【完全ガイド】就労継続支援B型と障害福祉サービス受給者証|利用の流れ・必要書類・注意点
就労継続支援B型は、障害や難病がある方が自分のペースで働ける環境を提供する福祉サービスの一つです。
利用を考えている方の中には

「就労継続支援B型事業所を利用したいけど、受給者証って何?」
「どうやって利用するの?」
「どんな手続きが必要なの?」
と疑問に思う方もおられるのではないでしょうか。
B型事業所の利用には、「障害福祉サービス受給者証」の取得が必要です。
この記事では、B型事業所の利用に必要となる「障害福祉サービス受給者証」について、取得方法から利用の流れ、注意点まで、わかりやすく解説します。
自身に合った支援をスムーズに受けられるようにしましょう。
就労継続支援B型事業所について

就労継続支援B型事業所(以下B型事業所)は、障害や難病、精神疾患などによって一般企業への就職が困難な方が、働く機会を得ながら社会参加や自立を目指すための障害福祉サービスです。
一般企業への就職が難しい方でも、自分のペースで働くことができます。

B型事業所について詳しくはこちらから
就労継続支援B型とは?制度の仕組みから利用方法まで分かりやすく解説
B型事業所の主な特徴

■利用者の能力やペースに合わせた作業
個々の能力や体力、体調に合わせて、無理なく作業に取り組めるように、作業内容や時間などが調整されます。
■働くスキルや知識の習得
PC作業、軽作業、手芸、デザインなど、様々な作業を通して、働く上で必要なスキルや知識を習得できます。
利用者の方の興味や能力に合わせて、多種多様な活動が提供されています。

主な作業内容
- 軽作業
部品の簡単な組み立て、梱包、検品、シール貼り、清掃作業など
- 手芸・クラフト
アクセサリー制作、編み物、陶芸、木工、布小物制作など
- 農作業
野菜や果物の栽培、収穫など
- パソコン作業
データ入力、書類作成、ウェブサイト更新など
- 創作活動
絵画、書道、音楽、文章作成など
- 調理・食品加工
お菓子作り、パン作り、惣菜の調理・パック詰めなど
- 地域貢献活動
清掃活動、ボランティア活動など
これらの活動を通して、利用者の方は自分の得意なことを見つけたり、新しいスキルを習得したり、社会の一員として役割を果たす喜びや、誰かの役に立っているという実感を得られるでしょう。
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■社会参加の促進
同じような不安や悩みを持つ仲間と出会い、交流することで、社会参加への意欲を高め、自信をつけることができます。
また孤立感を軽減し、社会的なつながりを築くことができます。
■経済的な自立を目指せる
作業内容に応じて工賃が支払われます。
得た工賃は、生活費の一部として活用したり、貯蓄したりすることができ経済的自立を少しずつ目指すことができます。
工賃
様々な生産活動の対価として、事業所から支払われるお金のことを「工賃」と呼びます。
■サポート体制
専門スタッフによるサポートが充実しており、働きながらスキルアップを目指せます。
■生活リズムの確立
B型事業所に通うことで、規則正しい生活を送る習慣を身につけることができます。
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■自己肯定感の向上
「働くこと」を通して、自分に自信や達成感を感じ、自己肯定感を高めることができます。

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B型事業所は就労のステップアップを目指す方だけでなく、マイペースに自分の生活リズムを整えながら社会とのつながりを維持していきたいという方にも適したサービスです。
障害福祉サービス受給者証とは?

障害福祉サービス受給者証とは、障害者総合支援法に基づく福祉サービスを受けるために必要な証明書です。
この受給者証があることで、B型事業所をはじめとするさまざまな障害福祉サービスを利用できます。
受給者証には、利用できるサービスの種類や支給量、利用者負担上限額などが記載されています。
運転免許証のように、氏名や住所、生年月日などの個人情報に加えて、支給決定を受けたサービスの種類、利用者負担上限月額などが記載されています。
サービスを利用する際には、この受給者証を事業所へ提示します。
B型事業所は、障害福祉サービスの一つである「訓練等給付」に該当するため、利用には受給者証が必要です。
障害福祉サービス受給者証には、以下の2種類があります。
受給者証の種類
- 障害福祉サービス受給者証(身体・知的)
身体障害者手帳または知的障害者手帳をお持ちの方が、障害福祉サービスを利用するために必要な証です。
- 障害福祉サービス受給者証(精神)
精神障害者保健福祉手帳をお持ちの方が、障害福祉サービスを利用するために必要な証です。
受給者証の主な目的
- 就労継続支援B型や就労移行支援などのサービスを利用するため
- サービス提供の可否や支給決定期間を明確にするため
- 障害の程度に応じた適切な支援を受けるため
この受給者証がないと、B型事業所の利用ができないため、早めに手続きを進めることが大切です。
受給者証を取得するメリット
①支援の受けやすさ
受給者証を持つことにより、B型事業所の利用がスムーズになります。
具体的には、申請手続きが簡略化され、必要なサービスを利用しやすくなります。
②経済的なサポート
受給者証を持つことで、福祉サービスにかかる費用の一部が公的に支援されるため、経済的負担が軽減されます。
また、所得に応じた利用者負担上限額が設定され、高額な利用料の支払いを防ぐことができます。
③自立に向けた一歩
受給者証を通じてB型事業所を利用することは、自立に向けた大きな一歩です。
社会に参加し続けることによって、充実感や自己肯定感を得ることができ、人間関係の構築やスキルの向上にもつながります。
受給者証で利用できる主な障害福祉サービス

主な福祉サービス
■就労継続支援A型・B型事業所
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■就労移行支援(一般就労を目指すための訓練)
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■生活介護(日中活動や生活支援)
■居宅介護(自宅での介護支援)
■短期入所(ショートステイ)(一時的な宿泊支援)
障害福祉サービス受給者証の対象者とは?

障害福祉サービス受給者証は、障害者総合支援法 に基づき、以下のいずれかの障害種別に該当し、かつ、日常生活や社会生活を営む上で支障がある方が対象となります。
参考リンク
障害者総合支援法とは? 目的やサービス、2024年の改正までわかりやすく解説(外部リンク)
主な対象者
①身体障害がある方
視覚、聴覚、音声・言語機能、肢体、心臓、じん臓、呼吸器、膀胱・直腸、小腸、免疫などの機能障害がある方
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②知的障害がある方
知的な発達の遅れがあり、日常生活や社会生活に支援を必要とする方
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③精神障害がある方
統合失調症、うつ病、躁うつ病、不安障害、認知症など、精神疾患の影響で日常生活や社会生活に支援を必要とする方
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④発達障害がある方
自閉症、アスペルガー症候群、学習障害、ADHDなど、発達上の特性により日常生活や社会生活に支援を必要とする方
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⑤難病等がある方
特定疾患治療研究事業等の対象となる難病や、がん等の疾病の影響で日常生活や社会生活に支援を必要とする方
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上記のいずれかの障害種別に該当すること。
日常生活や社会生活を営む上で、障害を理由とした支障があること
市区町村の調査・判定によって、サービス利用の必要性が認められること。
受給者証の申請に必要な書類

受給者証の申請には、以下の書類が必要です。
必要な書類
✅申請書
✅障害者手帳、または医師の診断書や意見書
✅本人確認書類(運転免許証、健康保険証など)
✅印鑑
✅所得を証明する書類(市区町村民税課税証明書など)
受給者証の申請からB型事業所の利用開始までの流れ

B型事業所を利用するには、主に以下の手順を踏みます。
① 事前相談
まず、お住まいの自治体の障害福祉課や相談支援事業所に相談しましょう。
ここで、自身の状況や希望するサービスについて説明し、どの支援が適しているかを確認します。
↓
②事業所を探す
地域の就労継続支援B型事業所を検索します。
気になる事業所に見学に行き、相談してみましょう。
参考リンク(外部リンク):就労継続支援B型事業所一覧 - 障がい者就労支援情報~全国版~
↓
③申請書類の準備と提出
申請に必要な書類を揃えたら、市区町村の福祉窓口に提出します。
↓
④アセスメント(聞き取り調査)
自治体の担当者が、本人や家族と面談し、生活状況や支援の必要性について確認します。
このアセスメントの結果をもとに、受給者証の発行が決定されます。

↓
⑤受給者証の発行
審査が完了すると、障害福祉サービス受給者証が発行されます。
通常、申請から数週間から約1ヶ月程度で交付されますが、自治体によって異なるため、早めに手続きを進めることが重要です。
↓
⑥利用契約
利用するB型事業所と利用契約を結びます。
↓
⑦利用開始
B型事業所の利用を開始します
利用開始後は、定期的に面談を行いながら、作業内容や目標などを調整していきます。

B型事業所の利用方法についての詳しい記事はこちらから
⇒【完全ガイド】就労継続支援B型の利用方法|必要書類・手続きの全ステップ
受給者証の有効期間と更新手続き

障害福祉サービス受給者証には有効期間が設定されています。
多くの場合、1年または2年ごとに更新が必要です。
更新手続きの主な流れ
①有効期限の数か月前に自治体から更新案内が届く
②必要書類を準備し、再度申請
③再アセスメント(聞き取り調査)
④更新された受給者証が発行される
受給者証取得後の5つの注意点

① 利用負担額について
障害福祉サービスには原則1割の自己負担がありますが、収入に応じた減免制度があるため、自治体に確認しましょう。
受給者証があっても、所得に応じて利用者負担額が発生する場合があります。
費用について詳しくはこちらの記事から
就労継続支援B型ってどれくらいお金がかかるの?費用について分かりやすく解説
② 利用できる事業所を確認する
受給者証には、利用できるサービスの種類や支援時間などが記載されているため、希望するB型事業所で利用できるか事前に確認が必要です。
③ 利用計画の作成
受給者証を取得した後は、相談支援専門員とともに「サービス等利用計画」を作成し、自分に合った支援内容を決めていきます。
④有効期限
受給者証には有効期限があります。
期限が切れる前に、余裕をもって手続きを進めましょう。
⑤紛失・破損した場合は再発行を
障害福祉サービス受給者証を紛失したり、破損したりした場合は、速やかに市区町村の窓口に連絡し、再発行手続きを行いましょう。

まとめ:一歩踏み出す勇気を
障害や病気を抱えながら「働く」ということは、決して簡単なことではありません。
不安や戸惑いを感じることもあるでしょう。
しかし、B型事業所は、そのような方の気持ちに寄り添い、安心して社会参加できる場所を提供してくれます。
そして、利用するためのパスポートとなるのが「障害福祉サービス受給者証」です。
受給者証を取得すれば、自分の体調やペースに合わせた「働く」という選択肢が広がります。
申請方法や必要書類などを事前に確認し、スムーズに手続きを進めましょう。
ぜひ、この記事を参考にして、一歩を踏み出してください。
まずは相談支援事業所や希望するB型事業所に問い合わせてみてください。

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