精神障害を持つ方へ|就労継続支援B型事業所で安心して働ける環境・サポートを徹底解説

精神障害を抱えながら「働きたい」という気持ちをお持ちの方にとって、どのような場所で、どのように働くかという悩みは尽きないものです。

特に、体調の波や人とのコミュニケーションに不安を感じる方もいらっしゃるでしょう。

本記事では、精神障害をお持ちの方が就労継続支援B型事業所で安心して働くための情報、「どんなサポートがあるのか」「どんな環境なら続けられるのか」について詳しく解説します。

精神障害の種類別に、具体的なアプローチや仕事内容の例もご紹介しますので、ぜひ自分に合った働き方を見つけるヒントにしてください。

1. 就労継続支援B型事業所とは?精神障害のある方が働くための選択肢

就労継続支援B型事業所

就労継続支援B型事業所は、一般企業での就労が難しい精神障害やその他の障害をお持ちの方が、自分のペースで働く訓練を行い、社会参加を目指すための福祉サービスです。

雇用契約を結ばないため、体調に合わせて無理なく通所できる点が大きな特徴です。

■B型事業所の目的と役割

就労継続支援B型事業所(以下B型事業所)は、精神障害・発達障害・身体障害・難病などで、すぐに一般企業で働くのが難しい方に向けて、自分のペースで働ける環境を提供する場です。

主な目的は、作業を通して「働く喜び」を感じながら、生活リズムを整え、社会参加につなげることです。

内職や清掃、農作業、パソコン作業など多様な作業を行うことで、社会性やコミュニケーション力も育まれます。

工賃は高額ではありませんが、通所を続けることで「働く習慣」や「自信」を取り戻すことができます。

将来的に一般就労を目指す方には、A型事業所、就労移行支援との連携でステップアップも可能です。

B型事業所は、障害のある方が安心して働き、自分らしい働き方を見つけられる大切な場所といえるでしょう。

■A型事業所や就労移行支援との違い

  • 就労継続支援A型:雇用契約を結び、最低賃金が保証されます。
    一般就労に近い形で働きたい方向けです。
  • 就労継続支援B型:雇用契約を結びません。
    作業の対価として工賃が支払われ、全国平均は月数千円〜1万円前後です。
    体調が不安定な方や短時間から働きたい方に向いています。
  • 就労移行支援:一般就労を目指す方が、必要な知識やスキルを習得するための訓練を行うサービスです。
    期間が限定されています。

 💡精神障害の特性上、体調の変動が大きかったり、長期的なサポートが必要な場合には、B型事業所が特に適していると言えます。

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2. 精神障害の種類別!B型事業所での「安心できる環境」の探し方

精神障害は多種多様であり、それぞれ特性が異なります。

そのため、ご自身の障害特性に合わせた事業所選びが「安心」に繋がります。

ここでは、一部ではありますが、主な精神障害の種類別に、B型事業所で考慮すべきポイントをご紹介します。

■うつ病

  • 特性と課題: 気分が落ち込み、意欲の低下、倦怠感、集中力の欠如、過眠や不眠などが現れやすいです。
    気力や活力が落ちてしまうときは特に、無理なく作業できる環境が求められます。
  • 安心できる環境のポイント:
    • 柔軟な勤務時間・日数: 体調が優れない日は無理せず休める、短時間から始められる、作業時間をその日の体調に合わせて調整できるなど、柔軟に対応してくれる事業所。
    • 休憩が取りやすい環境: 疲労を感じたらいつでも休憩できる、静かなスペースがあるなど、体調を優先できる配慮があること。
    • タスクの細分化と管理: 一度に多くの作業を任されず、細かく区切られたタスクから始められる事業所。
      作業リストの視覚化や優先順位付けのサポートがあると良いでしょう。
    • スタッフからの声かけと見守り: 体調の変化に気づき、適切なタイミングで声かけやサポートをしてくれる、信頼できるスタッフがいること。
      無理をさせない配慮が重要です。
    • 人間関係のストレス軽減: 人間関係の複雑さが少ない、個別の作業スペースがあるなど、対人ストレスを軽減できる環境。
  • 向いている作業例: データ入力、軽作業(部品の組み立てなど、単調で集中しやすいもの)、創作活動(手芸、絵画など、自己表現ができるもの)。

■ 双極性障害

  • 特性と課題: うつ状態と躁(または軽躁)状態を繰り返すのが特徴です。
    躁状態では活動的になりすぎる、うつ状態では意欲が低下するなど、気分の波が仕事に影響を与えやすいです。
    気分の波に合わせた柔軟な対応が求められます。
  • 安心できる環境のポイント:
    • 体調変動への理解と対応: 気分の波をスタッフが理解し、うつ状態の時は作業量を減らす、躁状態の時は衝動的な行動を抑制するための声かけや、エネルギーを良い方向に向ける提案をしてくれるなど、柔軟なサポート体制。
    • 安定したルーティンと変化への対応: 基本的には安定したルーティンの中で作業できること。
      一方で、躁状態のエネルギーを活かせるよう、一時的に異なる作業を提案するなど、変化にも対応できる柔軟性があると良いでしょう。
    • 相談しやすい環境: 気分の変化を早期に伝えられるよう、気軽に相談できるスタッフや仕組みがあること。
    • ストレス管理のサポート: 気分が不安定になるきっかけ(ストレス要因)を特定し、それらを避けるための工夫や、ストレス対処法の共有ができる環境。
    • 安定した人間関係: 人間関係の変動が少なく、安定した対人環境で作業できること。
  • 向いている作業例:
    • うつ状態時:データ入力、内職作業、簡単な清掃作業など、集中力があまり必要なく、単調な作業。
    • 躁状態時:企画立案補助、イベント準備、広報活動補助など、創造性や活動性を活かせる一時的なプロジェクト作業(ただし、過度な負担にならないよう調整が必要)。

■統合失調症

  • 特性と課題: 思考のまとまりにくさ、幻覚や妄想、感情表現の困難さ、意欲の低下などが現れることがあります。
    環境の変化に敏感な方も多く、予測可能で安定した環境が非常に重要です。
    人とのコミュニケーションに困難を感じる場合もあります。
  • 安心できる環境のポイント:
    • 構造化された環境と明確な指示: 毎日同じ時間、同じ場所で、同じ作業を繰り返せるような、変化の少ない環境。
      作業の手順や職場のルールが視覚的に分かりやすく提示されていること。
      曖昧な指示ではなく、具体的に何をすれば良いか、手順を細かく説明してくれること。
    • 静かで落ち着いた作業スペース: 騒がしくなく、集中しやすい環境。個別のブースやパーテーションなどで仕切られた空間があると、外部からの刺激が少なくより安心です。
    • 過度な刺激の少なさ: 複雑な人間関係、突発的なイベント、騒音などが少なく、予測可能な日常が送れること。
    • 安心できるスタッフとの関係: 信頼できる特定のスタッフが、一貫してサポートしてくれる体制。
      困ったときにすぐに相談でき、安心して頼れる存在がいることが重要です。
    • 休憩と気分転換の機会: 定期的な休憩や、気分転換のための静かな場所が確保されていること。
  • 向いている作業例: 封入・封緘(ふうかん)作業、清掃作業、簡単な部品の組み立て作業、農作業(自然に触れることでリラックスできる場合)、データ入力など、単調で集中しやすい、人との接触が少ない作業。

■パニック障害

  • 特性と課題: 突然の強い不安感や動悸、息苦しさ、めまいなどのパニック発作が予期せず起こることが特徴です。
    発作への恐怖から、人混みや閉鎖空間、特定の場所を避ける「広場恐怖」を伴うこともあり、通勤や外出そのものに困難を感じる場合があります。
  • 安心できる環境のポイント:
    • 安心できる場所の確保: パニック発作が起きた際にすぐに移動できる、人目の少ない静かな休憩スペースや、個人的なスペースが確保されていること。
    • 混雑を避ける工夫: 人が多い時間帯を避けた通勤のサポートや、少人数での作業環境。
      あるいは、在宅での作業が可能な事業所も選択肢となります。
    • 安全基地となるスタッフ: 困ったときや発作が起きそうだと感じたときに、すぐに相談できる、信頼関係を築けるスタッフがいること。
      発作時の具体的な対応(声かけ、休憩への誘導など)について、事前に共有されていると安心です。
    • スモールステップでの慣らし: 少しずつ作業量や人間関係、環境に慣れていけるような配慮。
      無理強いせず、本人のペースを尊重してくれること。
    • 緊急時の対応体制: 発作時の医療機関への連絡体制や、家族への連絡方法などが明確になっていること。
  • 向いている作業例: 在宅でのデータ入力作業、個別の作業スペースでのPC作業、清掃作業(人との接触が少ないもの)、簡単な手作業など、比較的ストレスが少なく、自分のペースで取り組める作業。

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3. 自分に合ったB型事業所を見つけるためのチェックリスト

チェック 

安心できる事業所を見つけるためには、事前の情報収集と見学が不可欠です。
ご自身が何を重視するのかを明確にすることが大切です。
下記の内容をチェックしましょう。

■ 事業所選びのポイント

  • 事業所の雰囲気: スタッフと利用者の関係性、利用者の様子、全体の活気。
  • 支援体制: 個別支援計画の具体的な内容、困ったときの相談体制、医療機関との連携。
  • 作業内容: 興味関心のある作業があるか、ご自身のペースで取り組めるか、作業の種類が豊富か。
  • アクセス: 自宅からの距離、交通手段、送迎の有無。
  • 工賃: 平均的な工賃、工賃の支払い方法。
  • 利用者層: 同じような精神障害を持つ方が多いか、年齢層など。

■ 見学時に確認すべきこと

  • 作業中の様子はどうか?
  • 休憩スペースは快適か?
  • スタッフの対応はどうか?
  • 体調不良時の対応は?
  • 緊急時の連絡体制は?
  • 人間関係で困ったときのサポートは?
  • (精神障害の種類別に)具体的な配慮は可能か?

💡 見学時には、気になることを遠慮なく質問し、ご自身の特性に合った環境かどうかをしっかり確認しましょう。

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4. 就労継続支援B型事業所を利用するまでの流れ

■ 相談から利用開始までのステップ

ここでは一般的な流れを解説します。

Step1:相談する
まずはお住まいの市区町村の障害福祉担当窓口や、相談支援事業所に相談します。
自分の状況を話し、B型事業所の利用を検討していることを伝えましょう。
Step2:事業所を探し、見学・体験利用をする
相談機関から情報を得たり、インターネットで探したりして、気になる事業所を見つけたら、電話やメールで見学・体験の申し込みをします。
複数の事業所を比較検討するのがおすすめです。
Step3:利用申請を行う
利用したい事業所が決まったら、市区町村の窓口でサービスの利用申請を行います。
この際、サービスを利用するには、
「どんなふうにサービスを使っていきたいか」
をまとめた「サービス等利用計画案」が必要になります。
この計画は、自治体から認められた相談支援事業所の専門スタッフが一緒に考えて作ってくれます。
また、ご本人やご家族、支援している人が自分たちで作る(セルフプラン)こともできます。
相談 窓口
Step4:支給決定と「障害福祉サービス受給者証」の交付
市区町村による審査を経て、サービスの利用が決定されると、「障害福祉サービス受給者証」が交付されます。
これがB型事業所を利用するための許可証のようなものです。
Step5:事業所との契約・利用開始
受給者証を持って事業所へ行き、利用契約を結びます。
契約内容をよく確認し、納得できたら利用開始です。

5. よくある質問(FAQ)

精神障害の場合、どのような配慮が受けられますか?

事業所によって異なりますが、一般的には体調に合わせた作業量の調整、休憩時間の確保、苦手な作業の代替、人との距離感への配慮、コミュニケーションのサポートなどがあります。

個別の状況に応じて、スタッフが親身に相談に乗ってくれます。

詳しくは事業所に確認しましょう。

利用するのに費用はかかりますか?

障害福祉サービスの利用料は、原則1割負担ですが、前年度の所得に応じて月額負担上限額が定められています。

ほとんどの方が無料で利用できています。

昼食代や交通費などが別途かかる場合がありますので、事前に確認しましょう。

通院しながらでも利用できますか?

はい、通院しながら利用している方がほとんどです。

事業所によっては、通院日を考慮したシフトを組んでくれたり、必要に応じて通院の付き添いなどのサポートをしてくれる場合もあります。

工賃はどのくらいもらえますか?

工賃は作業内容や作業時間によって異なります。雇用契約を結ばないため、最低賃金は保証されませんが、令和5年度の全国平均は月額23053円です。

あくまで訓練の一環として支払われるものであり、事業所によっては工賃が高めに設定されているところもあります。

まとめ

就労継続支援B型事業所まとめ

精神障害をお持ちの方がB型事業所で「安心」を見つけるためには、ご自身の障害特性を理解し、それに合った環境を提供してくれる事業所を選ぶことが何よりも重要です。

この記事でご紹介した精神障害の種類別のポイントや、事業所選びのチェックリストを参考に、ぜひ複数の事業所の情報収集や見学をしてみてください。

一歩踏み出すことで、きっと自分らしく輝ける場所が見つかるはずです。

📝 参考リンク(外部)

京都市の就労継続支援B型事業所

就労継続支援B型事業所一覧 – 障がい者就労支援情報~全国版~

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