中等度知的障害でも大丈夫!就労継続支援B型で自分らしく働く方法
「働くこと」は、私たちの人生において大きな意味を持つものです。
しかし、中等度知的障害を持つ方にとっては、働くことへのハードルは高く、周囲の理解やサポートが必要不可欠です。

「自分のペースで働ける場所はあるの?」
「支援してくれる人はいるの?」
「本当に働けるの?」
今、そんな疑問や不安を抱えている方もいらっしゃるかもしれません。

「障害があっても、社会の一員として活躍したい」
そんな思いを抱いている方におすすめなのが「就労継続支援B型事業所」です。
就労継続支援B型事業所は、障害や難病のある方が、それぞれのペースで社会参加を実現し、自分らしい働き方を見つけるための福祉サービスです。
中等度知的障害のある方にとっても、安心して日々の活動に取り組める場所として、多くの方が利用されています。
この記事では、中等度知的障害のある方が就労継続支援B型事業所を活用することで得られる様々なメリットをはじめ、具体的な仕事内容や、安心して働くための支援体制について、分かりやすく解説します。
中等度知的障害について

知的障害の中で「中程度」に分類される障害で、知的機能の遅れがやや大きく、生活や学習、社会参加に一定の支援が必要な状態を指します。
主な基準(医学的・心理的)
- 知能指数(IQ):35〜49程
※IQはあくまで目安で、個人差があります。
- 精神年齢:おおよそ6歳〜9歳前後
※こちらも平均的な目安です。
主な特徴
①学習能力
- 読み書き・計算などの基礎的な学習には時間がかかる
- 抽象的な言葉の理解が苦手(例:「昨日」「将来」などの言葉)
- 繰り返し教えることで習得できることが多い
- 新しいことやスキルを学ぶのが難しい場合があるが、実用的なスキルを学ぶことは可能
② 言語・コミュニケーション
- 言葉の理解や表現が限定的な場合がある
- 口語や書かれた言葉の理解と使用に課題がああるため、簡潔な文やフレーズを使用する傾向がある
- 非言語的(表情・ジェスチャー)なコミュニケーションも活用されやすい
③日常生活
- 着替え、食事、入浴など基本的な生活動作は概ね自立できる
- 金銭管理、時間の感覚、交通機関の利用などには支援が必要
- 決まったルールや手順のある作業には安定して取り組める傾向がある
④対人関係・社会性
- 周囲の人との関係づくりには少し時間がかかることもある
- 模倣や繰り返しの経験で対人スキルが向上する
- 環境変化やストレスに対して敏感なこともあり、安心できる支援者の存在が重要

参考外部リンク:中等度知的障害(ちゅうとうどちてきしょうがい)について
支援の力で、可能性がひらく。「できる」がどんどん増えていく!

中等度知的障害の方は、適切なサポートがあることで以下のような力を発揮できます。
実践・集中・交流:働く中で伸びる「3つ」の力
- 作業を繰り返し実践することで定着させる力
- 手順やルールが明確な作業に集中して取り組む力
- 人と関わる経験を通じて社会性を育む力

知的障害の程度は個人によって異なり、同じ程度の障害を持つ人でも、それぞれの強みや弱みが異なります。
中等度の知的障害を持つ方は、独自の能力と才能を持っており、支援を受けながら充実した生活を送ることが可能です。
就労継続支援B型事業所などのように「一人ひとりの特性に合わせた支援」が行われる場はとても大切です。
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中等度知的障害の特徴と就労における課題

中等度知的障害のある方が就労する際には、以下のような課題に直面することがあります。
主な課題
①業務内容の理解と遂行
- 複雑な作業手順や抽象的な指示の理解が難しい。
- 臨機応変な対応や状況判断が求められる業務は困難。
- 新しい業務を覚えるのに時間がかかる。
- 集中力や持続力の維持が難しい場合がある。
②コミュニケーション
- 職場での報告・連絡・相談がスムーズに行えないことがある。
- 上司や同僚との意思疎通がうまくいかないことがある。
- 社会のルールや職場の暗黙の了解を理解しにくい。
③作業環境への適応
- 騒がしい場所や変化の多い環境に戸惑いやすい。
- 多くの情報を同時に処理することが苦手。
- 体調管理や規則正しい生活習慣の維持に支援が必要な場合がある
④人間関係の構築
- 同僚との適切な距離感や良好な関係を築くのが難しいことがある。
- 感情のコントロールが苦手で、トラブルに発展する可能性がある。
⑤賃金と経済的自立
- 作業能力や労働時間などが限られるため、十分な賃金を得ることが難しい場合がある。
- 金銭管理能力が低いため、 適切に管理するための支援が必要となることがある。
⑥雇用側の理解と配慮
- 知的障害のある方の特性や必要な支援についての雇用側の理解が不足している場合がある。
- 長期的な視点での育成やキャリアアップの機会が少ない場合がある。

これらの特性は、一般就労では大きなハードルになることがあります。
就労継続支援B型事業所では、こうした特性を理解した支援員が常駐し、個別の配慮や支援を行ってくれるため、安心して働くことができます。
就労継続支援B型事業所について

就労継続支援B型(以下B型事業所)とは、障害福祉サービスの一つで、一般企業などでの就労が難しい方に対し、働く機会と支援を提供する制度です。
雇用契約を結ばず、自分の体調や生活リズムに合わせて作業を行える点が特徴で、18歳以上であれば年齢制限なく利用可能です。
中等度知的障害のある方は、日常生活や対人関係で一定の支援が必要なことが多く、就労継続支援B型はその特性に配慮した柔軟な支援が用意されています。
主な対象者、利用条件など詳しくはこちらの記事をご覧ください。
就労継続支援B型事業所はどんな人が対象?自分に合った支援を見つけよう!
障害者手帳がなくても大丈夫?就労継続支援B型で働くための条件とは
B型事業所の主な特徴
①柔軟な勤務形態
B型事業所では、利用者一人ひとりに応じた柔軟な勤務形態が特徴です。
フルタイムでの勤務が難しい場合でも、短時間からの勤務が可能なため、個々の事情を考慮した支援が提供されています。
②多様な作業内容
B型事業所では、様々な作業を通じて技術や経験を身につけることができます。
多岐にわたる作業があるため、自分に合った仕事を見つけることができます。
③個別支援計画
利用者ごとに作成される個別支援計画は、支援の基本です。
中等度知的障害者の特性に応じて、どのような作業が求められるか、どのようにスキルを向上させていくかが定められます。
④定期的なサポート
定期的なカウンセリングやサポートを通じて、利用者の方の不安や悩みを解消し、安心して働けるように支援します。

B型事業所について詳しくはこちらの記事をご覧ください。
【初めての方へ】就労継続支援B型事業所とは?わかりやすく解説
中等度知的障害のある方が取り組みやすい仕事内容

B型事業所で行われる作業は多岐にわたりますが、中等度知的障害のある方が取り組みやすい仕事内容としては、以下のようなものが挙げられます。
1. 軽作業(内職系)
- シール貼り(商品ラベル、パッケージ)
- 箱折り・封入・袋詰め
- パーツの組み立て(部品など)
- ティッシュ詰め、割り箸の袋入れ など

🔹ポイント:手順が単純で繰り返し作業なので、慣れると安定して作業ができます。
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2. 清掃作業
- 施設内や公園、マンションの共用部の清掃
- ごみの分別や床掃き・拭き掃除
- トイレ清掃(対応可否は個人によります)

🔹ポイント:体を動かす仕事で、手順が明確。
視覚的な成果がわかるため達成感も得やすいです。
3. 農作業・園芸
- 野菜の種まき・収穫・袋詰め
- 花壇の手入れや水やり
- 草取り

🔹ポイント:自然に触れながら、自分のペースで作業できます。
体力に応じた作業の割り振りがしやすいのも特徴です。
4. 食品加工・調理補助
- お弁当の盛り付けや食材の仕分け
- おにぎりやパンの成形補助
- 食器洗いや配膳準備

🔹ポイント:ルーティンワークが得意な方におすすめ。
5. 創作・クラフト
- ビーズアクセサリーや手芸品の制作
- イラストや簡単なデザイン作業

🔹ポイント:個性を活かせる作業で、集中して静かに取り組みたい方におすすめです。

取り組みやすさの工夫例
- 手順をイラスト付きマニュアルで提示
- 作業内容を個人の得意・苦手に応じて調整
- ペース配分の自由度がある(疲れたら休める)
- 支援員がすぐそばで見守り・声かけしてくれる
など
中等度知的障害のある方でも

「分かりやすい手順」
「繰り返しが多い」
「自分のペースでできる」
といった特徴を持つ作業なら、安心して取り組めることが多いです。
B型事業所ではこうした工夫を重ね、「できた!」という実感を大切に支援が行われています。
その他にもパソコン作業など、多岐にわたる作業があるため、自分に合った仕事を見つけることができます。
作業内容について詳しい記事はこちら
就労継続支援B型で挑戦できる仕事とは?自分に合った働き方を見つけるヒント!
【就労継続支援B型】仕事探しのお悩みを解決!あなたに合った働き方を見つける方法
中等度知的障害の方にとってのメリット

1.分かりやすい作業が多い
シール貼り、袋詰め、簡単な組み立てなど、視覚的・手順的に理解しやすい作業が多く、自信をもって取り組めます。
2.個別に合わせた支援
一人ひとりの理解度や性格に合わせて支援員が関わるため、焦らず学ぶことができます。
3.社会や人との関わりが練習できる
他の利用者の方や支援員との関わりを通じて、社会性やコミュニケーションの練習もできます。
4.生活リズムが整う
定期的に通うことで、起床時間や食事などの生活習慣が安定します。
5.達成感や自信を得られる
作業をやり遂げた経験や、工賃を受け取ることが「できた」という気持ちにつながります。
6.将来へのステップ
一般就労に向けた準備や、より自立した生活への移行を支援します。
など
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【完全ガイド】就労継続支援B型のメリットとは?自分らしい働き方を実現する方法
中等度知的障害がある方のB型事業所の選び方

① 自分の特性やペースに合った支援があるか
- 支援員が常にそばにいて、わかりやすく説明してくれるか
- 急かさずに自分のペースで作業できる環境か
- 支援内容が一方的でなく、本人の意見や状態に合わせて調整してくれるか
🔍 見学の際に、「分からないときはどうサポートしてくれますか?」と聞いてみましょう。
② 作業内容が本人の得意・興味に合っているか
- 単純作業が得意なら→シール貼り・箱詰めなどの軽作業中心の事業所
- 体を動かすのが好きなら→清掃や農作業などの屋外作業ありの事業所
- ものづくりが好きなら→クラフトや創作活動を行っている事業所
🔍 作業が合わないと疲れやストレスにつながるため、体験利用で実際の作業をしてみるのがおすすめです。
③ コミュニケーションのしやすさ
- スタッフや利用者同士の雰囲気は穏やかか
- わからないことや困ったことを、気軽に相談できる空気があるか
- 「褒めてくれる」「丁寧に教えてくれる」など、安心感を得られるか
🔍 働きやすい環境で人間関係のストレスが少ないことも、長く通う上でとても大切です。
④ 通いやすさ(アクセス・時間)
- 自宅から無理なく通える距離か(送迎サービスがあるかも確認)
- 作業時間が体力に合っているか(例:午前のみの利用が可能か)
- トイレや休憩場所など、環境面の配慮があるか
🔍 中等度知的障害の方には、移動の不安や疲れも大きいため、近さと負担の少なさは重要です。
⑤ 家族や関係者との連携
- 家族との連絡ノートや面談の機会があるか
- 福祉サービス(相談支援専門員、支援学校、医療機関など)との連携を大切にしているか
🔍 支援が本人まかせではなく、まわりと協力しながら進めていく体制があると安心です。
⑥ 利用者一人ひとりを大切にしてくれるか
- 作業の「できる・できない」ではなく、その人の個性を大事にしているか
- 成長や変化に気づき、ほめたり支えてくれる姿勢があるか
- 利用者の「自己決定」を尊重しているか(やらされている感がない)

実際に確認するには「見学・体験利用」が一番!
中等度知的障害がある方にとって、就労継続支援B型事業所の選び方はとても重要です。
自分の特性に合った事業所を選ぶことで、

「働くことが楽しい!」
「ここなら毎日安心して通える!」
と実感できるようになります。
実際に見学や体験利用を通じて自分で「ここなら安心」と思えるかどうかを確認しましょう。
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就労継続支援B型の体験ってどんな感じ?気になる内容やメリットを解説!
B型事業所を利用するにはどうすればいい?

B型事業所のご利用には「障害福祉サービス受給者証」という証明書が必要です。

ご利用の流れについて詳しくはこちらをご覧ください。
まとめ:一人ひとりの可能性を大切にするB型事業所
B型事業所は、中等度知的障害のある方が、それぞれのペースで社会参加を実現し、自分らしく輝くための大切な場所です。
適切な事業所選びと、周囲の理解と支援があれば、可能性は大きく広がります。
まずはお近くのB型事業所に見学や体験利用で「自分らしく働ける」第一歩を踏み出してみましょう!
参考(外部)リンク:就労継続支援B型事業所一覧 - 障がい者就労支援情報~全国版~

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