【発達障害の方へ】就労継続支援B型事業所の支援体制とは?自分に合う場所を見つけるポイントを徹底解説
「仕事が長続きしない」「職場の人間関係がうまくいかない」「自分に合う仕事がわからない」
発達障害の特性により、働くことにこのような悩みや不安を抱えている方はいらっしゃいませんか。
周りの人と同じようにできないことに焦りを感じたり、自信をなくしてしまったりすることもあるかもしれません。
そんなあなたの「働きたい」という気持ちを、あなたのペースでサポートしてくれる場所が「就労継続支援B型事業所」です。
本記事では、特に発達障害のある方に焦点を当て、就労継続支援B型事業所がどのような場所で、どんな「支援体制」が整っているのかを詳しく解説します。
この記事を読めば、あなたが安心して社会参加へ一歩踏み出すためのヒントが見つかるはずです。
就労継続支援B型事業所ってどんなところ?
就労継続支援B型事業所の基本的な役割とは?

就労継続支援B型事業所(以下B型事業所)とは、障害や難病のある方が、一般企業で働くことが現時点では難しい場合に、軽作業などの生産活動を通じて就労訓練を行うことができる障害福祉サービスです。
利用者一人ひとりの体調や障害特性に合わせて、無理のないペースで働くスキルを身につけ、社会とのつながりを持つことを目的としています。
大きな特徴は、事業所と雇用契約を結ばずに利用できる点で、自分のペースで通所しやすいのが魅力です。
A型事業所や就労移行支援との違い
就労支援サービスには、B型の他に「A型」や「就労移行支援」があります。それぞれの違いを簡単に見てみましょう。
サービス種別 | 雇用契約 | 対象者(例) | 目的 |
就労継続支援B型 | なし | 体調やペースを重視したい方、働く経験を積みたい方 | 生産活動を通じた就労訓練と安心できる居場所づくりを行い、作業に応じた工賃も受け取れる |
就労継続支援A型 | あり | 一定の支援があれば安定して働ける方 | 事業所と雇用契約を結び、最低賃金以上の給与を得ながら働く |
就労移行支援 | なし | 一般企業への就職を目指す方 | 就職に必要なスキル訓練、職場探し、定着支援(原則2年間) |
B型事業所は、まず「働くことに慣れる」ことから始めたい方や、安定して通う練習をしたい方に最適なサービスと言えます。
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発達障害の特性と仕事で直面しやすい「困りごと」

発達障害(主にASD:自閉スペクトラム症、ADHD:注意欠如・多動症など)のある方は、その特性から仕事の場面で特有の「困りごと」に直面することがあります。
B型事業所の支援体制を理解するために、まずはこれらの困りごとを整理してみましょう。
コミュニケーションの難しさ
- 曖昧な指示の理解が難しい
- 相手の意図を汲み取ったり、空気を読んだりするのが苦手
- 雑談などのやり取りにストレスを感じる
注意の持続やタスク管理の課題
- うっかりミスが多い、忘れ物をしてしまう
- 複数の作業を同時に進めるのが苦手(マルチタスク)
- 作業の優先順位付けや段取りが難しい
感覚過敏によるストレス
- オフィスの照明が眩しすぎる
- 周りの人の話し声や物音が気になって集中できない
- 特定のにおいや感触が不快に感じる
こだわりと柔軟な対応の難しさ
- 決まった手順やマイルールへのこだわりが強い
- 急な予定変更やイレギュラーな対応に混乱しやすい
- 完璧を求めすぎてしまい、作業に時間がかかる
これらの「困りごと」は、本人の能力や努力不足が原因ではありません。
その方自身の脳の働き方や情報処理の特性によるものです。
だからこそ、個々の特性に合わせた「支援体制」が非常に重要になります。
発達障害の特性に配慮したB型事業所の6つの「支援体制」とは?

多くのB型事業所では、発達障害のある方が安心して能力を発揮できるよう、以下のような支援体制を整えています。
① 個別支援計画の作成と定期的な面談
B型事業所を利用する際、まず支援員が利用者一人ひとりと面談し、「個別支援計画」を作成します。
この計画には、本人の得意なこと・苦手なこと、体調、将来の希望などを盛り込み、目標達成に向けた具体的な支援内容を定めます。
定期的に面談を行い、状況に合わせて計画を見直していくため、常に自分に合ったサポートを受けられます。
② 視覚的なサポートと明確な指示
口頭での「あれ、やっといて」といった曖昧な指示は、発達障害のある方にとって混乱の原因になります。
そのため、多くの事業所では以下のような工夫をしています。
- マニュアルの活用:作業手順を写真や図で分かりやすく示したマニュアルを用意する。
- チェックリストの導入:やるべき作業をリスト化し、終わったらチェックを入れることで、抜け漏れを防ぐ。
- 具体的な指示:「10個の部品を、赤い箱に入れる」のように、数字や具体的な言葉を使って指示を出す。
③ 物理的な環境調整
感覚過敏に配慮し、利用者が集中しやすい環境を整えることも重要な支援です。
- パーテーションの設置:視界に入る情報を減らすため、作業スペースをパーテーションで区切る。
- イヤーマフや耳栓の許可:聴覚過敏のある方が、周りの音を気にせず作業に集中できるよう配慮する。
- 座席の配慮:出入り口から遠い席や、壁際の席など、本人が落ち着ける場所に座席を配置する。
- 照明の調整:可能であれば、照明の明るさを調整したり、手元ライトの使用を許可したりする。
④ スモールステップでの業務習得
新しい仕事を覚えるのが苦手な方でも安心して取り組めるよう、一つの作業を細かく分解し、簡単なステップから少しずつ教えていきます。
一つひとつの「できた!」という成功体験を積み重ねることで、自信を持って作業に取り組めるようになります。
⑤ コミュニケーションのサポート
対人関係に不安がある方のために、コミュニケーションのトレーニング(※SST:ソーシャルスキルトレーニング)を実施している事業所もあります。
報告・連絡・相談の練習や、相手に気持ちを伝える練習などを通じて、職場での円滑なコミュニケーションスキルを学びます。
また、スタッフが間に入って人間関係の調整をサポートしてくれる場合も多いです。
※社会生活を送るうえで必要なコミュニケーション力や対人関係のスキルを練習するトレーニングのことです。
⑥ 体調やメンタルヘルスへの配慮
「今日は調子が悪いので休みたい」「少し疲れたので休憩したい」といった体調の変化に柔軟に対応してもらえます。
定期的な面談でメンタルヘルスの状態も確認し、不安や悩みがあれば相談に乗ってくれるため、心身ともに安定した状態で通い続けることができます。
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発達障害のある方に向いているB型事業所の仕事内容例

B型事業所の仕事内容は多岐にわたりますが、特に発達障害の特性(集中力の高さ、正確性、探求心など)を活かせる作業が多くあります。
ルーティンワーク・軽作業
- 内容:部品の組み立て、商品の検品・梱包、シール貼り、ピッキングなど
- 向いている特性:決まった手順を正確に繰り返すことが得意な方
PC作業
- 内容:データ入力、文字起こし、アンケート集計、簡単なWebサイト更新など
- 向いている特性:一人で黙々と作業に集中したい方、正確性が求められる作業が得意な方
クリエイティブな作業
- 内容:イラスト制作、ハンドメイドアクセサリー作り、デザイン、動画編集など
- 向いている特性:特定の分野へのこだわりや探求心が強く、独創性を発揮したい方
その他
- 内容:農作業、清掃、パン・お菓子の製造、カフェの補助業務など
- ポイント:体を動かすことが好きな方や、ものづくりに興味がある方に向いています。
近年では、在宅ワークに対応しているB型事業所も増えています。
対人関係や環境の変化が苦手な方にとって、自宅という安心できる環境で働けるのは大きなメリットです。
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【重要】自分に合ったB型事業所の選び方|5つのチェックポイント

自分に合ったB型事業所を見つけることが、長く安定して働き続けるための鍵です。
見学や体験利用の際には、以下の5つのポイントを必ずチェックしましょう。
Point 1:支援体制は具体的か?
「発達障害への配慮をします」という言葉だけでなく、「具体的にどんな配慮をしてくれますか?」と質問しましょう。
マニュアルの有無や指示の出し方、環境調整の具体例などを確認することが大切です
Point 2:事業所の雰囲気や環境は自分に合うか?
利用者の年齢層、男女比、事業所の広さ、明るさ、音などを確認しましょう。
「静かな環境が良い」「アットホームな雰囲気が良い」など、自分が心地よいと感じる環境かどうかが重要です。
Point 3:仕事内容に興味が持てるか?
どんなに支援体制が良くても、仕事内容に全く興味が持てなければ長続きは難しいかもしれません。
自分が「やってみたい」「これならできそう」と思える作業があるかを確認しましょう。
Point 4:スタッフとの相性
見学や体験時に、スタッフの話し方や対応の仕方をよく観察しましょう。
困ったときに気軽に相談できそうか、威圧的ではないかなど、信頼関係を築けそうな相手かを見極めることが大切です。
Point 5:見学や体験利用を必ず行う
ホームページやパンフレットだけではわからないことがたくさんあります。
必ず複数の事業所を見学し、可能であれば体験利用をしてみましょう。
実際にその場の空気を感じることで、自分に合うかどうかを判断しやすくなります。
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就労継続支援B型を利用するまでの流れ – 安心のステップ

利用開始までの手続きは少し複雑に感じるかもしれませんが、一つひとつ進めれば大丈夫です。
1.相談- お住まいの市区町村の障害福祉課や、相談支援事業所に相談します。

- 2.事業所の見学・体験利用
- 気になる事業所を見つけたら、電話やメールで見学・体験を申し込みます。

- 3.サービス等利用計画案の作成
- 相談支援事業所の相談支援専門員と一緒に、どのようなサービスをどのくらい利用したいかの計画案を作成します。

- 4.支給決定・障害福祉サービス受給者証の交付
- 市区町村が利用を決定すると、「障害福祉サービス受給者証」が交付されます。
これが利用許可証の役割を果たします。

- 5.事業所との契約・利用開始
- 利用したい事業所と契約を結び、利用スタートです。

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よくある質問(FAQ)

-
発達障害の診断がなくても利用できますか?
-
必ずしも医師の診断書が必要なわけではありません。
障害者手帳をお持ちでない場合でも、自治体の判断や、就労支援機関などによる「就労移行支援事業等によるアセスメント」により、支援の必要性が認められれば利用できることがあります。
まずはお住まいの市区町村の障害福祉課にご相談ください。
-
人間関係が苦手なのですが、大丈夫でしょうか?
-
はい、大丈夫です。
B型事業所は、まさにそうした不安を抱える方々のための場所でもあります。
多くの事業所では、利用者同士が無理に関わる必要がないよう配慮されています。
また、困ったときにはスタッフが間に入ってサポートしてくれるので、安心して自分の作業に集中できます。
-
週に1日からでも利用できますか?
-
可能です。
多くのB型事業所では、週1日・1日数時間といった短時間からの利用に対応しています。
まずは無理のない範囲で通い始め、体調や自信がついてきたら徐々に日数や時間を増やしていくことができます。
-
工賃はどのくらいもらえますか?
-
B型事業所の工賃は、雇用契約に基づく「給料」とは異なり、生産活動に対する「成果報酬」として支払われます。
厚生労働省の令和4年度の調査によると、平均工賃(月額)は17,031円です。
金額は事業所の作業内容や個人の作業時間によって大きく異なりますので、見学の際に確認することをおすすめします。
【まとめ】

B型事業所は、発達障害の特性による「困りごと」を「個性」として受け止め、一人ひとりに合った「支援体制」の中で安心して働くスキルを身につけられる場所です。
仕事の経験がない方、ブランクがある方、自信をなくしてしまった方も、心配はいりません。
B型事業所という選択肢を知ることで、あなたの「働きたい」という気持ちを具体的な一歩につなげることができます。
この記事を参考に、ぜひお近くの相談窓口に問い合わせたり、事業所の見学に足を運んでみたりしてください。
📝 参考リンク(外部)
就労継続支援B型事業所一覧 – 障がい者就労支援情報~全国版~

京都市伏見区にお住まいの皆様へ。
就労継続支援B型事業所「ふじのもり笑店」は、「自分らしく働きたい」という気持ちを大切にする、あなたのための場所です。
就労継続支援の制度や特徴はもちろん、利用の対象となる方、そして利用にあたっての疑問など、皆様にとって役立つ情報を丁寧にご紹介しております。
「まずは少しずつ」「自分のペースで続けたい」
そんな思いをお持ちの京都市伏見区の皆様にも、安心して通っていただける温かい環境をご用意しています。利用者様一人ひとりの「やってみたい」を尊重し、それぞれのペースに合わせた働き方をサポートいたします。
対象となる方について
京都市伏見区にお住まいで、知的障害、精神障害、身体障害、発達障害などをお持ちの方で、一般企業での就労に不安がある方、または就労移行支援事業などを利用したが就労に結びつかなかった方などが対象となります。
お仕事内容について
京都市伏見区の「ふじのもり笑店」では、利用者様の多様なニーズに合わせて、パソコンやスマートフォンを使った様々なお仕事をご用意しています。ご自身のスキルや興味に合わせて、無理なく取り組める作業がきっと見つかります。
在宅ワークも可能!
お仕事内容によっては、ご自宅にいながら働く「在宅ワーク」も可能です。
通所が難しい方でも、社会との繋がりを持ちながら、ご自身のペースで働くことができます。

※当事業所では内職の在宅は行っておりません。
「もしかしたら、自分にもできるかも!」
そう感じたら、まずはお気軽にお問い合わせください。
あなたが「自分らしく働ける」ためのサポートがここにあります。
安心できる環境で、新たな一歩を踏み出してみませんか?

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