【最重度知的障害でも安心】就労継続支援B型の特徴と利用のポイント完全ガイド
最重度の知的障害があると

「社会で働くのは難しいのでは?」
そう感じている方も少なくありません。
しかし、就労継続支援B型事業所という福祉サービスを活用することで、無理なく自分らしく働くことが可能になります。
この記事では、「最重度知的障害」の方が就労継続支援B型を通じて社会参加する方法や、支援の内容、事業所選びのポイントなどを分かりやすく解説します。
この記事で分かること💡
- 最重度知的障害とは?
- 最重度知的障害の方が抱える就労の課題
- 就労継続支援B型とは?
- 最重度知的障害と就労継続支援B型:なぜ相性が良いのか?
- 具体的な支援内容と工夫
- 最重度知的障害の方に適したB型事業所の作業とは?
- 事業所の選び方:家族と支援者ができること
- よくある質問(FAQ)
- まとめ
最重度知的障害とは?

最重度知的障害は、知的機能の著しい制限に加え、日常生活全般において常時の支援が必要な状態を指します。
言葉での意思疎通が困難であったり、生活リズムの管理や簡単な指示の理解も難しいケースが多く見られます。
知的障害はIQ(知能指数)によって分類され、最重度はIQ20未満とされています。
主な特性
最重度知的障害を持つ方の特性は多岐にわたりますが、一般的には以下のような点が挙げられます。
■コミュニケーションの困難さ
言語での表現が難しかったり、他者の言葉の理解に時間を要したりする場合があります。
非言語的なコミュニケーション(表情、ジェスチャーなど)が重要な役割を果たします。
■認知能力の特性
抽象的な概念の理解が難しく、具体的なものや繰り返しに親しみを感じやすい傾向があります。
新しいことへの適応に時間がかかることもあります。
■行動面の特性
感覚刺激への過敏さや鈍感さ、常同行動、自傷行為、他害行為などが現れることがあります。
これらの行動には、その背景にある理由を理解し、適切な対応が求められます。
■健康面の特性
身体合併症やてんかんを併発している方も少なくありません。
医療的なケアや、体調の変化への細やかな配慮が必要です。
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最重度知的障害の方が抱える就労の課題

最重度の知的障害を持つ方は、以下のような課題を抱えやすいです。
主な課題
- 指示理解やコミュニケーションが困難
- 集中力の維持が難しい
- 新しいことへの適応に時間がかかる
- 感覚過敏や不安症状がある場合も
このような特徴があるため、一般企業での就労やA型事業所の利用は難しいケースが多く、B型事業所の支援が適しています。
就労継続支援B型とは?

就労継続支援B型(以下、B型事業所)は、障害や病気により一般企業への就職が難しい方を対象とした福祉サービスです。
特に、最重度の知的障害を持つ方は、就職において多くのハードルがあります。
B型事業所では、雇用契約を結ばずに作業に参加し、工賃(こうちん)を受け取る形で働くことができます。
主な特徴
主な特徴は以下のとおりです。
■雇用契約なしで働ける
事業所との雇用関係を結ばないため、勤務日数や時間に柔軟に対応できます。
■自分の体調や能力に合わせて働ける
作業内容や時間は個別に調整され、無理のないペースで取り組めます。
障害に応じた支援体制がある
支援員がの方が常にサポートし、コミュニケーションや作業手順も丁寧にフォローされます。
■工賃が支払われる
働いた成果に応じて工賃が支払われるため、やりがいや達成感につながります。
■スモールステップでの成長が可能
小さな成功体験を積み重ねることで、自己肯定感や生活リズムの安定にもつながります。
対象者
- 知的障害、精神障害、身体障害のある方
- 年齢や状態により就労が困難な方
- 就労移行支援などを利用したが、一般就労に至らなかった方

※障害者手帳を持っていない場合でも、医師の診断等があれば対象となることがあります。
📝【参考外部リンク】
障害者総合支援法とは? 目的やサービス、2024年の改正までわかりやすく解説
▶ もっと詳しく知りたい方へ
【初めての方へ】就労継続支援B型事業所とは?わかりやすく解説
最重度知的障害と就労継続支援B型:なぜ相性が良いのか?

最重度知的障害のある方にとって、日常生活や社会参加には多くのハードルがあります。
しかし、B型事業所ではそうした方々にとって、無理なく自分らしく働ける貴重な選択肢です。
以下、その「相性の良さ」を具体的に解説します。
1. 個別支援に特化した安心の環境
B型事業所では、一人ひとりの障害特性や理解力に合わせた「個別支援計画」をもとにサポートが行われます。
たとえば
- 作業時間:15分からスタートして、徐々に時間を延ばすことも可能
- 作業手順:視覚的なサポート(写真・イラスト)や実演を交えて説明
- コミュニケーション:言葉が難しい場合はジェスチャーや絵カードで対応
支援員が常に寄り添い、本人のペースに合わせて取り組めるため、「できた」という成功体験を積みやすいのが特長です。
2. 生活リズムの安定に大きく貢献
最重度の知的障害がある方の中には、日常生活のリズムが不規則になりがちなケースもあります。
B型事業所では、週1日・短時間からの通所も可能で、少しずつ通所習慣を身につけることで、以下のような変化が期待できます。
たとえば
- 毎朝決まった時間に起きる習慣がつく
- 外出への抵抗感が減る
- 支援員や利用者とのふれあいを通じて、人との関わりが増える
これにより、単なる「働く場所」以上に、日常生活の質の向上にもつながります。
3. 多様な作業で「できること」を見つけられる
B型事業所では、難易度や身体的負担の異なるさまざまな作業が用意されています。以下はその一例です。
作業内容の一例
- シール貼りや袋詰め:単純な動作で、集中力が続きやすい作業
- 紙の仕分け・折り作業:軽作業で手先の動きに自信がつく
- 農作業(農福連携):屋外で体を動かしながら自然とふれあえる
これらの作業は、支援員の補助や段階的な指導を受けながら進めることができ、
ご本人の「得意」や「やりがい」を見つけやすくなっています。
作業を通じて得られる成功体験や周囲からの承認は、自己肯定感の向上にもつながります。

このように、最重度知的障害のある方にとって、B型事業所は「働くための場」であると同時に、「生活を整え、自分らしさを見つける場所」でもあります。
障害が重くても「できること」は必ずあります。一歩ずつでも、その可能性を広げていけるのがB型事業所の強みです。
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具体的な支援内容と工夫
最重度知的障害のある方が安心してB型事業所を利用するためには、日々の細やかな配慮と工夫が欠かせません。
ここでは、実際に多くの事業所で行われている支援の工夫を、3つの観点からご紹介します。

1. コミュニケーション支援
言葉でのやりとりが難しい方に対しては、視覚的・感覚的なサポートを活用して意思疎通を助けます。
たとえば
- 写真カードやイラストで伝える
たとえば、「今日はシール貼りをするよ」といった活動を、絵や写真で示すことで理解しやすくなります。 - スケジュールボードの活用
「今なにをするのか」「次は何をするのか」がひと目で分かるようにし、見通しを持って過ごせるようにします。 - ジェスチャー・音声アプリの導入
言葉が出にくい方には、指差しやタブレット端末を使った音声アプリなどを使って「YES/NO」や気持ちを伝える手段を提供します。
こうした工夫によって、安心して自分の意思を表現できる環境が整えられています。
2. 環境整備による安心感の提供
作業や活動に集中できるように、周囲の環境にもさまざまな配慮がなされています。
たとえば
- 静かな作業スペースの確保
刺激の少ない空間で、落ち着いて作業ができるようにします。 - パーテーションなどで区切られた安心空間
周囲の視線や雑音を遮ることで、集中しやすくなります。自分だけの「安心できる場所」があることで、不安の軽減にもつながります。 - 照明や音に対する感覚過敏への配慮
まぶしい光や大きな音が苦手な方には、調光式の照明や吸音素材を使うなど、五感にやさしい環境が整えられています。
3. 行動支援・生活支援で「毎日」をサポート
B型事業所は、単に「作業をする場」ではなく、生活全体を支える場でもあります。
主な支援
- クールダウン対応(情緒面のサポート)
不安になったり混乱した時は、静かな場所で休憩したり、安心できるスタッフと話す時間を確保するなど、気持ちの切り替えをサポートします。 - トイレ・食事などの日常介助
必要に応じて、トイレへの誘導や食事のサポートなども丁寧に対応します。衛生や安全への配慮も徹底しています。 - 家族や支援機関との連携
日々の様子や変化は、連絡帳や定期面談を通じて家族と共有されます。また、支援学校・病院・相談支援専門員などとも連携し、支援計画の見直しや長期的な支援体制を整えています。
このように、B型事業所では「その人がその人らしく働けるようにする」ための支援が、あらゆる面で考えられています。
特に最重度の知的障害がある方にとっては、こうした丁寧なサポートが「安心して通える」「継続できる」ための大きな支えとなっています。
最重度知的障害の方に適したB型事業所の作業とは?

最重度知的障害をお持ちの方が安心して取り組める作業には、難しすぎず、繰り返しやすく、支援が入りやすいことが求められます。
B型事業所では、一人ひとりの特性やペースに合わせた「できる作業」からスタートできる環境が整っています。
1. 単純で分かりやすい反復作業
毎日同じ手順を繰り返すような作業は、見通しが立てやすく、安心して取り組めます。
たとえば
- シール貼り:商品や袋に決められた場所にペタッと貼る
- 袋詰め:部品や食品などを指定された数だけ袋に入れる
- タオルたたみ:折り方の見本を参考にゆっくりたたむ
- 箱折り・封入:段ボールの組み立てや書類を封筒に入れる
作業手順が「視覚支援(写真カードや実物見本)」で示されていると、より取り組みやすくなります。
2. 感覚を使った自然な作業
屋外で体を動かす作業や、素材に触れる活動は、気分転換やストレス発散にもなります。
たとえば
- 農作業(農福連携):畑での水やり、収穫、草取りなど
- 清掃作業:モップがけ、落ち葉掃き、机拭きなど
- リサイクル作業:ペットボトルのキャップ外しや分別
静かで広々とした空間で、のびのびと作業できる環境づくりが重要です。
3. 自己表現ができる創作活動
創作系の作業は、正解がないのでプレッシャーが少なく、自分らしさを活かせます。
たとえば
- ぬり絵や貼り絵:色や形で自由に表現できる
- ビーズ通し:細かい作業が得意な方に向いている
- クラフト制作:季節の飾りづくり、商品として販売される場合も
成果物が形になることで、達成感や自信につながります。
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事業所の選び方:家族と支援者ができること

①見学・体験は必須
最重度知的障害のある方が安心して通えるかどうかは、パンフレットやWeb情報だけでは判断できません。
実際に足を運び、スタッフの接し方や他の利用者との雰囲気、施設内の環境などを確認しましょう。
見学や体験を通じて、「落ち着いて過ごせそうか」「意思表示が受け止められているか」など、本人の様子もしっかり観察することが大切です。
②支援内容を確認
以下の点をチェックすると、本人に合った事業所かどうかの判断に役立ちます。
チェックポイント💡
- 医療的ケアの有無
吸引・経管栄養・てんかん管理などが必要な場合、看護師や医療職の配置があるかを確認しましょう。
- 障害特性への理解
最重度の知的障害特有の困りごと(感覚過敏、強いこだわり、言葉以外での表現など)に対して、柔軟に対応してくれる体制があるかを見ましょう。
- 家族や医療機関との連携体制
支援計画を共有し、連絡帳や面談などで情報交換ができるか。必要時に病院や相談支援専門員と連携が取れるかも重要です。
- 緊急時の対応力
てんかん発作、パニック、不安定な行動が起こったときに、どう対応してくれるのかを事前に聞いておくことが安心につながります。看護師や経験あるスタッフの対応例を聞いておくとより安心です。
こうした確認を家族や支援者が丁寧に行うことで、本人にとって「安心して長く通える場所」を選ぶことができます。
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利用開始までの流れ

B型事業所の利用は、一般的に以下のステップで進みます。
- お住まいの市区町村の障害福祉窓口で相談
- サービス等利用計画案の作成(相談支援専門員)
- 受給者証の申請・発行
- 事業所の見学・体験利用
- 利用契約・個別支援計画の作成
- 利用開始

障害福祉サービスの対象となるには、医師の診断書や障害者手帳が必要になる場合があります。
地域によって条件が異なる場合があるため、まずは自治体に問い合わせましょう。
📝詳しいご利用方法についてはこちらの記事をご覧ください。
就労継続支援B型と障害福祉サービス受給者証|利用の流れ・必要書類・注意点
よくある質問(FAQ)

-
コミュニケーションが難しい場合でも大丈夫?
-
はい、大丈夫です。支援員の方が表情や行動から気持ちを読み取り、絵カードやジェスチャーも使いながら支援します。安心できる関わりを心がけています。
-
報酬(工賃)はどのくらいですか?
-
事業所により異なりますが、月額5,000〜15,000円程度が平均です。
金額以上に、社会参加や生活の質向上を重視する傾向があります。
事前に事業所に確認しましょう。
-
週に何回から通えますか?
-
多くの事業所では週1回から通所が可能です。
最重度の方にとって、まずは「通うこと」に慣れるステップが大切です。週1回・半日からのスタートもでき、生活リズムを少しずつ整えるサポート体制が整っています。
-
B型事業所を利用するにあたり、費用はかかりますか?
-
多くの場合、利用者本人や世帯の収入状況に応じて自己負担額が決まります。生活保護や低所得の方は、自己負担が無料になることもあります。
事業所に確認することが大切です。
まとめ:B型事業所は「社会とつながるための安心な入り口

B型事業所は、最重度の知的障害がある方にとって、無理なく社会とつながることができる場所です。
無理に「働くこと」を求めるのではなく、「できること」や「得意なこと」に合わせたサポートが受けられます。
作業を通じて生活リズムが整ったり、人と関わるきっかけが生まれたりすることで、毎日に少しずつ笑顔と自信が増えていきます。
本人のペースに寄り添いながら、一歩ずつ前に進める場所—それがB型事業所です。
ご本人もご家族も、安心して通える環境を一緒に見つけていきましょう。
まずは、お住まいの地域の福祉窓口や、身近なB型事業所へ相談することから始めてみてくださいね。

📝 参考リンク(外部)
就労継続支援B型事業所一覧 - 障がい者就労支援情報~全国版~

京都市伏見区にお住まいの皆様へ。
就労継続支援B型事業所「ふじのもり笑店」は、「自分らしく働きたい」という気持ちを大切にする、あなたのための場所です。
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