難病があっても自分らしく働ける!就労継続支援B型とその支援サービスとは?

「働きたいけれど、病気のことが不安で…」
難病を抱えていても、「社会とつながっていたい」「自分のペースで働きたい」と感じる方は少なくありません。
体調に波があったり、通院が欠かせなかったり、一般就労が困難な状況にある方々が多くいらっしゃいます。
しかし、「働くこと」をあきらめる必要はありません。
難病がある方の社会参加や経済的自立を支える制度のひとつに「就労継続支援B型」があります。
この記事では、難病のある方が直面する就労課題や就労継続支援B型事業所がどんな場所なのか、どのような支援を受けられるのか、実際の支援内容、選び方のポイント、利用方法までをわかりやすく解説します。
難病とは?

難病とは、原因が不明で治療が困難、かつ慢性の経過をたどる疾患です。
「難病」とは、医学的に原因が不明または治療法が確立していない病気で、長期の療養を必要とする疾患のことを指します。
一般的には、厚生労働省が定める「指定難病」に該当するものが行政の支援対象となります。
難病の主な種類
代表的なものには、以下があります。
- 筋萎縮性側索硬化症(ALS)
- 多発性硬化症(MS)
- クローン病
- 潰瘍性大腸炎
- 全身性エリテマトーデス(SLE)
- パーキンソン病
これらの病気は、病状が一時的に落ち着く「緩解(かんかい)」と、病状が悪化する「悪化(あっか)」を繰り返しながら、慢性的に経過していく病気です。
難病の主な特徴
- 原因が不明または解明が不十分
- 完治が困難で慢性的に経過する
- 再発や症状の悪化が見られることが多い
- 患者数が少なく、治療薬の開発が進みにくい
- 日常生活や就労に支障をきたしやすい
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就労継続支援B型は難病でも利用できる?対象疾患の種類や支援内容を詳しく紹介
難病は見た目では分かりにくいものも多く、本人の努力だけで生活や就労を維持するのが困難なことがあります。
そのため、社会的な支援や制度の活用がとても重要です。
難病のある方が直面する就労課題

主な課題
- 疲れやすく長時間働けない
- 疲労や倦怠感、痛み、筋力低下などで作業の継続が困難
- 症状の波により、通勤や勤務の継続が困難
- 就職しても、体調悪化により離職するリスクが高い
- 難病に対する理解が職場に浸透していない
- 通院や入院が必要で長期勤務が困難
など、このような状況において、就労継続支援B型事業所は無理のない働き方を提案できるため、難病患者にとって重要な選択肢となっています。
就労継続支援B型事業所とは?

就労継続支援B型事業所(以下B型事業所)は、障害や難病などの理由で一般就労が難しい方に、働く場と支援を提供する福祉サービスです。
特徴は、雇用契約を結ばず、比較的自由な時間やペースで就労ができること。
体調に波がある難病のある方にとっても、無理なく働きやすい環境が整っています。
B型事業所の目的
B型事業所は、「仕事の支援」だけでなく、「生活の支援」や「社会とのつながり」を大切にしています。
その人のペースに合わせたサポートが特徴です。
✅無理のない働き方を提供
体調や障害の状態に応じて、短時間・軽作業・在宅ワークなど、無理のないスタイルで働けます。
✅就労スキルや生活力を育てる
作業や訓練を通じて、仕事の力や生活するための力、社会性を少しずつ身につけられます。
✅社会とのつながりを作る
「働いている」という実感が持てることで、自信や安心感が生まれ、孤立を防ぐことができます。
✅工賃(お給料)を得られる
作業の成果に応じて、工賃(お金)をもらえるため、少しずつ経済的な自立も目指せます。
✅自信と前向きな気持ちを育てる
日々の積み重ねによって、「できた!」という成功体験が増え、自己肯定感が高まります。
対象となる方
B型事業所を利用できるのは、障害や難病があり、一般の会社で働くのが難しい方です。
及び次のような方が対象です。
主な対象者
- 過去に働いた経験があるけど、年齢や体力の面で今は働きにくくなっている方
- 50歳以上の方や、障害基礎年金1級を受けている方
- 就労移行支援事業所などでの判断により、B型事業所の利用が適しているとされた方
対象となる障害や病気
- 身体障害
- 知的障害
- 精神障害(発達障害を含む)
- 厚生労働省が指定する難病
📝【参考外部リンク】
障害者総合支援法とは? 目的やサービス、2024年の改正までわかりやすく解説
▶ もっと詳しく知りたい方へ
【初めての方へ】就労継続支援B型事業所とは?わかりやすく解説
難病でB型事業所を利用できる対象者

B型事業所を利用するには、市区町村から「障害福祉サービス受給者証」の交付を受ける必要があります。
難病の場合は、以下の条件を満たすと対象となる可能性があります。
主な条件
- 指定難病に該当している
- 医師の診断により、一般就労が困難と認められている
- 障害者手帳がなくても、診断書や意見書により認定されるケースもある
※地域や自治体によって判断が異なる場合があるため、詳細はお住まいの自治体の福祉課に確認をしましょう。
どのような難病の方が利用できる?

B型事業所は、特定の難病に限定されることなく、様々な難病を抱える方が利用対象となります。
B型事業所の対象となる主な難病の例
- 多発性硬化症(MS)
中枢神経が障害され、手足のしびれや筋力低下が起こる病気。体調が変動しやすく、無理のない働き方が必要です。
- 筋ジストロフィー
筋肉が徐々に弱くなり、歩行や手の動きに制限が出る遺伝性の難病。補助具や環境整備で支援が可能です。
- 潰瘍性大腸炎
慢性的な腸の炎症で、腹痛や下痢が続く疾患。体調に波があるため、柔軟な勤務が求められます。
- パーキンソン病
運動機能が徐々に低下する神経疾患。動作が遅くなるため、無理のない作業量調整が必要です。
- 筋萎縮性側索硬化症(ALS)
筋肉が徐々に萎縮していく難病。症状に応じて作業方法の工夫が求められます。
- 全身性エリテマトーデス(SLE)
自己免疫疾患で、多様な症状が現れる。体調の波が大きいことから、休憩や勤務調整が重要です。
など
これらの難病は一例ですが、症状や体調の個人差が大きいため、B型事業所の柔軟な支援が非常に役立ちます。

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難病の方がB型事業所を利用するメリット

1. 体調に合わせて働ける柔軟な環境
多くのB型事業所では、1日の利用時間や作業内容を利用者の体調や希望に合わせて調整できます。
体調の波がある難病の方でも、自分のペースで「できる範囲から」働けるのが最大の魅力です。
- 週に何日から通える?
-
週1日、1時間からでもOKな事業所も多数あり、ご自身のペースに合わせて無理なく始められます。
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2. 作業内容が多様で負担が少ない
B型事業所では、以下のような軽作業が一般的です。
- シール貼りや袋詰めなどの内職
- 手芸やアクセサリー制作
- PC入力やデータチェック
負担が少なく、座ったままでできる作業も多いため、身体への負荷が少ないのが特長です。
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3. 医療・福祉との連携体制がある
多くの事業所では、看護師や福祉職員、医療機関との連携が整っており、急な体調不良にも対応できる体制が整っています。
服薬や通院などの配慮も受けられるため、安心して通所できます。
4. 工賃(賃金)を得ながら社会参加できる
B型事業所では「工賃(こうちん)」と呼ばれる報酬が支払われます。
やりがいや自立支援につながる貴重な一歩です。
難病の特性に配慮した作業のポイント

難病の多くは、症状の波がある・体力が限られる・外見からわかりにくいという特徴があります。
したがって、次のような条件を満たす仕事が適しています。
作業のチェックポイント💡
- 長時間の集中を要しない
- 座ってできる、または自由に休憩が取れる
- 精神的・肉体的な負担が少ない
- 自分のペースで取り組める
- 在宅対応が可能な場合もある
難病のある方に適した主な仕事例

1. 内職系の軽作業
- シール貼り、封入作業
- 部品の組み立て、仕分け
- 検品(目視チェックなど)
- 手芸(ビーズ、刺しゅう、小物作り)
🔹メリット:反復的・単純な作業が中心で、体調に合わせて作業量を調整しやすい。
2. PC作業・デジタル系の業務
- データ入力、タイピング業務
- アンケート入力、クラウドワーク
- 画像加工、簡単なデザイン補助
- SNS投稿代行、ブログ記事作成
- HP管理
- 動画編集
🔹メリット:自宅でできる場合もあり、重度の身体的制限があっても対応可能。
3. 事務補助・文書整理
- 書類のスキャン・仕分け
- パソコンでの文書作成補助
- 郵送準備やラベル貼り作業
🔹メリット:正確性を活かせる作業。静かな環境で体調を崩しにくい。
難病の方に適した作業内容は、症状や病状の安定度、体力、そして個人の興味・得意分野によって大きく異なります。
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難病の方でも「得意」を活かせる場所💡

B型事業所では、「できること」から始めて、少しずつスキルアップしていけるのが魅力です。
また、職員が常に体調面を気にかけながらサポートしてくれるため、無理せず社会参加ができます。
難病の方におすすめの事業所選びの4つのポイント

1. 通いやすさ(送迎・立地)
通院や体調に配慮して、無理なく通える距離かどうかが大切です。
送迎がある事業所は、交通に不安のある方にも安心です。
2. 医療連携の有無
医療機関との連携がある事業所は、服薬管理や体調悪化時の対応もスムーズです。
看護師が常駐しているケースもあります。
3. 作業内容の負担
重い荷物運びや立ち仕事などが少ない作業を選びましょう。
体力や体調に合わせた仕事の調整が可能かどうかも確認ポイントです。
4. 在宅支援の有無
体調により通所が難しい場合は、在宅就労に対応している事業所も選択肢に入ります。
最近ではオンラインで作業報告ができる事業所も増えています。
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自信を持って働ける場所を見つけよう!B型事業所選びのポイント解説
難病があっても自分らしく働ける!就労継続支援B型とその支援サービスとは?
利用者の方のリアルな声:難病×就労継続支援B型の実例

①Aさん(40代、多発性硬化症)の場合
体調が不安定な中でも、B型事業所で週に数日の短時間勤務や在宅作業を取り入れることで、無理なく就労を継続できています。
②Bさん(30代、筋ジストロフィー)の場合
通勤の負担を解消するため、在宅支援のある事業所を利用。体調の変化に合わせたスタッフのサポートがあるため、安心して働けています。
③Cさん(50代、潰瘍性大腸炎)の場合
症状の悪化に配慮した勤務日数や時間の調整により、自分のペースで働ける環境が精神的な安定にもつながっています。
このように難病を抱えながらも、就労継続支援B型を利用することで、それぞれの体調や状況に合わせた働き方が実現できます。
無理なく続けられる環境やサポートが心強い味方になります。
B型事業所の利用の主な流れ

B型事業所を利用するための主な流れは、以下のステップで進みます。
- 相談・情報収集
地域の障害者就業・生活支援センターや市役所の福祉課に相談します。 - 医師の診断書を取得
難病の診断や就労困難の状況を示す書類を用意します。 - 障害福祉サービス受給者証を申請
自治体に申請し、受給者証を取得します。 - 事業所の見学・比較
複数のB型事業所を見学し、自分に合うところを選びます。 - 契約・利用開始
契約後、個別支援計画に沿って支援が始まります。
📝参考リンク
障害のある方に対する相談支援について:厚生労働省(外部リンク)
📝B型事業所の詳しい利用方法についてはこちらをご覧ください。
⇒【完全ガイド】就労継続支援B型の利用方法|必要書類・手続きの全ステップ
✅在宅での利用を希望する場合

在宅での支援を希望する場合は、見学時や相談時にその旨を伝えるとスムーズです。
事業所によって対応状況は異なるため、対応可否の確認が重要です。
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就労継続支援B型でも在宅ワークできる?対象者・作業内容・始め方を徹底ガイド
よくある質問(FAQ)

-
難病でも障害者手帳がなくて利用できますか?
-
医師の診断書や意見書があれば、障害者手帳がなくても自治体の判断で利用できる場合があります。
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-
通所が難しいのですが、在宅でも利用できますか?
-
はい。在宅支援を行っているB型事業所も増えており、Zoomやメールで連携しながら在宅作業が可能です。
-
工賃(給与)はどのくらいもらえますか?
-
平均は月1万5千円前後ですが、事業所によって異なり、成果や作業時間に応じて変動します。
-
自宅から通所するのが難しいのですが、送迎サービスはありますか?
-
事業所によっては、送迎サービスを提供している場合もあります。お住まいの地域や事業所のサービス内容によって異なりますので、見学や問い合わせの際に確認してみましょう。
まとめ:難病があっても「自分にできること」を大切に

難病があっても、「自分らしく」「安心して」働ける環境を提供してくれるのがB型事業所です。
症状に合わせた柔軟な対応、医療と連携した支援、在宅ワークの導入など、難病のある方に特化した支援が広がっています。
「無理せず社会とつながりたい」と感じている方は、まずはお住まいの地域のB型事業所や自治体や支援センターに相談してみましょう。
あなたに合った支援が、きっと見つかるはずです。
まずは、お住まいの地域の福祉窓口や、身近なB型事業所へ相談することから始めてみてくださいね。

📝 参考リンク(外部)
就労継続支援B型事業所一覧 – 障がい者就労支援情報~全国版~

京都市伏見区にお住まいの皆様へ。
就労継続支援B型事業所「ふじのもり笑店」は、「自分らしく働きたい」という気持ちを大切にする、あなたのための場所です。
就労継続支援の制度や特徴はもちろん、利用の対象となる方、そして利用にあたっての疑問など、皆様にとって役立つ情報を丁寧にご紹介しております。
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対象となる方について
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🏢事業所のご案内
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- 受付時間:月〜金の9:00〜18:00(祝日除く)
- 公式サイト:https://shoten-group.com/
- メール:infoshoten-group.com
■B型作業所の利用の流れ
B型事業所を利用するためには、主に以下のステップを踏む形が一般的です。
- 1市区町村の障害福祉窓口に相談。
- まずはお住まいの自治体の障害福祉課や福祉窓口に相談します。

- 2意向に合わせた事業所探し・見学
- 通いやすさやスタッフとの相性は大切です。

- 3利用契約・通所開始
- 行政の手続きと並行して事業所と契約手続きを行い、利用開始日を決めます。

- 4定期的な面談・状況の振り返り
- 利用中はスタッフとの面談が定期的に行われます。
必要に応じて支援計画を見直してもらい、より自分に合ったペースで通所できるよう調整しましょう。

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就労継続支援B型と障害福祉サービス受給者証|利用の流れ・必要書類・注意点
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