発達障害と就労継続支援B型の関係について、いっしょに考えてみませんか?
発達障害がある方やそのご家族、また支援をしている方にとって、「就労継続支援B型(以下B型事業所)」はとても大切な存在です。でも、名前を聞いたことがあっても、「どんなところ?」「自分にも合うのかな?」と不安に思うこともあるかもしれません。
このブログでは、B型事業所ってどんなところなのか、発達障害のある方とどう関わっているのか、実際に利用するにはどうすればいいのか…など、いろいろな角度からわかりやすくお話ししていきます。
B型事業所を使ってみようかなと考えている方、働くことにちょっと不安を感じている方、そして支援に関わるすべての人にとって、少しでもお役に立てればうれしいです。
B型事業所とは

B型事業所って、働き方に困っている障害のある方が、自分のペースで無理なく働ける場所のことなんです。
B型事業所では、普通の会社のように雇用契約を結ばずに働くことができます。
仕事内容の例をいくつか挙げると、軽作業(梱包、シール貼りなど)、手作業(アクセサリー制作など)、農作業、清掃、パソコン作業などがあります。事業所によって、どんな仕事があるかは違います。
B型事業所は、自分の体調とか、できることに合わせて、いろんなお仕事ができるんです。
B型事業所では、ご自身が得意なことや、体調が良いと感じる時にできる仕事を選んで取り組むことができます。
また、無理をし過ぎずに、ご自身のペースに合わせて働くことができるのが、B型事業所の良い点です。
B型事業所で得られるお金(工賃)は、たくさん稼げるというわけではないかもしれませんが、それ以上に、みんなと一緒に何かをしたり、生活のリズムを作ったり、誰かと繋がって働くことができる、すごく大切な場所なんです。
もし、B型事業所に行ってみようかな?と考えておられる方は、お金のことだけでなく、ここでなら、もっと自分らしく、安心して毎日を送れるかもしれない、ということも考えてみてください。
きっと、新しい繋がりや、心地よい居場所が見つかると思いますよ。
特に、発達障害がある方にとっては、周りの人とのコミュニケーションの取り方とか、お仕事の進め方とか、色々配慮してくれる環境でいられることが、毎日を気持ちよく過ごすための大きな助けになることもあるみたいです。
B型事業所は、働くことを通して、自分らしくいられる場所、って言えるかもしれませんね。
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発達障害とは

発達障害とは、先天的な脳機能の偏りにより、コミュニケーションや社会的相互作用、注意や行動の制御、学習などにおいて、特有の困難さを抱える状態を指します。
具体的には、自閉スペクトラム症(ASD)、注意欠如・多動症(ADHD)、学習障害(LD)などが含まれます。
これらの特性は外見から認識されにくい場合が多く、ご本人や周囲の理解が十分でないことがあります。
しかし、適切な理解と支援があれば、発達障害のある方もその能力を十分に発揮し、社会生活を送ることが可能です。
例えば、人とのコミュニケーションが少し難しかったり、一つのことに集中するのが得意だけど、他のことに気を配るのが苦手だったり。
忘れ物が多かったり、思ったことをすぐ口に出してしまったりすることもあります。
また、読み書きや計算など、特定のことがすごく苦手な場合もあります。
これらのことは、見た目にはなかなか分かりにくいことが多いんです。
だから、周りの人に理解してもらえなくて、悩んでいる方もいらっしゃいます。
もし、あなたが発達障害があって、働くことに少し不安を感じているなら、B型事業所は心強い味方になってくれるかもしれません。
B型事業所では、あなたの得意なこと、苦手なことをちゃんと理解して、働きやすいように色々な工夫をしてくれます。例えば、間違いを減らすための工夫をしてくれたり、コミュニケーションがスムーズにいくようにサポートしてくれたり、集中しやすい環境を整えてくれたり。
もし、普通の職場で働くことに難しさを感じていたとしても、B型事業所なら、あなたのペースで、安心して働くことができるかもしれません。
周りの人に理解してもらいながら、自分の力を活かして働くことができる場所、それがB型事業所なんです。
「自分には無理かも…」と諦めてしまう前に、一度B型事業所のことを知ってみてください。
きっと、新しい可能性が見つかるはずです。
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B型事業所が果たす役割

B型事業所のいちばん大きな特徴は、「雇用契約を結ばずに働く」という点です。
普通の会社で働く場合は、会社と「いつからいつまで、こういう条件で働きます」っていう約束(雇用契約)を結んで、決められた時間やルールを守って働く必要がありますよね。
でも、発達障害のある方の中には、人と話すことが少し苦手だったり、作業する時間やペースを調整してもらう必要があったりすることがよくあります。そういう時に、無理をして普通の会社で働こうとすると、すごく疲れてしまったり、周りの人とちょっとしたことでうまくいかなくなったりすることもあるんです。
その点、B型事業所では、働く人のそれぞれの個性や、その日の体調に合わせて、働く時間や内容を調整してくれることが多いんです。だから、安心して自分のペースで働くことができます。
例えば
・体調がすぐれない日や集中力が続かない場合には、短時間だけ働く。
・休憩を多めに挟む。
・職員や支援員が利用者とのコミュニケーションをしっかりとり、必要に応じて作業手順を見直す。
など、個別の配慮を行うことも多いです。
さらに、B型事業所では、定期的な面談やモニタリングを通じて利用者の悩みや困りごとを把握し、支援内容の見直し・調整を行います。
こうした環境は、発達障害の方が安心して長期間働き続けられるうえでとても重要な意味を持ちます。
単に“雇用”を提供するのではなく、「働く場所としての安全基地」を提供しているとも言えます。
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利用までの主な流れは?
B型事業所のサービスを利用するには、まずはお住まいの市区町村の障害福祉担当窓口や、お近くの相談支援専門員に相談してみるとよいでしょう。
支援を開始するまでの大まかな流れは、以下のようになります。
- 1相談・情報収集
B型事業所を利用したいと考えたら、市区町村の障害福祉課に問い合わせ、利用に必要な手続きや、地域にどのようなB型事業所があるかを確認します。
また、インターネットや家族・友人、支援者のクチコミなど、多方面から情報を収集すると安心です

- 2事業所見学・体験
興味を持った事業所に連絡し、見学や体験利用を申し込みます。
実際の作業内容やスタッフの雰囲気などを直接確認し、自分に合っているかどうかを見極めることが大切です。
特に発達障害の特性がある場合は、どの程度の配慮やサポートを受けられるのか、コミュニケーションの取りやすさや作業環境の整え方などをチェックできます。

- 3市区町村への申請
利用したい事業所が決まったら、障害福祉サービスの受給者証を取得するために、市区町村役所へ申請を行います。
主治医の診断書や障害者手帳など、必要な書類を準備し、所定の手続きを進めます

- 4受給者証発行・利用開始
障害福祉サービスの支給決定が下りると、受給者証が発行されます。
これを事業所へ提示し、利用契約を締結すると、正式にB型事業所で働くことが可能になります。

就労継続支援B型の利用方法についてはこちらの記事をご覧ください。
⇒【完全ガイド】就労継続支援B型の利用方法|必要書類・手続きの全ステップ
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実際の事例

自閉スペクトラム症(ASD)の特性を持つAさんの例です。
初めての職場で、周りの人とのコミュニケーションがうまくいかなかったり、報告や連絡、相談がうまくできなくて、何度もミスをして、上司に叱られる毎日だったそうです。
お仕事自体は、簡単なパソコンでのデータ入力だったんですが、だんだん周りの人に信用してもらえなくなって、結局その会社を辞めてしまいました。
「自分は社会で働くのは無理なんだ…」と感じて、家に閉じこもるようになってしまったそうです。
でもその後、就労継続支援B型事業所という場所に通い始めたことで、少しずつ良い変化がありました。
B型事業所のスタッフや他の利用者さんたちと、程よい距離感で関わるうちに、だんだんコミュニケーションを取ることや、作業をすることに自信を取り戻していったんです。
B型事業所のスタッフが、Aさんに合わせて丁寧に作業の手順を教えてくれたり、ミスを減らすための工夫を一緒に考えてくれたりしたおかげで、お仕事がスムーズにできるようになり、生活のリズムも安定してきたそうです。
次に、注意欠如・多動症(ADHD)の特性を持つBさんの例です。
Bさんは、一つのことに集中するのが難しくて、ケアレスミスが多かったそうです。
でも、B型事業所に通い始めてからは、短い時間で集中して作業して、合間にこまめに休憩を取るというスケジュールで働くことになりました。
そうすることで、ミスが減って、自分がどんなペースで作業するのが合っているか、どのくらいの時間なら集中できるのかが、だんだん分かってきたそうです。
AさんもBさんも、最初は働くことに悩んでいたけれど、B型事業所という場所で、自分の特性に合わせたサポートを受けながら働くことで、少しずつ自信を取り戻し、安定した生活を送れるようになったそうです。
さらに、自身の特性を周囲に伝える力もつき、家族との関係も安定し、安心して過ごせる環境が整ってきました。
スタッフや周囲ができること

就労継続支援B型事業所で働くスタッフや、利用者の家族・友人など周囲の人々には、発達障害の特性に配慮したコミュニケーションやサポートが重要です。以下にいくつかの具体例を挙げます。
主な具体例
- 分かりやすい指示・説明
発達障害のある方は、言葉のちょっとした意味合いを理解するのが難しかったり、長い説明を聞いていると集中できなくなってしまうことがあります。
B型事業所では、できるだけ短い文章で説明したり、絵や図などの分かりやすい資料を使ったり、手順を箇条書きにして伝えたりするように工夫しています。
そうすることで、誰にとっても分かりやすく、スムーズに作業に取り組めるようにサポートしているんです。
もしあなたが、「説明を聞くのが苦手だな…」と感じているなら、B型事業所なら、見てすぐに分かるような伝え方でサポートしてくれるので、安心して働くことができると思いますよ。
- 適度な休憩や環境調整
集中して作業するのが長く続かないな、と感じることはありませんか?
B型事業所では、そういう時に無理せず、こまめに休憩を挟めるようなスケジュールを組むことができます。
また、周りの音があまり気にならない、落ち着いて作業できるスペースを用意したり、光の刺激を少なくしたりといった工夫もしています。
発達障害のある方が、「自分でどうすることもできない不安」を感じなくて済むように、B型事業所では、働く環境をその人に合わせて、色々と調整してくれるんです。
「集中が続くか心配…」という方も、B型事業所なら、安心して自分のペースで働くことができると思いますよ。困ったことがあれば、いつでも相談できる環境があるのも心強いですよね。
・ポジティブなフィードバック
もし、お仕事でちょっとうまくいかなかったことがあっても、B型事業所では、つらい言葉で「なんでできないんだ!」なんて言われることはありません。「次は、ここをこうしてみると、もっとうまくいくかもしれないね」って、一緒に考えて、優しく教えてもらえます。
そして、ほんの小さなことでも、「わあ、できたね!すごい!」って、一緒に喜んでくれるんです。
そういう嬉しい気持ちを積み重ねていくうちに、「僕にもできるんだ!」「私にもやれるんだ!」って、だんだん自信が湧いてきます。
だから、もし、働くことに不安があるとしても、B型事業所は、あなたの頑張る気持ちを大切にしてくれる、温かい場所だと思います。安心して、一歩踏み出してみませんか?
・定期的な見直しと振り返り
お仕事の進み具合や、ちょっと困っていることなどを、B型事業所のスタッフと一緒に、定期的に話す時間があります。そこで、「ここ、もうちょっとこうなったらいいな」とか、「次はこうしてみようか」って、みんなで一緒に考えるんです。
発達障害の特性も、一人ひとりの個性も違うから、頑張るポイントや、もっと伸ばせそうな良いところも、みんなそれぞれ違いますよね。だから、B型事業所では、あなたに合ったやり方で、少しずつステップアップしていけるように、ちゃんと見てくれるんです。
「自分に合った進め方って、どうすればいいんだろう?」って悩んでいる方も、B型事業所なら、あなただけのペースで、安心して成長していけると思いますよ。
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利用における4つの注意点

B型事業所を利用する際には、いくつか知っておきたい注意点もあります。
それぞれを把握したうえで、自分の状況や目標に合わせた利用計画を立てるとよいでしょう。
1.工賃の問題
先述のとおり、就労継続支援B型で得られる工賃は、一般的にそれほど高額にはなりにくいです。
収入面で生活を安定させたい場合、他の支援サービスと併用したり、将来的に就労継続支援A型や一般就労を目指すなど、収入アップの道筋を考えておくことも大切です。
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2.周囲の理解
発達障害って、見た目にはなかなか分かりづらいことが多いんです。だから、周りの人に「なんでそんなことで困ってるの?」って思われて、なかなか理解してもらえないこともあるかもしれません。
もし、B型事業所のスタッフや、ご家族と、あなたの特性や、どんなことに困っていて、どんなサポートがあれば助かるのか、という情報がちゃんと伝わっていないと、せっかくB型事業所に通っていても、ちょっと困ったことが起きちゃうかもしれません。
だから、あなた自身が「自分にはこういう特性があって、こういうことに困っている。だから、こういうサポートがあると嬉しいな」ということを、B型事業所のスタッフや、応援してくれる人に、ちゃんと伝えることが大切なんです。
みんなで情報を共有して、一緒に考えていくことで、もっとあなたにとって過ごしやすい環境になるはずですよ。遠慮せずに、あなたの気持ちを伝えてみてくださいね。
3.ステップアップへの道筋
B型事業所は、「ここが最終地点!」というわけじゃなくて、「必要なサポートを受けながら、まずはここで働く」という場所なんです。
中には、「B型で働きながら、もっとステップアップして、次はA型っていう働き方に挑戦したいな」とか、「色々な訓練を受けて、普通の会社で働くことを目指したいな」って考えている人もいます。
もちろん、「自分のペースで、ずっとB型で働くのが一番合ってる」っていう選択肢も全然アリなんです。
だから、その時のあなたの体調とか、これからどんな風に生活していきたいか、どんな目標があるかに合わせて、色々な働き方を考えられるのが大切なんです。
B型事業所のスタッフも、あなたの希望を聞きながら、一緒に計画を立ててくれますよ。
4.自己理解・自己 Advocacy(権利擁護)
発達障害がある方は、まず「どんな時に一番集中できるかな?」「何に困っていて、どうしてもらえたら嬉しいかな?」って、自分のことを知ることが、とっても大切です。
そして、それを周りの人に「実はね、こういうことがあると、ちょっと困っちゃうんだ」「こうしてもらえると、すごく助かるんだけどな」って、ちゃんと伝えることが、B型事業所を気持ちよく使うためのコツの一つなんです。
もし、「うーん、これ、ちょっとやりにくいな…」って思うことがあったら、遠慮しないで周りの人に言ってみてください。それは、あなたがもっと気持ちよく過ごすために、とっても大切なことなんです。
B型事業所は、あなたが安心して「あのね…」って言えるような、あったかい雰囲気づくりをしています。
だから、困ったことがあったら、いつでも頼ってくださいね。
みんなで一緒に、あなたがもっと働きやすいように、サポートしますから。
まとめ
発達障害のある方がB型事業所を利用する上で、一番大切なことは、まずご自身について知ること。「どんな時に集中しやすいか」「何に困っていて、どういうサポートがあれば助かるか」を把握することが、心地よく過ごすための第一歩です。
そして、それを周りの人に伝えることも、すごく大切。「実は、こういうことがあると少し困ってしまうんです」「こうしてもらえると、すごく助かります」と、遠慮せずに話してみてください。それは、あなたがもっと気持ちよく働くために、とても大切な行動なんです。
もし、「これ、ちょっとやりにくいな…」と感じることがあれば、「あのね…」と、気軽に声をかけてみてください。B型事業所は、あなたが安心して自分の気持ちを話せるような、温かい雰囲気づくりを心がけています。
困ったことがあれば、いつでも頼ってください。スタッフみんなで、あなたがもっと働きやすいように、一生懸命サポートします。B型事業所は、あなたらしく輝ける場所です。
参考リンク(外部リンク)就労継続支援B型事業所一覧 - 障がい者就労支援情報~全国版~
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