確認しましょう。

生活設計において重要な要素となります。

B型事業所の利用までの必要な手続き

就労継続支援B型 ステップの手順

B型事業所の利用には以下の手続きが必要です。

利用までの主な流れ

  1. 市区町村の障害福祉課に相談
  2. サービス等利用計画の作成(相談支援専門員)
  3. 受給者証の申請・交付
  4. 事業所との契約・利用開始
就労継続支援B型事業所 障害福祉サービス受給者証

詳しい利用方法についてはこちらをご覧ください。

【完全ガイド】就労継続支援B型の利用方法|必要書類・手続きの全ステップ

参考リンク(外部リンク)

障害のある方に対する相談支援について:厚生労働省

まとめ:自分に合った働き方を見つけよう

身体障害者の方にとって、無理せず自分らしく働ける環境はとても大切です。

B型事業所は、安心して第一歩を踏み出すための選択肢のひとつです。

柔軟な働き方や生活支援、地域貢献の機会を通じて、社会参加を促進し、自立した生活を支援します。

自身の特性や希望に合った働き方を模索しながらB型事業所を利用することで、より豊かな人生を築くことができるでしょう。

まずは、お住まいの地域の福祉機関やB型事業所に気軽に相談してみましょう。

就労継続支援B型事業所 地域社会

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なお当事業所では内職の在宅は行っておりません。

パソコンやスマートフォンを使ったお仕事を中心に、多様なお仕事をご用意しています。

就労継続支援B型事業所たきがわ笑店でパソコン作業をする女性

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