精神障害のある方の「働きたい」を応援!就労継続支援B型の利用ガイド

精神障害(うつ病・統合失調症・不安障害など)のある方が、安心して自分らしく働き始められる「就労継続支援B型」(以下B型事業所)について、わかりやすく解説します。

B型事業所は、無理のないペースで仕事を体験できる福祉サービスで、特に精神障害のある方にとって社会復帰や自立への第一歩として重要です。

この記事では、B型事業所の仕組みやメリット、利用方法、注意点などを紹介し、「働くのが不安」「支援を知りたい」と感じているご本人やご家族・支援者に役立つ情報をお届けします。




■就労継続支援B型とは?

就労継続支援B型事業所

B型事業所は、障害者総合支援法に基づき提供される就労支援サービスの一つです。

主に次のような特徴があります。

  1. 週あたりの勤務時間は無理のない範囲で設定
    就労継続支援A型(以下A型事業所)が雇用契約を結ぶ形態であるのに対し、B型事業所は事業所との雇用契約がなく、通所ベースで作業を行います。
    B型事業所では、週の勤務時間は体調や生活リズムに合わせて無理のない範囲で調整されるため、体調や諸事情によって通所ペースが変わりやすい方にも安心して利用していただけます。



  2. 工賃(報酬)として支給
    B型事業所の利用者は、A型事業所のように最低賃金保証はありませんが、作業に応じた「工賃」が支給されます。

    作業内容は施設によって多岐にわたり、手工芸や農作業、内職、ネットショップ運営など、事業所独自の取り組みが展開されています。

    精神障害のある方にとっては、まず慣れたペースでやりがいを感じられることが大切であり、それと引き換えに得られる工賃が少額であっても「社会の仕組みに参加している」実感を得ることにつながりやすいです。


  3. 自分の居場所づくり
    B型事業所では、スタッフや他の利用者とのコミュニケーションを通じて社会スキルを身に付けたり、気の合う仲間を見つけたりする機会が得られます。

    過度のプレッシャーを感じることなく安心できる環境の中で過ごすことで、精神面の安定や自分らしさの再発見につながります。




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■無理せず、自分らしく B型事業所でできること

就労継続支援B型事業所 軽作業


精神障害を抱える方は、主に次のような課題や悩みを抱えやすいといわれています。

課題や悩み

・気分の波が大きく、一定のペースで活動しにくい
・対人関係が苦手で、組織や集団に馴染みにくい
・長時間の集中が難しく、体調管理に不安がある
・体調をくずす心配があるため、フルタイムで働くのがむずかしい

こうした背景があるため、フルタイム勤務や厳格なスケジュール管理が求められる職場にいきなり飛び込むのは大きなチャレンジとなります。

一方で、B型事業所は、「いつ、どのくらい通うか」を柔軟に調整できるケースが多く、無理のない範囲で段階的に社会とつながっていくことが可能です。

さらに、B型事業所は「精神障害に対する正しい理解」を持ったスタッフが多く在籍していることが多いため、症状や気分を考慮した細やかなサポートが期待できます。

一人ひとりの障害特性をふまえ「こういう働き方なら続けやすい」「こういうコミュニケーションをとればスムーズ」という方法を伴走的に検討しながら実践できる点が大きなメリットといえるでしょう。


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■B型事業所のメリット:精神障害のある方にとってのプラス面

就労継続支援B型事業所 ポイント
  1. マイペースで働き続けられる
    精神障害の特徴として、好不調の波が比較的大きい場合があります。

    B型事業所では、症状の悪化や疲れを感じたときには通所日数の調整や作業時間の短縮などが可能なことが多いです。

    自分のペースや状態に合わせて働けることで、過剰なストレスを避けながら社会参加を継続できます。


  2. リハビリテーションの機能
    「就労を諦めたわけではないけれど、体調が整わない」「ブランクがあり社会復帰への自信がもてない」という時期のリハビリとして、B型事業所は効果的です。

    一定の環境下で作業に取り組むことで、生活サイクルを整えながら就労スキルも維持・向上させ、次のステップ(A型就労継続や一般就労)への準備を進めることができます。


  3. コミュニケーションの練習機会
    精神障害のある方の中には、人間関係で悩みやすい方も多くいます。

    B型事業所の現場では、職員が仲介役となってコミュニケーションを手助けし、トラブルや不安が起きた際には適宜フォローしてくれます。

    相手に伝わりやすい言い回し、グループ作業での分担方法、困ったときの相談などを少しずつ学ぶことで、対人スキルの向上が期待できます。


  4. 福祉サービスとの連携が受けやすい
    精神障害においては、福祉サービスや医療機関のサポートが欠かせません。

    B型事業所では、保健師やケースワーカー、通院先の主治医などと連携を取りながら、利用者の状態を客観的に把握し、必要に応じた調整を行います。

    生活面を含めた支援体制の整備により、より安定した就労活動を目指すことが可能になります。



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■B型事業所が抱える課題

就労継続支援B型事業所 課題
  1. 工賃の低さ
    B型事業所では、事業所との雇用契約を結ばないため、最低賃金の適用対象外となります。

    そのため、報酬は「工賃」という形で支給され、月数千円〜数万円と差があります。

    心身のリハビリや社会参加の第一歩としては意義が大きいですが、生活費をカバーできるほどの収入を得られるケースは少ないのが実情です。

    経済的な面では障害年金など他の制度もうまく活用する必要があります。

  2. 支援内容・作業の質にばらつき
    B型事業所によっては、作業内容が単純作業に偏っているなど、利用者のモチベーションを保ちにくい環境もあると指摘されています。

    精神障害の方が楽しみながら通い続けられる工夫や、将来につながるスキルアップの機会が提供されているかどうか、見学や事業所の方針を確認することが大切です。


  3. スタッフの専門性の確保
    精神障害に関して十分な理解や経験を持つスタッフが少ない事業所では、適切なサポート体制を維持しづらく、利用者の気持ちに寄り添うアプローチが不十分になる恐れがあります。

    利用を検討する際には、スタッフの体制や研修状況などをよく確認しましょう。




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■B型作業所の利用の流れ

B型事業所を利用するためには、主に以下のステップを踏む形が一般的です。

市区町村の障害福祉窓口に相談
まずはお住まいの自治体の障害福祉課や福祉窓口に相談します。
ここで「就労継続支援B型を利用したい」を伝え、精神障害者保健福祉手帳や診断書などの書類を確認される場合があります。
必要に応じて「サービス等利用計画書」の作成を行い、利用手続きを進めていきます。
相談 窓口
意向に合わせた事業所探し・見学
通いやすさやスタッフとの相性は大切です。
事業所独自の作業内容や支援プログラム、工賃体系などを事前に調べ、実際に見学することで雰囲気を掴むことができます。
精神障害の特性に合った環境かどうかを確かめたうえで、利用希望の事業所を決定するとよいでしょう
体験 メモする人
利用契約・通所開始
行政の手続きと並行して事業所と契約手続きを行い、利用開始日を決めます。
通所初日は緊張しがちですが、自己紹介や説明を受けるなど、ゆっくりとした流れで進む場合がほとんどです。
焦らずに少しずつ事業所の雰囲気や作業の流れになじんでいきましょう。
就労継続支援B型 作業
定期的な面談・状況の振り返り
利用中はスタッフとの面談が定期的に行われます。
体調面や作業への適応度合いをふり返り、「もっと作業量を増やしたい」「休憩時間を増やしたい」「新しい作業にチャレンジしてみたい」といった希望や不安を伝える大切な機会です。
必要に応じて支援計画を見直してもらい、より自分に合ったペースで通所できるよう調整しましょう。




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■地域とつながることの大切さ

B型事業所のような、精神障害のある方を支えるしくみをよりよくしていくためには、「地域とのつながり」がとても大切です。

たとえば、地域のイベントに参加したり、地元の会社と協力したりすることで、利用する人の選べる道が広がります。

また、近くの病院や福祉の団体と普段から顔なじみの関係を作っておくと、困ったときにもすぐに相談しやすくなります。

さらに、SNSやホームページを使って、施設でどんなことをしているのかを発信することも大事です。

そうすることで、利用したい人やそのご家族、支援している人たちが、必要な情報を見つけやすくなります。

そして、地域の中での理解や協力も進み、誰もが安心して関われる場所づくりにつながっていきます。


参考リンク(外部リンク)
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就労継続支援B型事業所一覧 - 障がい者就労支援情報~全国版~




■Q%Aコーナー

就労継続支援B型 はてな クエスチョン Q%A

就労継続支援B型は、どんな人が利用できますか?

主に、一般企業などでの就労がすぐにはむずかしいと判断された障害のある方が対象です。
精神障害のほか、知的障害、発達障害、身体障害などがある方も利用できます。
医師の診断書や障害者手帳(精神障害者保健福祉手帳など)をもとに、市区町村の福祉窓口で「サービスが必要」と認められることが利用の条件となります。

工賃だけで生活できますか?

基本的には工賃だけで生活するのは難しい場合が多いです。
B型事業所では雇用契約がなく、支給されるのは「工賃」と呼ばれる作業に応じた報酬です。
金額は数千円~数万円とされており、生活費を全てまかなうのは難しいのが現状です。
そのため、障害年金や生活保護、他の福祉制度とあわせて生活を支えることが一般的です。

B型事業所に通い続ければ、いずれA型や一般就労に移れるのですか?

必ずしも全員が移行できるわけではありませんが、希望や体調に応じてステップアップは可能です。
B型事業所は、体調を整えながら働く力を少しずつつける「リハビリの場」としても活用されています。
本人の希望や状況が整えば、A型や一般就労にチャレンジする道もあります。
スタッフや支援機関と相談しながら、自分のペースで目指していきましょう。

■まとめ :B型事業所は「無理せず自分らしく働ける」スタート地点

就労継続支援B型事業所 ステップアップ

就労継続支援B型事業所は、精神障害のある方が無理なく社会参加できる場です。

雇用契約がなく、自分のペースで働けるのが特徴ですが、工賃や作業内容などに課題もあります。

事業所選びは慎重に行い、障害年金や福祉サービスも活用しながら、自分らしい働き方を目指すことが大切です。

まずは自治体の窓口で相談し、見学を通じて安心できる場所を探しましょう。

就労継続支援b型事業所 利用者の男性と女性

📝 参考リンク(外部)

京都市の就労継続支援B型事業所

就労継続支援B型事業所一覧 - 障がい者就労支援情報~全国版~

ふじのもり笑店のロゴマーク

京都市伏見区にお住まいの皆様へ。

就労継続支援B型事業所「ふじのもり笑店」は、「自分らしく働きたい」という気持ちを大切にする、あなたのための場所です。

就労継続支援の制度や特徴はもちろん、利用の対象となる方、そして利用にあたっての疑問など、皆様にとって役立つ情報を丁寧にご紹介しております。

「まずは少しずつ」「自分のペースで続けたい」

そんな思いをお持ちの京都市伏見区の皆様にも、安心して通っていただける温かい環境をご用意しています。利用者様一人ひとりの「やってみたい」を尊重し、それぞれのペースに合わせた働き方をサポートいたします。

対象となる方について

京都市伏見区にお住まいで、知的障害、精神障害、身体障害、発達障害などをお持ちの方で、一般企業での就労に不安がある方、または就労移行支援事業などを利用したが就労に結びつかなかった方などが対象となります。

対象となる方について

お仕事内容について

京都市伏見区の「ふじのもり笑店」では、利用者様の多様なニーズに合わせて、パソコンやスマートフォンを使った様々なお仕事をご用意しています。ご自身のスキルや興味に合わせて、無理なく取り組める作業がきっと見つかります。

お仕事内容のご紹介

在宅ワークも可能!

お仕事内容によっては、ご自宅にいながら働く「在宅ワーク」も可能です。

通所が難しい方でも、社会との繋がりを持ちながら、ご自身のペースで働くことができます。


※当事業所では内職の在宅は行っておりません。

「もしかしたら、自分にもできるかも!」

そう感じたら、まずはお気軽にお問い合わせください。

あなたが「自分らしく働ける」ためのサポートがここにあります。

安心できる環境で、新たな一歩を踏み出してみませんか?

就労継続支援B型事業所たきがわ笑店の利用者と支援員の女性

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スタッフが一人ひとり丁寧に対応させていただきます。

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  • 就労継続支援B型事業所 ふじのもり笑店
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