【重度知的障害でも働ける!】就労継続支援B型事業所で安心して働く方法とは?

重度知的障害のある方にとって、「働く」ということは簡単なことではありません。

「うちの子は重度の知的障害があるけれど、働くことはできるのだろうか…」

日常生活においても支援が必要な場面が多く、就労となると不安を感じるご本人やご家族も多いのではないでしょうか。

そんな方々にとって大きな味方となるのが、「就労継続支援B型事業所」です。

重度知的障害のある方にとって、「働く」という経験は、社会とのつながりを育み、自己肯定感を高める大切な機会となります。

重度知的障害のある方が安心して働ける「就労継続支援B型事業所」について、サービスの内容や支援体制、取り組みやすい仕事、事業所の選び方などを分かりやすく解説します。

障害のある方とそのご家族、また支援者の方にも役立つ情報をお届けします。

就労継続支援B型事業所とは?

就労継続支援B型事業所

就労継続支援B型事業所(以下B型事業所)は、一般企業への就職が難しい方に対し、雇用契約を結ばずに就労の機会を提供する福祉サービスです。

作業内容や時間は柔軟に調整され、障害の特性や体調に応じて無理のないペースで働ける点が大きな特徴です。

特に重度の知的障害がある方にとっては、自立や社会参加を実現する大切なステップとなります。

主な対象者、利用条件について詳しくはこちらの記事をご覧ください。

就労継続支援B型事業所はどんな人が対象?自分に合った支援を見つけよう!

障害者手帳がなくても大丈夫?就労継続支援B型で働くための条件とは

B型事業所について詳しくはこちらの記事をご覧ください。

【初めての方へ】就労継続支援B型事業所とは?わかりやすく解説

重度知的障害とは?

就労継続支援B型事業所知的障害

重度知的障害とは、知的機能の発達が著しく遅れており、日常生活や社会生活を送る上で広範囲にわたる支援が必要となる状態を指します。

日常的な支援が必要であり、抽象的な指示の理解や複雑な作業は困難ですが、繰り返しのある単純作業や視覚的にわかりやすい支援がある環境では、能力を発揮できる場合も多くあります。

重度知的障害に相当するとされるIQはおおむね25~39未満、もしくは20~34程度とされています。

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ただし、IQのみで判断するのではなく、日常生活能力の程度や社会適応能力なども考慮し、総合的な観点から診断されます

以下に、重度知的障害の主な特徴を分かりやすくご紹介します。

主な特徴

認知面の課題

簡単な言葉や指示の理解に時間がかかることがあり、複雑な作業や抽象的な概念の理解は困難なことが多いです。

言語やコミュニケーションの遅れ

言葉によるコミュニケーションが難しい場合があり、表情や動作、絵などを用いて意思疎通を行う場合があります。

日常生活の自立度が低い

食事、着替え、トイレなど、基本的な生活動作を習得するのに時間がかかり、常時支援が必要となる場合があります。

学習のスピードがゆっくり

新しいことを学ぶことに困難を感じることが多く、個別指導や具体的な方法での教え方が必要となります。

感情表現や行動に特性が見られることも

不安や混乱を感じやすく、慣れない環境では落ち着かない様子を見せることがあります。

対人関係

環境に敏感であるため、安定した支援が必要です。

■感覚過敏や感覚鈍麻(どんま)

特定の音や触感に敏感だったり、逆に痛みなどの刺激に鈍感で危険に気づきにくいといった感覚の特性がある場合もあります。

■社会生活

社会的なルールやマナーを理解することが難しく、他者とのコミュニケーションや社会参加に困難を感じる場合があります。

就労継続支援B型事業所 知的障害の女性
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重度知的障害の方の特性は、人それぞれ異なります。

知的障害を持つ人にも、それぞれ個性があり、得意なことや興味のあることが存在します。

そのため、個々の特性を理解し、それに合わせた支援が必要となります。

参考(外部)リンク重度知的障害とは?

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就労継続支援B型事業所の支援員の男性

重度知的障害は、日常生活や学習、コミュニケーション、社会参加において、高度な支援を必要とする状態です。

重度の知的障害があっても、周囲の理解と継続的な支援があれば、自分らしく生活し、社会と関わることができます。

特にB型事業所などの福祉的支援の場では、安心して参加できる作業や活動が用意されており、「できること」を伸ばしながら自信を育む機会があります。

なぜ安心?重度知的障害とB型事業所

就労継続支援b型事業所悩む男性と女性

日常生活においても常時介護が必要な場合が多く、一般企業での就労は困難を伴います。

B型事業所は、そのような方々に対して、それぞれのペースや能力に合わせた支援を提供し、社会との接点を持ち続けるための重要な役割を担っています。

重度知的障害の必要な支援体制とは

就労継続支援B型事業所の支援員と利用者

主な支援

■安心できる環境の整備

刺激の少ない落ち着いた空間や、決まったルール・スケジュールの中で生活できるようにすることで、本人の安心感を高めることができます。

■個別支援計画の策定

一人ひとりの特性、生活状況、能力に応じた個別の支援計画を作成し、無理のない目標設定と段階的な支援を行うことが重要です。

■代替コミュニケーション手段の導入

PECS(絵カード交換式コミュニケーション)やAAC(拡大代替コミュニケーション)など、言語以外の方法を用いたコミュニケーション支援が必要です。

■生活支援と医療的ケアの連携

重度の知的障害に加えて身体的な疾患や発作を併発している場合、医療機関や看護師と連携して日常のケアを提供することが求められます。

■社会参加の機会づくり

たとえ自立が難しくても、地域行事への参加や、B型事業所での簡単な作業など、社会と関わる機会を持つことが自尊心の向上やQOL(生活の質)の維持に繋がります。

就労継続支援B型で提供される主な支援

就労継続支援B型事業所支援員の女性

主な支援内容

■個別支援計画の作成

能力や特性を丁寧に評価し、一人ひとりに合わせた支援計画を作成します。

■作業支援

手順を視覚化したり、スタッフが丁寧に作業をサポート。

■社会参加の促進

職場環境を通して、社会とのつながりを深め、仲間との交流を通してコミュニケーション能力を育む機会を提供しています。

■日常生活支援

身だしなみや挨拶の練習など、基本的な生活スキル向上のための支援。

■コミュニケーション支援

言葉の理解が難しい方には、絵カードやジェスチャーなどを用いた支援を実施。

■健康管理

体調や生活リズムに配慮した支援体制。

重度知的障害のある方に向いている作業

就労継続支援B型事業所のさまざまな作業

B型事業所では、以下のような作業が提供されることが多いです。

「できることから始めてみる」という姿勢が大切にされます。

一般的には、以下のような特徴を持つ作業が比較的向いていると考えられます。

向いている作業の特性

単純で繰り返しのある作業

手順が少なく、毎日同じ作業を繰り返すことで、安定して取り組めることが多いです。

視覚的に分かりやすい作業

言葉での指示理解が難しい場合でも、見て理解できる作業は取り組みやすいです。

工程が細分化された作業

複雑な作業も、一つ一つの工程に分けて指示を出すことで、理解しやすくなります。

自分のペースで進められる作業

時間的なプレッシャーが少ない作業は、集中して取り組むことができます。

身体的な負担が少ない作業

体力的な制約がある場合でも、無理なく続けられる作業が適しています。

完成品が分かりやすい作業

作ったものが目に見えることで、達成感や喜びを感じやすくなります。

B型事業所では、上記のような特性を考慮し、以下のような様々な作業が提供されています。

具体的な作業例

シール貼り、簡単な封入作業や袋詰め
■紙の折り作業、封入作業
■農作業や清掃業務(単純な手順で行えるもの)
■部品の検品
■手芸・ クラフト作業
■創作活動

など

これらの作業は、同じ工程の繰り返しで構成されていることが多く、視覚的な補助が用意されていれば、安心して取り組むことができます。

作業手順を分かりやすくイラスト化したり、作業台を工夫したりすることで、作業の理解を深め、スムーズに進めることができます。

B型事業所では、個々の特性や能力を最大限に引き出し、それぞれが「働く喜び」を見出せる環境を提供しています。

作業内容を、個々の体力や興味、能力に合わせて調整することが大切です。

作業内容や支援内容は事業所によって異なるため必ず確認しましょう。

支援員によるマンツーマン対応も

就労継続支援B型事業所で作業をする支援員と利用者

重度知的障害の方に対しては、支援員の方が付き添いながら、指示の出し方を工夫されています。

例えば

  • わかりやすい視覚支援(絵カードや写真)
  • 繰り返しの声掛け
  • 作業中の見守りと励まし
就労継続支援B型事業所喜ぶ男性と女性

このような支援により、不安を抱えずに作業に取り組むことができるのです。

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B型事業所の選び方の7つのポイント:自分に合った場所を見つける

就労継続支援B型事業所 喜ぶ女性

重度知的障害のある方にとって、事業所の環境や支援体制は非常に重要です。

B型事業所は数多く存在し、それぞれ特徴や支援内容が異なります。

自身に合った事業所を見つけるためには、以下のポイントを参考に検討しましょう。

選び方の7つのポイント💡

①アクセスと利用時間
  • 自宅から通いやすいか、公共交通機関のアクセスが良いかなどを確認しましょう。
  • 重度知的障害を持つ方の場合、移動に介助が必要な場合もあります。送迎サービスがあるかどうかも確認しましょう。
事業所の営業時間
  • 自分の生活スタイルに合った営業時間帯の事業所を選ぶことが大切です。
  • 午前のみ、午後のみなど、柔軟な時間帯で利用できる事業所もあります。
作業内容と支援内容
  • 興味のある作業や得意な分野を活かせる作業があるかを確認しましょう。
  • 重度知的障害を持つ方の場合、複雑な作業よりも、単純作業や繰り返し作業の方が取り組みやすい場合があります。
自分に合った支援内容があるか
  • 個別支援計画の内容、コミュニケーション支援、生活習慣のサポートなどが充実しているかを確認しましょう。
  • 身体的なサポートが必要な場合は、介助体制が整っているかなども確認しましょう。
⑤ 雰囲気とスタッフ
  • 明るくてアットホームな雰囲気なのか、落ち着いて集中しやすい雰囲気なのか、見学に行って実際に確かめましょう。
  • 重度知的障害を持つ方にとって、安心できる温かい雰囲気の事業所を選ぶことが大切です。
スタッフの対応
  • 親切で丁寧な対応をしてくれるスタッフがいるか、相談しやすい雰囲気かなどを確認しましょう。
  • スタッフは、障害者の特性を理解し、寄り添ったサポートができる人材であることが重要です。
⑦見学・体験利用
  • 実際に事業所を見学することで、雰囲気や作業内容、スタッフの対応などを確認できます。

重度知的障害を持つ方にとって、見学は、新しい環境に慣れるための第一歩となります。

一緒に作業を体験することで、自分に合っているか、働き続けられるかなどを判断することができます。

就労継続支援b型事業所 利用者の男性と女性

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B型事業所のご利用の流れについてはこちらをご覧ください。

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ご家族や支援者にできる6つのこと

就労継続支援B型 支援員と女性

重度知的障害のある方がB型事業所で安心して過ごし、自分らしく働くためには、ご家族や支援者の存在がとても大きな支えになります。

ここでは、身近な人ができる具体的なサポートをご紹介します。

①本人の気持ちを大切にする

「やってみたい」「行ってみたい」といったご本人の思いを尊重することが、最初の一歩です。

何気ない気持ちの中にも意欲や成長のヒントがたくさん隠れています。

否定せずに耳を傾ける姿勢が、自信と安心につながります。

②日常生活を整える手助けを

就労を安定して続けるためには、生活の土台が整っていることが重要です。

毎日の生活リズム、食事や睡眠の管理、通所に向けた準備など、無理のない範囲で寄り添って支えることが、ご本人の安心感にもつながります。

③事業所とのコミュニケーションを大切に

ご本人の状態や変化を、事業所としっかり共有することも大切です。連絡帳のやり取りや面談を通して情報交換をすることで、よりきめ細やかな支援につながります。

家庭と事業所が協力することで、ご本人にとって心地よい環境が整いやすくなります。

④小さな「できた!」を一緒に喜ぶ

「今日は自分からあいさつができた」

「作業が最後までできた」

など、どんなに小さなことでも前向きな変化は大切な成長の証です。

そのひとつひとつを一緒に喜び、支援員の方からの

「がんばったね」
「よくできたね」

と声をかけることで、次への意欲や自信につながっていきます。

⑤焦らず、その人のペースを見守る

つい周囲と比べてしまうこともありますが、大切なのは「その人のペースで少しずつ進むこと」です。

うまくいかない日があっても、責めるのではなく、そっと寄り添いながら見守ることで、ご本人は安心してチャレンジできます。

⑥専門機関の力を借りることも選択肢に

困ったときは、一人で抱え込まず、相談支援専門員や福祉事務所、医療機関、地域生活支援センターなど、専門機関に相談するのも大切なステップです。第三者の視点から、客観的なアドバイスや支援の提案を受けられます。

ご家族や支援者が無理のない範囲で「寄り添い、支える」ことは、ご本人の安心感や就労の継続につながります。焦らず、その人らしい「働き方」を、一緒に見つけていきましょう。

就労継続支援B型事業所知的障害の子供をもつ両親

参考リンク(外部リンク)

障害のある方に対する相談支援について:厚生労働省

まとめ|重度知的障害のある方も「働く」をあきらめないで

重度知的障害があるからといって、「働くこと」は決して不可能ではありません。

B型事業所のような福祉的な環境であれば、その人に合ったペースで社会とつながりながら働くことが可能です。

大切なのは「できること」を見つけ、それを丁寧に支えてくれる事業所と出会うこと。

安心して過ごせる場所、理解ある支援員、やりがいのある作業環境が整えば、働く喜びや自信を少しずつ育むことができます。

お子さまやご家族の「働きたい」「社会とつながりたい」という思いに寄り添いながら、無理なく、そして前向きに一歩を踏み出してみましょう。

就労継続支援B型事業所の笑店グループで働く障がいを持つ仲間たち

参考リンク(外部リンク)就労継続支援B型事業所一覧 - 障がい者就労支援情報~全国版~

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お仕事内容にもよりますが、在宅ワークも可能!

なお当事業所では内職の在宅は行っておりません。

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就労継続支援B型事業所たきがわ笑店でパソコン作業をする女性

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就労継続支援B型事業所たきがわ笑店の利用者と支援員の女性
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