【精神障害のある方へ】就労継続支援B型事業所の仕事内容を徹底解説|在宅ワークや自分に合う作業の見つけ方も
精神障害を抱えながら「社会とつながりを持ちたい」「何か仕事をしてみたい」と思っても、体調の波や人間関係への不安から、一歩を踏み出すことにためらいを感じる方は少なくないでしょう。
フルタイムで働くのは難しいけれど、まずは無理のない範囲から始めたい。
そんな思いに寄り添うのが「就労継続支援B型事業所」です。
この記事では、精神障害のある方がB型事業所でどのような仕事ができるのか、具体的な仕事内容から在宅ワークの可能性、そして自分にぴったりの作業を見つけるためのステップまで、全体をわかりやすくご紹介します。
この記事を読めば、あなたの「働きたい」という気持ちを具体的な行動に移すための、確かなヒントが見つかるはずです。
就労継続支援B型事業所とは?精神障害のある方が安心して働くための第一歩

まず、「就労継続支援B型」(以下B型事業所)がどのようなサービスなのかを理解しましょう。
B型事業所とは、障害や難病のある方が、事業所と雇用契約を結ばずに、比較的簡単な作業を自分の体調やペースに合わせて行いながら、工賃を得ることができる福祉サービスです。
特に精神障害のある方にとって、B型事業所は以下のような点で安心して利用できる場所といえます。
- 体調を最優先できる: 週1日、1日1時間といった短時間から利用できる事業所も多く、体調の波に合わせて無理なく通えます。
- 自分のペースで取り組める作業内容: B型事業所では、軽作業や創作活動など、比較的負担の少ない作業が中心です。
スピードやノルマに追われることが少ないため、プレッシャーを感じず、自分のペースで取り組むことができます。 - 安心できる環境: 同じような悩みや経験を持つ仲間と出会えるため、孤立感を和らげ、安心して過ごせる居場所にもなり得ます。
雇用契約を結ぶA型事業所や、一般就労を目指す就労移行支援とは異なり、「働くこと」へのリハビリや準備の場として、社会参加への大切なステップとなります。
📝関連記事はこちら
就労継続支援B型とは何か?対象者・メリット・利用方法まで徹底解説!
【初心者向け】就労継続支援B型とは?制度の概要と失敗しない選び方ガイド
精神障害があっても大丈夫!働きたいを叶える就労継続支援B型という選択
【就労継続支援B型 短時間利用】自分らしい働き方を見つけよう!
【精神障害のある方向け】就労継続支援B型事業所の主な仕事内容

「B型事業所では、具体的にどんな仕事をするの?」という疑問にお答えします。
事業所の特色によって多種多様ですが、ここでは代表的な仕事内容をカテゴリ別に詳しくご紹介します。
① 軽作業・単純作業|コツコツ取り組みたい方に
最も多くの事業所で導入されているのが軽作業です。
特別なスキルは不要で、自分のペースで黙々と取り組める作業が多いため、集中したい方や対人コミュニケーションが苦手な方にも向いています。
- 具体例:
- 封入・封かん作業・シール張り作業: ダイレクトメールやチラシなどを封筒に入れる作業商品や、封筒にラベルやシールを貼る作業
- 検品・梱包: 製品に傷や汚れがないかチェックし、箱詰めする作業
- 組み立て: 簡単な部品やアクセサリーパーツの組み立て
- 清掃: 事業所内や提携先の施設の清掃作業
- ポスティング: チラシなどを指定されたエリアのポストに投函する作業
これらの作業は、手順を覚えればスムーズに進められるものが多く、「できた」という達成感を得やすいのが特徴です。
集中力や持続力を養う訓練にもなります。
② パソコン(PC)作業|スキルを活かしたい・身につけたい方に
近年、PC作業を取り入れる事業所が増えています。
在宅ワークにつながるスキルを身につけたい方や、デスクワークに興味がある方におすすめです。
- 具体例:
- データ入力: 名刺やアンケート結果などを指定のフォーマットに入力する作業
- テープ起こし・文字起こし: 会議やインタビューの音声データを聞きながらテキスト化する作業
- Webライティング: 指定されたテーマに沿って簡単なブログ記事や文章を作成する作業
- 簡単な画像加工: 商品写真の切り抜きや明るさの調整など
- ネットショップの運営補助: 商品登録や簡単な顧客対応など
PCスキルに自信がない方でも、スタッフが基礎から丁寧に教えてくれる事業所がほとんどです。
将来的に事務職や在宅ワークを目指すための良いステップになります。
③ ものづくり・創作活動|創造性を発揮したい方に
自分のアイデアや感性を形にすることに喜びを感じる方には、ものづくり系の作業がぴったりです。
作った製品は、地域のイベントやインターネットで販売されることも多く、やりがいを直接感じられます。
- 具体例:
- 手芸・工芸: アクセサリー、布小物、編み物、木工品、革製品などの制作
- アート活動: 絵画、イラスト、デザイン制作
- パン・お菓子の製造販売: 事業所内の工房でパンやクッキーを焼き、販売する作業
- オリジナルグッズ制作: Tシャツやトートバッグなどのデザイン・プリント
「好き」を仕事にできるため、楽しみながら通所を続けやすいのが魅力です。
デザインや製造、販売までの一連の流れを経験できることもあります。
④ 農作業・園芸|自然の中で体を動かしたい方に
土に触れたり、植物を育てたりすることが好きな方には、農業や園芸といった作業がおすすめです。
自然の中で体を動かすことは、心身のリフレッシュやストレス軽減にもつながるといわれています。
- 具体例:
- 野菜やハーブの栽培: 種まき、水やり、草むしり、収穫
- 収穫物の加工・販売: 収穫した野菜を袋詰めしたり、ジャムなどに加工して販売したりする
- 花や苗の育成: 観賞用の花や野菜の苗を育てる
季節の移り変わりを感じながら、チームで協力して作物を育てる喜びは格別です。
体力に自信がない方でも、休憩をとりながら自分のペースで参加できます。
在宅ワーク(テレワーク)は可能?B型事業所の新しい働き方
「人と会うのがつらい」「通勤が負担」といった理由で、在宅での仕事を希望する方も多いでしょう。
結論から言うと、就労継続支援B型事業所でも在宅ワーク(テレワーク)は可能です。
コロナ禍を経て在宅支援を導入する事業所は増加傾向にあります。
在宅でできる仕事の例
- データ入力
- Webライティング
- テープ起こし
- 簡単なデザイン作業
- アクセサリーなどの内職作業
ただし、すべての事業所が在宅ワークに対応しているわけではありません。
また、利用するには「定期的に通所して面談が必要」「オンラインでの報告が必須」など、一定のルールがあります。
在宅ワークを希望する場合は、事業所探しの段階で「在宅支援の実績があるか」を必ず確認しましょう。
精神障害のある方がB型事業所で働く3つのメリット
B型事業所で働くことは、工賃を得るだけでなく、精神的な安定や自己成長にもつながる多くのメリットがあります。
① 自分の体調やペースに合わせて働ける安心感
最大のメリットは、徹底して自分の体調を優先できることです。
精神障害のある方にとって、気分の浮き沈みや体調の波は避けられないもの。
「今日は調子が悪いから休む」「午後は早退する」といった調整がしやすく、罪悪感なく休める環境は、心の安定に直結します。
この「無理しなくていい」という安心感が、継続的な社会参加を可能にします。
② 専門スタッフによる手厚いサポート
B型事業所には、必ずサービス管理責任者といった福祉のスタッフが配置されています。
そこでは、仕事の進め方を教えるだけでなく、体調管理の方法、対人関係の悩み、将来への不安など、様々な相談に乗ってくれます。
一人で抱え込まずに、いつでも相談できる専門家が身近にいることは、非常に心強いサポートとなります。
③ 同じ境遇の仲間と出会える居場所
社会から孤立しがちな精神障害のある方にとって、B型事業所は同じような悩みや経験を持つ仲間と出会える貴重な場所でもあります。
無理に交流する必要はありませんが、お互いの経験を共有したり、何気ない会話をしたりする中で、孤独感が和らぎ、「自分だけじゃないんだ」という安心感を得られます。
ここが自分の「居場所」だと感じられることが、生活の質を向上させます。
📝関連記事はこちら
就労継続支援B型で変わるライフスタイル|自分らしい働き方と暮らしの整え方
精神障害のある方の「働きたい」を応援!就労継続支援B型の利用ガイド
自分に合った仕事内容を見つけるための3つのステップ
数ある仕事内容の中から、自分に合ったものを見つけるための具体的なステップをご紹介します。
- STEP1: 自己分析(好き・嫌い、得意・苦手を知る)
- まずは自分自身を振り返る時間を作りましょう。
難しく考えず、紙に書き出すのがおすすめです。
好きなこと・夢中になれること: (例: 絵を描く、手芸、ゲーム、読書)
嫌いなこと・ストレスに感じること: (例: 大きな音、人と話すこと、細かい作業)
得意なこと・人から褒められること: (例: コツコツ作業を続けられる、文章を書くのがうまい)
苦手なこと・時間がかかること: (例: 新しいことを覚える、計算、臨機応変な対応)
この自己分析が、事業所選びの重要な判断基準になります。

- STEP2: 事業所の情報を集め、見学・体験利用をする
- 自己分析ができたら、お住まいの地域のB型事業所を調べてみましょう。
市区町村の障害福祉課の窓口や、インターネットの検索で探せます。
気になる事業所が見つかったら、必ず「見学」や「体験利用」を申し込みましょう。
チェックポイント:
・どんな仕事内容があるか?(自分の興味と合うか)
・事業所の雰囲気や清潔感はどうか?
・スタッフや他の利用者の表情はどうか?
・支援員は親身に話を聞いてくれるか?
・休憩スペースは落ち着けるか?
ホームページの情報だけではわからない「空気感」を肌で感じることが、ミスマッチを防ぐ上で最も重要です。

- STEP3: 支援員に自分の希望や不安を正直に伝える
- 見学や体験の際には、遠慮せずに自分の希望や不安を支援員に伝えましょう。
「PC作業に興味があるのですが、未経験でも大丈夫ですか?」
「人とのコミュニケーションが苦手なので、一人でできる作業はありますか?」
「体調に波があるので、週2日から始めたいです。」
あなたの状況を正直に話すことで、事業所側もあなたに合ったサポートを考えやすくなります。
この対話を通じて、「この支援員さんなら信頼できる」と感じられるかどうかも、大切な判断材料です。

就労継続支援B型の利用に関するよくある質問
最後に、B型事業所の利用に関してよく寄せられる質問にお答えします。
-
A型事業所や就労移行支援との違いは何ですか?
-
一番の違いは「雇用契約の有無」です。- B型事業所: 雇用契約なし。自分のペースでリハビリ的に働く。
工賃は作業の成果に応じて支払われる。 - A型事業所: 雇用契約あり。
最低賃金が保証されるが、一定の勤務時間や業務遂行能力が求められる。 - 就労移行支援: 一般企業への就職を目指すための訓練の場。
原則として工賃は発生しない。
- B型事業所: 雇用契約なし。自分のペースでリハビリ的に働く。
-
工賃はどのくらいもらえますか?
-
工賃は、事業所の仕事内容や作業時間によって大きく異なります。
厚生労働省の令和6年度の調査によると、月額の平均工賃は27,460円です。
B型事業所の目的は高収入を得ることではなく、あくまで働く訓練や社会参加の第一歩と捉えることが大切です。
-
人間関係が不安なのですが、大丈夫でしょうか?
-
多くの方が同じ不安を抱えています。
B型事業所では、無理にコミュニケーションをとる必要はありません。
挨拶程度で、あとは自分の作業に集中している方もたくさんいます。
スタッフもその点を理解しており、人間関係でトラブルが起きないよう配慮してくれます。
まずは一人でできる作業から始めるなど、相談に応じてくれます。
-
週に何日から、1日何時間から利用できますか?
-
事業所によって異なりますが、「週1日、1日1時間から」といった柔軟な対応をしている場所も多いです。
まずは無理のない範囲でスタートし、体調が安定してきたら少しずつ日数や時間を増やしていく、という方がほとんどです。
利用開始前に、自分の希望をしっかり伝えましょう。
📝関連記事はこちら
就労継続支援B型の人間関係トラブルを解決する方法|利用者・職員が安心して働くためにできること
就労継続支援B型事業所の利用開始までの流れ
ここでは一般的な流れを解説します。
- Step1:相談する
- まずはお住まいの市区町村の障害福祉担当窓口や、相談支援事業所に相談します。
自分の状況を話し、B型事業所の利用を検討していることを伝えましょう。

- Step2:事業所を探し、見学・体験利用をする
- 相談機関から情報を得たり、インターネットで探したりして、気になる事業所を見つけたら、電話やメールで見学・体験の申し込みをします。
複数の事業所を比較検討するのがおすすめです。

- Step3:利用申請を行う
- 利用したい事業所が決まったら、市区町村の窓口でサービスの利用申請を行います。
この際、サービスを利用するには、
「どんなふうにサービスを使っていきたいか」
をまとめた「サービス等利用計画案」が必要になります。
この計画は、自治体から認められた相談支援事業所の専門スタッフが一緒に考えて作ってくれます。
また、ご本人やご家族、支援している人が自分たちで作る(セルフプラン)こともできます。

- Step4:支給決定と「障害福祉サービス受給者証」の交付
- 市区町村による審査を経て、サービスの利用が決定されると、「障害福祉サービス受給者証」が交付されます。
これがB型事業所を利用するための許可証のようなものです。

- Step5:事業所との契約・利用開始
- 受給者証を持って事業所へ行き、利用契約を結びます。
契約内容をよく確認し、納得できたら利用開始です。

まとめ

就労継続支援B型事業所は、精神障害のある方が社会とのつながりを取り戻し、自分らしい働き方を見つけるための大切な場所です。
軽作業からPC作業、ものづくりまで、多種多様な仕事内容があり、専門スタッフのサポートを受けながら、自分のペースで安心して取り組むことができます。
この記事を読んで少しでも興味が湧いたら、ぜひお住まいの地域の相談窓口に問い合わせたり、事業所の見学に足を運んでみたりしてください。
あなたに合った仕事、あなたに合った居場所が、きっと見つかります。
その一歩が、あなたの未来を明るく照らす光になることを願っています。
📝 参考リンク(外部)
就労継続支援B型事業所一覧 – 障がい者就労支援情報~全国版~

京都市伏見区にお住まいの皆様へ。
就労継続支援B型事業所「ふじのもり笑店」は、「自分らしく働きたい」という気持ちを大切にする、あなたのための場所です。
就労継続支援の制度や特徴はもちろん、利用の対象となる方、そして利用にあたっての疑問など、皆様にとって役立つ情報を丁寧にご紹介しております。
「まずは少しずつ」「自分のペースで続けたい」
そんな思いをお持ちの京都市伏見区の皆様にも、安心して通っていただける温かい環境をご用意しています。利用者様一人ひとりの「やってみたい」を尊重し、それぞれのペースに合わせた働き方をサポートいたします。
対象となる方について
京都市伏見区にお住まいで、知的障害、精神障害、身体障害、発達障害などをお持ちの方で、一般企業での就労に不安がある方、または就労移行支援事業などを利用したが就労に結びつかなかった方などが対象となります。
お仕事内容について
京都市伏見区の「ふじのもり笑店」では、利用者様の多様なニーズに合わせて、パソコンやスマートフォンを使った様々なお仕事をご用意しています。ご自身のスキルや興味に合わせて、無理なく取り組める作業がきっと見つかります。
在宅ワークも可能!
お仕事内容によっては、ご自宅にいながら働く「在宅ワーク」も可能です。
通所が難しい方でも、社会との繋がりを持ちながら、ご自身のペースで働くことができます。

※当事業所では内職の在宅は行っておりません。
「もしかしたら、自分にもできるかも!」
そう感じたら、まずはお気軽にお問い合わせください。
あなたが「自分らしく働ける」ためのサポートがここにあります。
安心できる環境で、新たな一歩を踏み出してみませんか?

どんなことでもお気軽にご相談ください。
スタッフが一人ひとり丁寧に対応させていただきます。


🏢事業所のご案内
就労継続支援B型事業所 ふじのもり笑店(旧たきがわ笑店)
- 住所:〒612-0028
京都市伏見区深草飯食町839-14 ソフトウェーブビル3階 - アクセス:京阪本線「藤森駅」西口から徒歩3分♪
※エレベーターで3階までどうぞ! - 電話:075-644-4815
- 営業時間:平日9:00〜18:00(土日お休みです)
- 受付時間:月〜金の9:00〜18:00(祝日除く)
- 公式サイト(HP):https://shoten-group.com/
- メール:infoshoten-group.com
- TikTokはこちら
- Instagramはこちら
- LINEはこちら