高次脳機能障害でも自分らしく働ける!就労継続支援B型で見つける新しい一歩
高次脳機能障害を抱える方にとって、就労や社会参加は多くの不安や壁があるものです。
特に

「集中力が続かない」
「段取りがうまくできない」
「感情のコントロールが難しい」
といった症状は、一般的な職場での適応を難しくさせてしまうこともあります。
しかし、就労継続支援B型なら、自分のペースで少しずつ働く力を伸ばすことができます。
本記事では、高次脳機能障害を持つ方にとってのB型事業所の意義や活用方法、選び方のポイントまで、わかりやすく解説します。
あなたの「働きたい」という気持ちを応援するための情報が満載ですので、ぜひ最後までお読みください。
この記事でわかること💡
- 高次脳機能障害とは?
- 高次脳機能障害のある方が就労で直面しやすい5つの困りごと
- 就労継続支援B型とは?基礎から支援内容を解説
- B型事業所が高次脳機能障害に合っている理由
- 高次脳機能障害の方に適したB型事業所での作業例➡活用事例
- B型事業所の選び方と利用までの流れ
- よくある質問(FAQ)
1.高次脳機能障害とは?

高次脳機能障害(こうじのうきのうしょうがい)とは、交通事故や脳卒中、脳腫瘍などによって脳に損傷を受けた結果、記憶力・注意力・感情コントロール・判断力などに支障が出る障害です。
見た目には分かりにくいため、「見えにくい障害」とも呼ばれ、周囲の理解を得るのが難しいという側面もあります。
また、本人も障害に気づかないことがあり、就職・対人関係・家庭生活に大きな支障が出ることがあります。
主な症状
- 記憶障害(新しいことを覚えづらい)
- 注意障害(集中力が続かない、気が散りやすい)
- 遂行機能障害(計画・段取り・問題解決が苦手)
- 社会的行動障害(感情のコントロールが難しい、対人関係に支障)
- 自覚の欠如(自分が障害を負っていることを理解できない、周囲とトラブルになっても気づかない
主な原因
- 脳外傷(交通事故・転落などによる頭部打撲)
- 脳卒中(脳梗塞・脳出血)
- 脳腫瘍の摘出手術
- 脳炎・髄膜(ずいまく)炎
- 低酸素脳症(心肺停止などによる)
2.高次脳機能障害のある方が就労で直面しやすい5つの困りごと

高次脳機能障害のある方が就労の場面で直面しやすい困りごとは、主に以下のようなものがあります。
- 作業手順を忘れやすい
→ 指示通りに進めるのが難しくなることがあります。 - 口頭の指示を聞き逃す
→ 内容を理解したり覚えたりするのに時間がかかることがあります。 - イレギュラーな対応が苦手
→ 予想外の出来事に混乱しやすく、対処が難しいことがあります。 - 疲れやすく集中力が続かない
→ 長時間の作業が難しく、こまめな休憩が必要になることがあります。 - コミュニケーションのズレが起きやすい
→ 言葉のニュアンスが伝わらず、誤解されることがあります。
これらは外見からは分かりにくいため、就労面において、誤解や孤立につながることもあります。
身体障害を併せ持つ場合
- 通勤時の移動に困難がある
→ 車椅子の使用や階段の昇降が難しい場合がある - 作業中の姿勢に制限がある
→ 長時間の立ち仕事や細かい手作業が難しいことも - 介助や設備面の配慮が必要
→ バリアフリー環境や支援器具の導入が求められる

このような複合的な課題を抱える方にとって、「就労継続支援B型」は大きな助けになります。
3.就労継続支援B型とは?

就労継続支援B型(以下B型事業所)は、障害や難病によって一般企業で働くのが難しい方に、「雇用されない形」で仕事の機会を提供する福祉サービスです。
年齢や体力に応じて、自分のペースで作業できるのが特徴です。
【B型事業所の基本情報】
項目 | 内容 |
---|---|
契約形態 | 雇用契約を結ばず、福祉サービスの一環として作業に参加します。給与ではなく「工賃」が支払われます。 |
対象者 | 働く意欲はあるが、年齢・体力・障害の状態などにより、すぐに一般就労が難しい方(例:身体障害・知的障害・精神障害・難病のある方など) |
工賃 | 平均月額1〜2万円程度(地域・作業内容によって異なります) |
利用年齢 | 原則18歳以上。年齢の上限はなく、定年後の再チャレンジにも活用されています。 |
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【B型事業所で提供される主な支援内容】

1. 作業訓練(仕事を通じた練習)
- 軽作業(封入・袋詰め・シール貼り・手工芸など)
- パソコン作業(入力・デザインなど)
- IT関連(SNS運営、HP管理、WEBデザイン、動画編集など)
- 清掃・農作業・カフェ運営など
👉 目的:働くリズムをつかむ・スキルを身につける
2. 生活支援
- 体調管理のアドバイス
- 食事・服薬・睡眠など生活リズムの整え方
- 金銭管理や身だしなみのサポート
👉 目的:日常生活を安定させ、自立に向けた土台づくり
3. 社会性の訓練
- あいさつや報告・連絡・相談の練習
- 人との接し方、距離感のとり方
- 小集団での活動やイベントへの参加
👉 目的:社会で働くために必要なコミュニケーション力を育てる
4.B型事業所が高次脳機能障害に合っている理由

ポイント1:自分のペースで働ける
高次脳機能障害のある方は、集中力が続きにくい、すぐに疲れてしまうといった特性があります。
B型事業所では、以下のように柔軟な働き方が可能です。
- 午前のみ、午後のみなど短時間の利用がOK
- 週1日からスタートし、徐々に日数を増やせる
- 体調や気分に合わせて無理のないスケジュールで通所できる
こうした「自分のペースを大切にできる環境」は、継続して通ううえで非常に大切です。
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ポイント2:ミスを責められない環境
高次脳機能障害の方は、以下のような「認知の困難さ」があります。
- 手順を間違える
- 指示を忘れてしまう
- 状況の変化に対応できない など
一般企業ではこれらが「ミス」として厳しく指摘されることがありますが、B型事業所では違います。
- 支援スタッフが常にサポート
- 失敗しても怒られず、フォローしてもらえる
- 同じ作業を繰り返すことで、少しずつ成功体験を積める
つまり、「ミスを責めず、できる方法を一緒に考える」のがB型事業所のスタンスです。
ポイント3:生活リズムの安定につながる
高次脳機能障害があると、睡眠リズムの乱れや日中の過眠・無気力などで、生活全体のバランスが崩れやすくなります。
B型事業所では、以下のような支援が受けられます。
- 毎日同じ時間に通う習慣づけ
- スタッフによる体調確認や声かけ
- 利用前・利用後の生活の相談も対応可能
これにより
「朝起きて通う→活動して帰る」という基本的な生活リズムが整い、心身ともに安定した日常につながります。
このようにB型事業所は、高次脳機能障害の特性にやさしく寄り添い、安心してチャレンジできる環境が整っています。
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5.高次脳機能障害の方に適したB型事業所での作業例

B型事業所では、利用者の方が自分に合った作業を選択できるように、多様な職業訓練や作業内容を提供しています。
単純作業・反復作業
- シール貼り
- 商品のパッケージにラベルを貼る
- 作業工程が明確で繰り返しやすい
- 部品の仕分け
- 色やサイズ別に部品を分ける
- マニュアル化しやすく、集中力に合わせて区切って作業可能
- 封入作業
- チラシや案内物を封筒に入れる
- ひとつずつ進める作業で達成感が得られる
手作業による創作活動
- ビーズアクセサリー作り
- 決まったパターンに沿って作業することで集中力を鍛える
- フェルト小物や布製品の制作
- 手順が視覚的に分かりやすく、完成品が形に残る楽しさがある
パソコンを使った軽作業(ITスキルに応じて)
- データ入力(テンキー・簡単な文字入力)
- 入力ミスがあっても修正可能で、慣れれば黙々と進められる
- 画像の分類やファイル整理
- 視覚的に整理する作業は記憶や注意力のトレーニングにもなる
簡単な農作業・清掃作業
- 屋外での水やり・草取り
- リフレッシュにもなり、一定のルーティンで取り組みやすい
- 施設内外の掃除・片付け
- シンプルで手順が決まっており、継続しやすい作業内容
作業を通じて得られること💡

- 作業工程を「目で見て理解」できるものが多く、見通しが立てやすい
- ミスしてもフォローがあるため、成功体験を積みやすい
- 定期的な作業を通じて、集中力や記憶力のリハビリにもつながる
高次脳機能障害の症状や特性には個人差が大きいため、その方に合った作業から無理のないペースで始め、少しずつステップアップしていく支援が重要です。
これらのほかにも、多種多様な作業があり、一人ひとりの特性やペースに合わせて選べる環境が整っています。
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就労継続支援B型で挑戦できる仕事とは?自分に合った仕事を見つけよう!
☛活用事例

事例:車椅子を利用するAさんの場合
Aさんは、脊髄(せきずい)損傷により車椅子を利用しています。
一般企業での就職活動では、バリアフリー設備の不足や、体調面への配慮が難しく、なかなか内定を得られずにいました。
しかし、就労継続支援B型事業所では、車椅子での移動がスムーズな環境が整備されており、座ってできるデータ入力の作業に取り組んでいます。
体調が優れない日は短時間勤務にしたり、必要に応じて休憩を取ったりできるため、無理なく働き続けることができています。
Aさんは「ここでは自分のペースで働けるから、焦らずにスキルアップできるのが嬉しい。いつか一般企業でも働けるように頑張りたい」と語っています。
6.B型事業所の選び方と利用までの流れ

B型事業所は全国に数多くあり、それぞれ特徴や提供する作業や支援などのサービスが異なります。
ご自身に合った事業所を見つけることが、長く安定して利用し、効果を得る上で非常に大切です。
事業所選びのポイント💡
以下のポイントを押さえて選ぶことで、自分に合った事業所を見つけやすくなります。
①障害特性に合った支援があるか
(身体障害はバリアフリー、高次脳機能障害は個別支援計画の充実など)
②作業内容・活動内容が自分に合っているか
(興味や得意分野、無理なく続けられるかを確認)
③事業所の雰囲気やスタッフの対応
(見学や体験利用で安心して相談できるかチェック)
④立地・通いやすさ
(自宅から無理なく通えるか、送迎サービスの有無も確認)
⑤工賃の目安
(事業所によって異なるため、事前に確認)
⑥就労移行支援や一般就労へのサポート体制
(将来の一般就労を考える場合、連携や支援があるか)
⑦事業所の特色・強み
(PCスキル特化、農作業中心、創作活動が盛んなど)
⑧口コミや評判を参考にする
(インターネットや支援機関の情報を活用)
📝詳しい記事はこちらから
身体障害のある方の「働く」を応援!就労継続支援B型事業所ガイド
【身体障害のある方へ】就労継続支援B型事業所の選び方|失敗しないための重要ポイント

- B型事業所と契約・利用開始
- お住まいの市区町村の「障害福祉課」へ相談
- 医師の診断書や意見書の提出
- サービス等利用計画の作成(計画相談支援)
- 受給者証の発行

📝詳しいご利用方法についてはこちらの記事をご覧ください
就労継続支援B型と障害福祉サービス受給者証|利用の流れ・必要書類・注意点
7.よくある質問(FAQ)

-
毎日通わないといけませんか?
-
いいえ、毎日通う必要はありません。就労継続支援B型は、利用者の体調や状況に合わせて柔軟な働き方が可能です。
-
身体障害と高次脳機能障害の両方がありますが大丈夫?
-
B型事業所では複数の障害がある方にも対応しており、配慮を受けられます。
-
利用開始までにどれくらい時間がかかりますか?
-
平均で1〜2ヶ月程度です。受給者証の手続きがスムーズに進めば早めの利用も可能です。
-
将来的にA型や一般就労は目指せますか?
-
可能です。B型からステップアップを目指す支援体制が整っている事業所もあります。
まとめ:B型事業所は新たな可能性への扉

高次脳機能障害を抱えながらも、「自分らしく働きたい」「社会とつながりたい」という思いは、誰もが持つ自然な願いです。
自分のペースで、無理なく、安心して働ける環境が大切です。
B型事業所は、そんなあなたの想いを支え、一人ひとりに合った働き方をサポートする場所です。
身体障害や高次脳機能障害をお持ちの方が、それぞれの特性に合わせて、自分らしく活躍できる可能性を広げてくれます。
焦らず、自身にとって「安心できる環境」「通いやすい場所」「成長できる支援」がそろっているかをしっかり見極めて、あなたらしい働き方を見つけてくださいね。
まずは、お住まいの地域の福祉窓口や、身近なB型事業所へ相談することから始めてみてくださいね。

📝 参考リンク(外部)
就労継続支援B型事業所一覧 - 障がい者就労支援情報~全国版~

京都市伏見区にお住まいの皆様へ。
就労継続支援B型事業所「ふじのもり笑店」は、「自分らしく働きたい」という気持ちを大切にする、あなたのための場所です。
就労継続支援の制度や特徴はもちろん、利用の対象となる方、そして利用にあたっての疑問など、皆様にとって役立つ情報を丁寧にご紹介しております。
「まずは少しずつ」「自分のペースで続けたい」
そんな思いをお持ちの京都市伏見区の皆様にも、安心して通っていただける温かい環境をご用意しています。利用者様一人ひとりの「やってみたい」を尊重し、それぞれのペースに合わせた働き方をサポートいたします。
対象となる方について
京都市伏見区にお住まいで、知的障害、精神障害、身体障害、発達障害などをお持ちの方で、一般企業での就労に不安がある方、または就労移行支援事業などを利用したが就労に結びつかなかった方などが対象となります。
お仕事内容について
京都市伏見区の「ふじのもり笑店」では、利用者様の多様なニーズに合わせて、パソコンやスマートフォンを使った様々なお仕事をご用意しています。ご自身のスキルや興味に合わせて、無理なく取り組める作業がきっと見つかります。
在宅ワークも可能!
お仕事内容によっては、ご自宅にいながら働く「在宅ワーク」も可能です。
通所が難しい方でも、社会との繋がりを持ちながら、ご自身のペースで働くことができます。

※当事業所では内職の在宅は行っておりません。
「もしかしたら、自分にもできるかも!」
そう感じたら、まずはお気軽にお問い合わせください。
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